バリアートショールーム オーナーブログ
2016.4.27

バリ芸能の口伝術

2016-04-24 17.08.55

宮廷古典舞踊の華麗な舞

こんにちは、坂本澄子です。
先日、素晴らしいガムラン演奏とバリ舞踊を楽しませていただきました。
演奏をされたのは、以前このブログでもご紹介した櫻田素子さん。今回はリンディックという竹でできた木琴のような形をした楽器です。少し高めの、コロコロと弾むような音色。阿佐ヶ谷のバリ舞踊祭でも素晴らしい踊りを見せてくださった荒内琴江さんと高橋恵美子さんが加わり、濃密なバリ空間となりました。

櫻田さんのお話で特に興味深かったのが、バリ島でのガムランの教わり方です。

リンディック。明るく彩色されてとてもかわいい楽器です。

リンディック。明るく彩色されてとてもかわいい楽器です。

バリの芸能は基本的に口頭伝授。先生がまずお手本を見せてくれるのですが、ピアノ教室などでよくある、楽譜を見ながら、「じゃあ、まずはここまでやってみましょう」と細切れに進めるのではないのだそう。
延々とノンストップ、「そんなに覚えきれないよ~」という状態になりつつ、先生の方もとことん付き合ってくれるのだそうです。
朝、暑くなる前に先生のお宅に伺い、途中お昼を食べに帰り、午後にまた再開。そんなレッスンを何日も重ね、「滞在中に覚えきれないのでは…」と不安がよぎるある日、ふとできるようになる。自転車に乗れるようになるのと同じで、一度身につくと忘れないのだそう。その曲とよい関係を作るために必要な時間なのですね。効率が重視される昨今、何事にも必要な時間があるのだと、大切なことを思い出させてもらいました。

必要な時間をたっぷりかけるのは絵画の世界も同じ。細密画『少年たちとケチャダンス』はA4程度の小さな作品ですが、画家のライさんは1ヶ月以上もの時間をかけて、この作品に向き合いました。篝火に照らされ赤く染まった少年たちの顔はひとりひとり異なり、葉っぱの一枚一枚まで丁寧に描かれています。

少年たちのケチャダンス

『少年たちのケチャダンス』RAI 25cmx35cm アクリル/紙 ¥60,000

時間をたっぷりかけてもお値段はとってもリーズナブル♪ そこもまた魅力ですね。

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ライ作品ページ  細密画で有名なクリキ村在住の画家

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