バリアートショールーム オーナーブログ
2016.5.4

バリ島の昔話から

こんにちは、坂本澄子です。

ある方から、こんなバリ島の昔話を教えていただきました。

昔、バリのジャングルに、ゲッコー(トッケイヤモリ)が住んでいました。

ある晩、ゲッコーは、ホタルがたくさん集まって光るので眠れない、とジャングルの王さまであるライオンのところに文句を言いに行きました。
そこで翌日、王さまがホタルに訳を聞きに行くと、ホタルは、キツツキが警告を鳴らすから、それを広めてるだけだ、と文句を言います。

そこで、王さまは今度はキツツキに訳を聞きに行きました。
キツツキは、ふんころがしが、丸めたふんを道に放置するから、警告しているだけだ、と文句を言います。

その後、王さまは、ふんころがし、水牛、と訳を聞きに行き、最後に水牛の文句に出てきた雨に訳を聞きに行きました。
雨と話をするために、バトゥール山に登った王さまは、山頂から豊かなバリの自然、風土を見て、みな、雨の恩恵を受けているということに気がつきます。

山を降りた王さまは、文句を言っていた動物たちを集め、雨の恵みに感謝し、みんなで仲良くするように言いました。
こうして、今のバリがあるのです。

*****

最後のくだりを読んで、いかにもバリらしいいいお話だと思いました。

バトゥール山を望む。右上がバトゥール湖

外輪山からバトゥール山を望む。右上がバトゥール湖

バトゥール山はバリ島の北東部にある標高1,717mの活火山です。キンタマーニ高原と言った方が聞き覚えがあるかも知れませんね^o^; 噴火でできたカルデラ湖のバトゥール湖を眼下に眺める景色は、ご存知バリ島の観光名所のひとつとなっています。

バリ島では北部の山岳地帯に降った雨が地下水となり、南部の平野部に湧き出ています。その水を公平に各田んぼに分配する仕組みをスバックと言い、もう1000年以上前から続く水利組合です。これがあるおかげで、バリ島では古来水をめぐる争いはほとんどなく、豊かな水と肥沃な大地は多くの恵みをもたらしてきました。

このお話はそんなバリの素朴な暮らしを表現しているように思いました。

ところで、バリの暮らしを題材に絵を描く画家は多くいますが、バリ絵画の伝統技法を踏襲しながら、独自の作風を確立し、多くのファンをひきつけているといえば、やはりアリミニでしょう。

こちら、『ハヌマンの誕生』もヒンドゥ神話の場面とバリの暮らしが融合され描かれています。青く清らかな水が、山々に降り注ぐ恵みの雨を思い出せてくれますね。

ブログ212_ハヌマンの誕生

『ハヌマンの誕生』 ARIMINI アクリル/紙 35cmx25cm 160,000円

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