バリアートショールーム オーナーブログ
2014.11.15

【お客様投稿】20年前の大晦日に出会った絵

こんにちは、坂本澄子です。

寒くなりましたね。毎朝目覚ましが鳴ると、「えー、もう朝」。まだ外は暗く、なかなかお布団から出られません^^; ようやく決心して、「えいやー」と起きています。でも、一旦外へ出ると、冷たい空気が逆にシャキとした気分にしてくれて、「今日も頑張ろ」というやる気が湧いてくるんです。そんなピリっとした空気をこの作品からも感じました。

埼玉県のO様からのお便りです。

ブログ179_荻野様投稿「ブログの『あなたがお持ちのバリ絵画を投稿していただけませんか?』という記事を拝見し、こちらの絵を投稿します。

ー ありがとうございます!

「20年前の1994年大晦日、バトゥアンの画家グデ・マンダラ氏から直接購入したものです。

魔王ラワナの家来マリチャが化けた黄金の鹿をクリシュナが射る、ラーマーヤナの一場面を描いたもの。

熱帯の陽射しと裏腹なジャングルの奥の暗闇で、神々と悪魔が人知れず戦っているような雰囲気の絵が、バトゥアンの村祭りへ行く途中で経験した、懐中電灯がないと足元も見えない暗闇を歩く心細さと、その時に見た満点の星空を思い出させます

ー いい絵ですね。

バトゥアン・スタイルの特徴で、一見平面的に描かれているように見えますが、その向こうにあるものを見る人に想像させるような不思議な余韻がありますよね。ジャングルの向こうに続く深い闇。そこでうごめく様々な生き物の気配。私はそんなものを感じました。皆様はいかがですか?

ブログ179_バトゥアン村バトゥアン村はオランダ統治下にあっても比較的西洋の影響を受けなかった地域で、今でもこのような純粋な伝統絵画を描くすぐれた画家が多く活動しているところです。

グデ・マンダラ氏は中でも著名な画家で、高名な画家だった父(Dewa Nyoman TJITA)、祖父(Dewa Putu KEBES)から絵の才能を受け継ぎ、その活動はバリ島内にとどまらず、フランス、ドイツ、アメリカへと。

神話『ラーマーヤナ』の黄金の鹿がラーマ王の妻シータを誘惑する場面は、この物語のハイライトのひとつで、絵画のモチーフとしてもよく取り上げられています。以前、ブログでもご紹介しましたので、ご興味があればご参考にこちらも読んでみてくださいね。

投稿下さったO様は鑞画のアーティスト。昨年はバティックを持つインドネシアのジャカルタでワークショップをされるなど、広く活躍されています。

20年前に初めてバリ島を訪れ、バリ絵画の奥深さに魅了されたそう。今でもバリ絵画に関する文献は希少ですが、当時、唯一あった英文の文献を和訳して日本で出版しようとされたほど、バリ絵画に一家言をお持ちなんです。

「バリアートショールーム」の絵画展にも必ず来てくださり、お話をさせていただくのが私の楽しみです。

では、続いて投稿お待ちしてま〜す!

<関連ページ>

バトゥアン・スタイル

バリ絵画に描かれた『ラーマーヤナ』

2014.11.5

【お客様投稿】初めてはトッケー4匹でした

こんにちは、坂本澄子です。

前回のブログで、「お持ちのバリ絵画をぜひ投稿いただけませんか」というお願いをしたところ、神奈川県のS様からさっそくお便りをいただきました^o^

「最初にバリ島に行ったのは、5年前の夏休みになります。

最初の訪問の時は絵をたくさん売っているんだな~と。

ブログ177_トッケー

4年前の夏休みに初めてウブドの市場で、バリアートを自分の部屋に飾りたくて数件見て、トッケー4匹の絵に決めました。本当は7匹が良かったんだけど。7回トッケーの鳴き声を聞くと良いことがあるとバリ滞在中に聞いたからです。でも、なかったな~。7匹にすればいいのに。

3年前の夏休みにも絵をギャラリーで見ました。何か他の絵と違うものを感じたのがこの絵です。
見ていると元気が出てくる不思議なものを感じました。。。。

ブログ177_ソキ

この絵は後に、バリアートショールームのホームページでソキさんの作品だと知りました。

また、行く機会があったらのんびりとギャラリーを覗いてみたいです」

トッケー、ご存知ですよね? 体調15〜20cmくらいの大ヤモリ。オレンジのドットの…ちょっとグロテスクな…。知らないと、南国の鳥が鳴いているのかと思われる、のどかな声なんですけどね。ゲッコー、ゲッコーと高めの声で続けて鳴きます。東南アジアでは7回続けて鳴くと幸運がやってくるという言い伝えがあるのだそう。この声、聴いてみたい方はこちらをどうぞ(汗)

 *****

ウブドには実に多くの画家が活動しています。伝統絵画からモダンな抽象画に至るまでさまざま。でも、どこかで見たような似た構図の絵があちこちに出回っているのも事実、言わば玉石混淆なんです。

その中で、自分の感性を頼りに、波長にビビっとくる絵を選ぶのもひとつの出会いですよね。トッケーが4匹というところに、もしかすると描き手の何らかの意図がこめられていたかも知れません。そんなことを想像してみると、いつもは使わない脳の裏側のあたりをマッサージされる感じで心地よかったりしませんか(笑)

そんなふうに選んだ絵を後から見ると、その頃にあった出来事や気持ちが甦ってくるように感じることがありますよね。つらかったことは意外に忘れていて、いくつかの断片的な記憶が細い糸で繋がって、やさしい物語になっている感じ。

 一方、多くの人に支持される人気作家の作品に、市中のギャラリーでお目にかかるケースはなかなかないもの。次々と注文が来て、完成と同時に買い手の元へと送られていくのが常ですから、S様はとてもラッキーではないでしょうか。

もしバリ絵画でいいものがほしいなと思われたら、「バリアートショールーム」の「バリ島の美術館に選ばれた作家たち」もぜひ覗いてみてくださいね。

ソキさんの3分間ムービーもYoutubeで公開中です。冒頭のソキさんの笑顔、かわいいと思うのは私だけ?(汗)

それでは、皆様の投稿、続いてお待ちしています!

 

<関連ページ>

バリ島の美術館に選ばれた作家たち  バリ島の美術館が所蔵する人気作家の作品をご紹介

ソキ バリ島の暮し・祭礼を描く伝統画家  3分間ムービーをYoutubeで公開中