満月の夜を描いてほしい
こんにちは、坂本澄子です。
寒くなりましたね。ついにコートを出しました。
夏の盛りの7月、新作発表会『光の風景』にたくさんの方が足を運んで下さったWIRANATA。彼を紹介したムービーを覚えておられるでしょうか。
もしまだ観ておられなかったら、3分間ぜひおつきあいください。(こちら)
その最後にこうありました。
「バリでは満月は永遠の平安をもたらすという。
彼が満月の夜を描いたらどんなだろうか」
月の満ち欠けを元に暦が回るバリ島では、満月は特別な夜。神社や家寺で満月の祭礼が行われます。
バリ島で満月をご覧になった方は、きっとわかって下さいますよね。
まるで昼間のように明るく、大地を蒼白く包み込む月の光は言葉にできないほど美しく、厳かな気持ちにさせられます。
以来、彼に満月の風景を描いてもらうことを、ずっと心の中であたためてきました。
ある時、そのことを話すと、彼の頭の中に絵のイメージが浮かんだようでした。
小さな神社でひとりの女性が祈ってるんだ」
彼の言葉はまるで透き通った湧き水のように、乾いた心に染み渡っていきました。
サイズは60x80cm。前回の『光の風景(70x100cm)』で実感したのは、ある程度の大きさがある方が、画家が絵と向き合う時間が長くなる分だけ、
前作のときのように、まだか、まだかと首を長くして待つんだろうなと思いつつも、
彼の頭の中にあるものをすっかりキャンバスに写し終えるまで、
その絵に向き合い続けてほしいなと思っています。
完成の日を一緒に心待ちにしていただけたら嬉しいです。
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