バリアートサロン#1を開催しました!
こんにちは、坂本澄子です。久し振りに気持ちよく晴れましたね。
先程、「バリアートサロン」の1回目を行い、『バリ絵画に見る神話の世界』と題して、バリの古典絵画、伝統絵画に題材としてよく取り上げられるヒンドゥ教の神様や神話の物語をご紹介しました。
今日ご出席くださったのはいずれも、既にバリ絵画をお持ちのお客様ばかりでしたが、古典絵画やそれにまつわるお話を聴かれるのは初めてとのこと。ここでも少しだけハイライトをお伝えしますね。
カマサン・スタイル(古典絵画)で有名なのは、何と言っても、バリ島東南部の古都クルンクンにあるスマラプラ宮殿の天井絵画です。1942年まで裁判所として実際に使用されていた「クレタ・ゴサ」の天井には、信賞必罰、悪いことをする人は必ず罰せられますよという意味を込めてか、ぎっしりと地獄絵が。様々な方法で罰せられる姿が並んでいるのですが、どういうわけかその顔が楽しそうに見えてしまうのは、穏やかなバリの土地柄でしょうか。
続く、パレ・カンバン(水の王宮)は王族の涼み処だった場所で、蓮池の上に浮かぶように建てられた建物はなんとも優雅。美人の女官たちを集めて、音楽などを楽しむ王様の姿が思い浮かびます。そして、ここにもぎっしりと天井画が。さきほどの地獄絵とはうって変わって、「ラーマヤナー」「マハーバーラタ」などのインド叙事詩や民話の場面が並びます。
ヒンドゥ教の三大神のひとりである世界の維持を司る神ウィシュヌは、10以上の化身を持ち、神話の世界に様々な姿で登場し、バリの多くの人たちに親しまれています。今日はその中から「ラーマヤナー」を取り上げ、あらすじを追いながら、それぞれの場面が描かれた作品をご覧いただきました。
来てくださった方も色々とコメントくださったり、質問くださったりで、1時間という短い時間があっという間に。私もご一緒に楽しませていただきました〜。
次回は7月18日(土) 11:00〜12:00、バリ近代芸術の父と言われるドイツ人画家シュピースを取り上げます。そのミステリアスな半生を追いながら、その作風に魅せられ、バリの幻想的な熱帯風景を描く画家たちの作品(シュピース・スタイル)をご覧いただきたいと思います。詳しいご案内はこちらをどうぞ。お待ちしています!
<バリアートサロン#1で展示した作品> 画像をクリックすると詳細がご覧になれます
大切なことに気づいた旅
さて、前回のブログで、勝屋久さんのつぶやきをご紹介しました。勝屋さんは前職時代に仕事でご一緒したときから、「いいね〜、やってみようよ」の人で、また、その後も何かと共感を感じることが。現在はプロフェッショナル・コネクターという肩書きで起業され、つながりによって人が輝くお手伝いをする!という生き方を職業にされています。
実際に作品を鑑賞していただきながら、その背景にあるバリの人々の世界観や考え方にせまっていきたいと思います。
バリ絵画に見るシュールレアリズムの薫り ①
こんにちは、坂本澄子です。
東京は久し振りに晴れました。気持ちのいい青いそらです。
先日、私の前職時代の先輩で、現在はプロフェッショナル・コネクターとして活躍されている勝屋久さんが興味深いことをつぶやいておられました。
「最近、すごく感じることがある。リアルに同じ時空間にいるのに、その時空間が二分割しているのを。katchaman ついに本当におかしくなっちゃったと思われるかもですがw
例えば、あるカフェで僕たちは【will やりたい!】がベースのワクワクグループ。見知らぬとなりのグループは【must やらなけばならない!】がベースの人たち。わかりやすい現象は発する言葉がネガかポジ。ということは思考回路が完全に違うんだなと。同じ人間なのにおもしろい。僕からすると同じ場にいるのに二分割されていて、全く違うエネルギーを感じてしまう。どっちがいいかということでない。明らかに違うということ。ますます、この目に見えない現象の二分割が進みそうな気がします」
様々なところで二極化が進む日本のいまの現実をうまく言いあてておられると感心するとともに、私の脳裏にある一枚の絵が思い浮かびました。ウィラナタの『光の風景』です。
(画像をクリックすると詳細がご覧になれます)
山の端へと陽が傾く午後。「日暮れまでもうひと頑張りしよう」と、精を出すひとりの農夫。画家ウィラナタが10歳の時に亡くなった父親の面影を重ねて描いた作品です。高名な画家であり惜しまれつつ早逝した父親のイメージを、ウィラナタは幻想的な光の戯れの中に表現しました。右側に立つ青年はもちろんウィラナタ本人です。
私はこの作品を見て、時間を惜しむかのように精魂を傾け、短いながらも充実した人生を生き抜いたひとりの人間像を浮べました。
注目していただきたいのは、右奥の人たち。ほとんど視界に入っていなかったかも知れませんが、よく見ると庇の下で寛いでいる人たちがいるんです。
「もうすぐ日が暮れるし、今日はもういいよな…」
そんな声もが聴こえてきそうで、農夫とはまるきり対象的です。
ウィラナタは子供の頃の断片的な記憶をつなぎあわせ、画家だった父親を農夫に見立て、それを見ている自分を青年の姿という、現実にはあり得ない光景として描きました。逆光にすることで、夢の中のような非現実感を増すことに成功しています。そして、勝屋さんの言われる二分割をさりげなく描いているのです。あくまでも、さりげなくです。淡い光は同じように降り注ぎ、大地は分け隔てなく育みます。バリにはそんな鷹揚さが残っており、それがこの絵を見る人をほっとさせてくれます。
70cmx100cmと大きなこの作品。まるで窓の向こうに別の風景を見ているようだと、先の「春のバリ絵画展」でも多くの方が足をとめてくださいました。
前回のブログでご紹介した西洋のシュールレアリズムとは全く異なる表現ですが、記憶の断片をつなぎあわせて、現実には存在しないひとつの光景を描いたこの作品にも、どことなくシュールな薫りを感じませんか。
この作品、ご自宅にお持ちしてお部屋にかけてご覧になれます。詳しくはこちらをどうぞ。
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「マグリット展」で感じたこと
こんにちは、坂本澄子です。
今日は「美術館の企画展感想」として、六本木の国立新美術館で開催中のマグリット展をご紹介します。
何を隠そう、私はマグリットの大ファン。日本では13年ぶりとなる大回顧展で、かれこれもう3ヶ月近くやっていますが、いまだ客足の衰える様子はなく、3月に行った時と同じくらい賑わっていました。6月29日までですので、もしまだご覧になっていなければぜひ。私もあともう一回は行きたいと思っています^_^
多くの方もそうかも知れませんが、マグリットとの出会いは中学校の美術の教科書でした。曇った海の風景に羽ばたく一羽のハト。そのシルエットが切り抜かれ、白い雲が浮かんだ青空が(『大家族』)。当時、「こんなに好き勝手に描いていいの?」とかなりショックを受けたものです。夏休みの宿題に真似して描いた絵が校内に飾られ、すっかり気を良くして以来、かれこれン十年のファンです。
『大家族』『光の帝国』などマグリットの代表作と言われるものの多くは晩年に描かれたもの。それまでは、なかなか認められず、経済的にも苦しい時代が続いたそうです。後年の写実的描写によるシュールリアリズムの萌芽は、既に30代前半の作品に見られます。その後、作風が何度か変わり、50代になって改めてその頃の作風に回帰することを選んだといいます。
私が一番好きな作品は『光の帝国』。マグリットは同じタイトルの作品を全部で27点描いていますが、今回展示されたのは2番目に描かれた作品です(写真)。
手前にあるのは夜の風景ですが、その背景に描かれているのはよく見ると昼間の空。一見チグハグに思えて、不思議なしっくり感があるのは、この風景のもうひとつの側面を表しているからではないかと思いました。
「ルビンの壷」をご存知ですか?1つで2つの意味があるものという意味で、心理テストによく使われています。私たちは図(壷)の方ばかり見てしまいがちですが、スペースの方に目を向けると全く別のものが見えてきます。これとちょっと似ています。
ところで、中学生の頃の私は、色んな意味でモヤモヤとしていました。今日の続きが明日で、明日の続きが明後日。そんな現在の延長線としての未来に、あまり希望が持てなかったのです。そんな時に出会った『大家族』の切り抜かれた空は、ドキッとするような非連続性を見せてくれ、新鮮な驚きを感じました。「思いがけない未来がきっと待っている」、そんなワクワク感を今回の「マグリット展」はたくさん感じさせてくれますよ。
ポジティブな力を与えてくれる絵って、本当にいいですね。次回は、バリ絵画に見られるシュールなタッチをご紹介します。
「バリアートサロン」の後の過ごし方
こんにちは、坂本澄子です。
毎月第4土曜日に「バリアートサロン」の日。会場の有明ショールームはゆりかもめ「有明テニスの森」駅から徒歩7分の場所にあります。
新交通ゆりかもめは新橋からお台場を通って豊洲に至る無人運行のモノレール。沿線にはベイエリアの未来的景観が広がっています。「バリアートサロン」の後は、潮風に吹かれながら、海を眺めてゆっくりされてはいかがでしょうか。
ということで、今日は土曜の午後の過ごし方をご提案しま〜す。
「有明テニスの森」駅付近には、2020年の東京オリンピックに向けて、バレーボール、体操競技などの施設が建設されるそう。その広大な土地を眺めながら待っていると、あっという間にゆりかもめが。3分に1本来るのです。
そこから「台場」駅までは、東京ビックサイトを抜け、青い海を左手に見ながら走る12分の旅。東京湾に佇む巨大クレーンのキリンたちの姿もなかなか趣のある風景を作り出しています。
「台場」駅から徒歩1分のホテル日航東京。ここはシティホテルには珍しいリゾート空間が広がっています。地中海料理のオーシャンダイニングで、正面にレインボーブリッジを眺めながら、ビュッフェスタイルのランチはいかがでしょう。6月30日までは初夏のリグーリア州「美食巡り」を開催中。
AQUA CITYのレストランフロアにも大人が愉しめるお店が色々。ここでも青い海と白いレインボーブリッジのコントラストが素敵です。
そして食後は、海と緑の自然とレインボーブリッジ、フジテレビなどの未来的景観が融合する風景を眺めながらのお散歩はいかがですか。静かな入り江を囲んで砂浜や磯があるお台場海浜公園はすぐ近くにあります。
ところで、レインボーブリッジは歩いて渡れるってご存知でした? 二層構造になっていて、下層は遊歩道、臨海道路、ゆりかもめが、上層は首都高速台場線がそれぞれ走っています。お台場海浜公園から遊歩道への入口がありますので、知らなかったという方、ぜひ一度お試しください。絶景が愉しめますよ。
さて、芝浦埠頭側に渡ったら立ち寄っていただきたいのが芝浦南埠頭公園。レインボーブリッジを真上に見上げられる大迫力のスポット。目の前には青い海、その向こうには高層ビル群。波の音を聴いていると、心が落ち着いてきます。
「バリアートサロン」にご参加の方には、特製案内マップを差し上げます。「バリアートサロン」の開催要領はこちらをどうぞ。
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今月の絵『ハヌマンの誕生』
こんにちは、坂本澄子です。
前回のブログでもお伝えしました通り、今月から第4土曜日に「バリアートサロン」を開催させていただきます。サロンとはフランス語で宮廷や貴族の邸宅を舞台にした社交界のこと。主人が、文化人、学者、作家らを招いて、知的な会話を楽しんだそうです。そんな素敵な雰囲気にあやかりたいと、「バリアートサロン」と名前をつけさせていただきました。
今月のテーマは「バリ絵画に見る神話の世界」。
バリ島はもともと多神教。自然の中に神々が宿ると言われ、先祖などの精霊を尊ぶ風習が今も多く残っています。絵画においても、古くから神話の場面がモチーフとして取り上げられ、信仰に根ざした民衆の生活を描いた作品が多く描かれてきました。
そこで「今月の絵」としてご紹介するのが、こちらARIMINIの『ハヌマンの誕生』です。
この絵の素晴らしいところは何と言っても流れるような構図。花の配置によって、斜めの動線を創り出しているのがおわかりでしょうか。それがこの作品を生命感を与え、見ている人まで元気にしてしまうのです。色使いもとてもきれいですね。中央に描かれているのはゴア・ガジャの洞窟寺院遺跡です。
この作品の主役である猿王ハヌマンは、インド叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する英雄。物語の中では、ウィシュヌ神の化身であるラーマ王子に従い、魔王ラワナに誘拐されたシータ妃を取り戻そうと、手下の猿軍団を率いて大奮闘します。
そんなハヌマンでもかつては失敗をしたことも。赤いものは果実だと教えられ、太陽を取ってこようと天へ昇ったのです。途中顎を砕かれ転落、一度は命を落としたものの、風神ヴァーユ(ハヌマンの父親とする説もあります)の助けによって甦り、不死と決して打ち破られない強さと叡智を与えられたと言われています。
アリミニ(ARIMINI)の制作テーマは神話の世界とバリの民衆の暮しの融合。神々は自然の至るところに宿り、その恵みによって人々の生活が守られていることを描き続けています。
アリミニの作品はこれが最後の一点となりました。どうぞお見逃しなく!
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毎月1回の「バリアートサロン」始めます
こんにちは、坂本澄子です。
「バリアートショールーム」は、本物のバリ絵画に触れていただく機会を増やす努力を惜しみません。この2年間で「バリ絵画展」を11回開催、バリエステ、バリレストラン、住宅展示場様など、パートナーとのコラボ展示会も積極的に行っています。そして、先月からご自宅にお持ちしての無料お試し(首都圏近郊のみ)も始めました。
今、次に考えているのが「バリアートサロン」です。
これは、月に一回、毎回異なるテーマで作品を5〜6点選び、作品を鑑賞しながらそのテーマにまつわるお話をさせていただく1時間のトークイベント。作品の背景にあるバリの文化・風習をお伝えすることで、アートをさらに愉しんでいただきたいというものです。
テーマとしては、
- バリ絵画に見る神話の世界
- アートからわかる民衆の暮し
- 南国の花と鳥たち など。
これまでもブログでご紹介してきましたが、「バリアートサロン」では、実際の作品や画像をフルに活用して熱く語ります。
「バリアートサロン」は事前申込制、3名様以上のお申し込みで開催します。毎月第4土曜日。第一回は6月27日開催予定、詳しくはインフォメーションに掲載します。
どうぞお気軽にご参加いただき、16世紀から脈々と受け継がれてきたバリ絵画の奥深い魅力を感じていただければ幸いです。
バリ絵画のある暮し⑬ 10年の歳月を超えた出会い
こんにちは、坂本澄子です。
早くも6月。梅雨を飛び越えて、一気に真夏日ですが、道端に咲く紫陽花を見ると、心地よい風がこころの中を通り抜けていきます。
さて、先日の「春のバリ絵画展」で作品を購入くださったお客様からさっそくお写真が届きました〜。
送ってくださったのは東京都板橋区のY様、最終日にご夫婦でお越しくださいました。おふたり並んで絵を見ておられる後ろ姿がとても暖かい感じで、まさに「バリアートショールーム」のウェブサイトのトップ画像のよう^_^
ところが、最初に目を惹いた作品は残念ながら売約済み。
「せっかくお越しいただいたのに、すみませんでした…」という言葉に送られてお帰りになりました。
数日後、ご主人様から連絡が。
「家内が横長の赤のシンメトリーの絵が気になってるみたいで、ちょっとサイズを教えてもらえませんか」
ビビッドな赤が個性的なGAMAの熱帯睡蓮画です。お聞きすると、以前、バリ島を旅行された際にご覧になった赤地のバティックの壁掛けにシンクロしたのだそう。
「もう10年以上も前のことです。その時は迷っているうちに売れてしまい、連れて帰れなかったので、今回こそと購入しました。プルプル(曙の真紅の光)の中の蓮の姿が素敵です」と奥様。
写真の通り、飾り棚の横幅にもピッタリ。お玄関が明るくなったと、喜んでいただきました。
一点一点バリ島で選んで来た作品が、こんなふうにいつも一番ふさわしい場所へと嫁いで行くのを見るのはとても嬉しく、そして不思議なご縁を感じます。
バリ絵画のある暮し、Y様の毎日がますます素敵なものになりますように!
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バリ花鳥画のページ・・・人気の花鳥画がお求め安い価格帯で
GAMA作品ページ・・・完売しました。ご注文制作を承っています