バリアートショールーム オーナーブログ
2018.9.17

和服姿で展示会へ〜第103回二科展

こんにちは、坂本澄子です。

朝晩、涼しくなってまいりました。

猛暑からようやく解放され、ほっと一息。いかがお過ごしでしょうか。

 

今日は私事ですが、

いつか和服姿で、展示会でお客様をお迎えしたい

長年思い描いていた夢が、ついに叶いました。

以前、このブログでご紹介した岐阜県のお客様、児島様は着付けの先生。

ご相談したら、二つ返事で東京まで着てくださり、

とても素敵に着つけをしてくださいました。

ご一緒に、第103回二科展の会場(六本木・国立新美術館)へ行き、記念撮影。

スラリとした和服美人が児島満里子先生です。

 

『水の惑星〜未来へ向かうサカナたち』二科展@国立新美術館

 

実は、展示作『水の惑星〜未来へ向かうサカナたち』は、今年春に児島様のご自宅に納品させていただいた、『月明かりの夜』の、ある意味、進化形なのです。

『月明かりの夜』では、古代より月を愛でる人々の想いを、月に恋して夜空へ舞い上がる、蓮の花に託して描きました。

今度の作品では、蓮をモチーフに残しつつ、未来に豊かさを追い求める、私たち人間の姿を、木星に向かう魚にたとえています。

そんなこともあって、この絵を児島様に会場で見ていただくことができ、私にとっては二重の喜びとなりました。

 

「この絵で一番苦労されたところは?」

児島様は、私が以前月の光に苦労して、何度も描き直したことを思い出されたのか、そう尋ねられました。

「蓮とビルの群れの向こうに広がる、深遠な宇宙を表現したかったのです」

手前の蓮や東京タワーで見る人の視線が止まることなく、最後は彼方へと続く宇宙へと抜けていってほしくて、何度も描き直しました。

 

ところで、以前浴衣を着たときには、帰宅して着替えたら、ほっとしたのですが(汗)、

着付けがお上手だと、着ていて楽というだけでなく、こうも自分の気持ちが前向きに変わるものかと正直驚きました。

いつまでも着ていたくなるような感じを、愉しませていただきました。

昭和初期のアンティーク着物。

繊細な絹のすべすべした手触りに、ふと、この着物を着ていた女性は、どんな人だったのだろうという想いが湧きました。

色々と想像を巡らせるうちに、次の絵の構想が生まれてきました。

 

坂本澄子 作品ページ

2018.8.8

水の惑星

 

こんにちは、坂本澄子です。

「バリアートショールーム」のブログをお借りして、たまに私の絵のお話をさせていただいています。

今日もおつきあいいただければ、嬉しいです。

 

いきなりですが、、、

宇宙船って、ゴーっという爆音で登場のイメージがありますよね。

映画『スターウォーズ』の第一作のオープニングで、画面の上からのしかかるように巨大なスター・デストロイヤーが現れる、あの感じです。

実際には、空気がないため、宇宙では音は聴こえないそうです。

その宇宙の無音状態を、『美しく青きドナウ』の旋律で表現したのが、映画『2001年宇宙の旅』でした。

宇宙船が向かう先は、地球と月を繋ぐ宇宙ステーション。輪を2つ繋げたような独特の形がゆっくりと回転する姿は、『美しく青き…』の効果か、優美にさえ感じられました。

リバイバルを観に行った私は、当時まだ高校生でした、不思議とそのシーンは今も鮮明に覚えています。

2001年もすっかり過去となりましたが、意識の底に沈んだ記憶が目を覚ましたのか、最近こんな絵を描きました。

 

『水の惑星〜月の世界へ』

 

この作品は、東京とバリを行ったり来たりしている、私の脳内を描いたものです。蓮と東京タワーを同じ大きさで描いているのは、この2つの場所は、私の中で50:50だからでしょう。

 

あるお客様から

「これは、坂本さんだからこそ、描ける絵ですね」とのお言葉をいただきました。

「先日お伺いした、ラウンジの熱帯魚と
 
活気づく湾岸都心の様子を、絵の中に思い出し、
 
そこで暮らしがある坂本さんだからこそ描ける
 
土地に溶け込んだ作品と 関心しました」
 
(注)ラウンジとは東京・有明のバリアートサロンを開催しているスペースです。
 
 
 
絵を描くこと、特に最初の構想段階は、おそらくすべての画家にとって、つらい時間です。
漠然とした想いは、おいそれとは像を結んでくれず、長いトンネルの向こうにようやくかすかに光が見え始める…
 
私の場合、複数のモチーフが繋がることが、きっかけとなることが多いようです。
この作品も、東京湾→水→さかな→蓮→バリ→都会→東京タワー→月→宇宙ステーション(この矢印は分岐したり、戻ってきたりもします)とたゆたうようような一連の思考の中で、形となっていったものです。
 
遠く離れた東京とバリ。

バリの人たちにとって月が特別なものであるように、東京湾の上にぽっかりと浮かんだ月も特別な存在です。

広大な宇宙を感じながら、それぞれの場所から同じ月を眺める。

そんなふうに考えていたら、耳の奥にあの旋律がよみがえってきたというわけです。
 
 
自分の中に蓄積されていたものが、熟成を経て、再び現れる。
お客様の言葉から、そんな気づきをいただきました。
次の作品では、何が現れるのかしら。
そう考えると、楽しみでもあり、ちょっと怖くもあります。笑
 
 
<関連ページ>
 
坂本澄子の作品ページ
 
 
 
 
 
 
 
2018.4.1

2018年 内宇宙と外宇宙

こんにちは、坂本澄子です。

今日は私自身の制作活動について、書かせていただきたいと思います。

毎年2つの公募展で作品発表しながら、ご注文をいただいて制作する活動を行っています。

昨年のテーマは『Crossover – Tokyo and Bali』でした。

物質的な豊かさを享受し、変化に富んだ都会生活を送ることと、

自然をありのままに受け入れ、共存していく精神的な豊かさ。

そのどちらにも惹かれる、私の心情を描いたものです。

 

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『Crossover – Tokyo and Bali』F100 アクリル/キャンバス

この作品は、昨年9月6日〜18日に新国立美術館で開催された「第102回二科展」に出品したものです。東京とバリの象限を分けることで、一枚の絵に共存させる試みをしました。

それらの間を繋ぐように飛んでいる鳥は、頭の中で常に東京とバリを行ったり来たりしている私自身でもあります。

 
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同じコンセプトでもう2点。これらは11月に東京都美術館で開催された、「第43回現代童画展」に出品しました。

 

今年はこの2つの世界を1枚の絵に共存させることから、さらに進化させ、対となる2点の作品として描けないかと考えています。

しかし、「対」として描いたつもりでも、その意図が果たして見てくださる方に伝わるかどうか、その難しさに毎日悪戦苦闘しています。

例えば、地球と宇宙との関係に例えると、

前者は前人未踏の外宇宙への飛翔(外宇宙)であり、後者は古代人から続く月への神秘的な想い(内宇宙)といったふうにです。

その第一弾となる小品『水の惑星 〜 外宇宙への飛翔』を、明日から始まる春季現代童画展(4月2日〜8日@銀座アートホール)に出品します。

お近くにお越しの節には、ご高覧いただければ幸いです。(入場無料)

 

2018.3.10

LABAさんの絵が繋いでくれたご縁

こんにちは、坂本澄子です。

バリの画家さんたちの絵を扱う傍ら、私自身も画家として小さな歩みを始めています。

昨年、その様子がNHKで紹介され、私の作品にもお問合せをいただけるようになり、とても嬉しく思っています。

そこで、今日はちょっと照れくさいのですが、プンゴセカンの巨匠・故LABAさんの作品が繋いでくれたご縁で、岐阜県の児島さまからご依頼いただいた、とても大きな絵(173x150cm)のお話をさせてください。

 

舞台は、築100年を超える古民家です。

以前は土間だった場所をリノベーションし、吹き抜けの玄関ホールが作られたのは10年前のこと。

以来、「壁いっぱいの大きな絵を飾ることが夢だった」とおっしゃる児島さまは、第一弾として、昨年10月、1階部分にLABAさんの遺作『緑にいだかれる午後』を購入されました。

それがご縁となり、2階部分の絵のご相談をいただき、

「LABAさんの絵と横幅(150cm)を合わせて、天井まで届く絵を描いてください」

と、ご依頼を受けるまでになりました。

 

この玄関ホールには他にはない、「ある特徴」がありました。

それは、天窓から差し込む長方形の光。

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磨りガラスを通して、昼間は柔らかな陽射し、夜は幻想的な月の光が、それぞれに空間を彩り、その位置の変化で、季節の移り変わりを感じるのだそう。

児島さまからそんなお話を伺いながら、私の脳裏に浮かんだひとつのイメージが、絵になりました。苦労したのは満月の光の輪。3回失敗してやり直し、4回目でようやく納得の行くところまできました。

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そして、3月7日。ついに納品の日がやってきました。

リノベーションを担当された建設会社さんが来られ、4人がかりで、30㎏を超える巨体をひっぱりあげていただきました。

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さすがはプロ。足場の不安定さなどものともせず、テキパキと作業は進みます。

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ついに、2点の絵が対になりました。おつかれさまでした!

真ん中の和服姿が児島さま、屈強な(?) 男性たちは野村建設さんのみなさんです。

児島さまは着付けの先生。この後、ランチをいただきながら、和の美についてお話が盛り上がりました。私も古典模様に凝っていて、実はこの作品にも蓮の葉の陰の部分に、隠し味的に青海波を描いているんです。

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児島さまには1月に東京で制作途中をご覧いただいたのですが、その時のことが、ご自身のブログの中で、着物との掛け合いでとても素敵に紹介されています。

「ひと夜月夜と真綿紬のお正月」も、ぜひご覧になってみてください。

「いつか個展が開けたら、和服でお客様をお迎えしたい」、それが次の目標になりました。

<関連ページ>

この記事を投稿しました後、児島さま、野村建設さま、それぞれに素敵なブログを更新されました。合わせてご紹介させていただきます。

 

ルーチェの着物ごよみ3月
「月明かりの夜」と満月の白うさぎ
http://kimonoluce.com/kimonogoyomi201803/
 
野村建設様ブログ
 
2017.9.25

人の心に寄り添える絵

こんにちは、坂本澄子です。

この秋最初の金木犀の香りに出会いました。9月もあともうわずかですね。

月日の流れる速さに、いつも驚かされます。

 

さて、今日は私の作品のことをお話させてください。

 

今年5月、私の作品ページをご覧になった方から、制作依頼のメールをいただきました。

大切な方を失くしてお力を落とされているところ、『星降る夜』とそこに書かれた文章を読まれ、背中を押されたと書いてくださっていました。

その作品は、5年前の冬、長年勤めた会社を辞めて、新しい世界に飛び出す決心をした頃に描いたもので、そのとき見た風景が私の背中をポンと押してくれたのでした。

状況は違えど、そこにご自身の心情を重ね合わされたそうで、その絵をもう一度描いてほしいというのがご依頼でした。(元の作品は10年来の友人がアメリカに帰国した際に贈ったため、手元にはありませんでした)

初めてメールをいただき、その方の哀しみの深さを想像すると、期待される絵が自分に描けるだろうかと逡巡し、しばらくお返事ができずにいました。

すると、その方は諦めずに何度かお便りをくださり、時間的な猶予がいただけるのであれば…ということでお引き受けしました。

二科展の方が一段落してから集中して描き、つい先日無事にご依頼主にお届けすることができました。

着手する際にイメージ作りのために作った詩を添えてお送りしたところ、とても喜んでくださいました。

「心に響きました。そうなのですね。そうなのです。何度も読み返しました」

そして、最後にこうありました。

「この絵と詩を毎日見て、勇気を持って歩いていきたいと思います」

私自身もそのお言葉に励まされ、絵を描くことを通じて、人の心に寄り添っていきたいと、思いを新たにしました。

 

最後に、その絵と詩をご紹介したいと思います。

 

星降る夜に

 

『星降る夜に』

キーンと澄み渡った冬の空に
こぼれる満天の星が瞬(またた)く

ほのかな明りを残す地平線
遠く山並みがシルエットを描き出す

人はどこから来て、そして、
どこへ行くのだろう

君と出会い、過ごした時間は
つかの間の宇宙の瞬(またた)き
眩(まぶ)しいほどの光を放ち
深い闇へと吸い込まれていった

ひとり残され
生きてく意味さえ、見つけられぬまま
僕は今日もひとり
この風景を見ている

葉をすべて落とした一本のケヤキ
冬の寒さを物ともせず
ピンと背筋を伸ばしている

細く張った枝のひとつひとつが
あふれる星の光を受けて
いま七色に輝き出す

凛とした君の強さを想い
冷たい空気を吸い込むと
少しシャンとした気分になる

「前を向いて、歩いて行きなさい」
そっと背中を押される声がした

一歩踏み出す勇気はまだないけれど
その声が今の僕を支えている

 

 おつきあいくださり、ありがとうございました。

2016.6.4

アンモナイトの夢

こんにちは、坂本澄子です。

バリ絵画を扱いながら、私自身も絵を描いていることについて、お客様から励ましのメッセージをいただいたり、展覧会を見に来ていただけることもあり、いつも嬉しく思っています。そこで、今日から開催の二科東京支部展のご案内をさせていただきます。

秋の二科展に先立ち、東京支部所属の作家たちの展覧会ですが、会員・会友の作品から公募で選ばれた若い作家さんの作品まで、毎年100点を超える展示で賑わいます。詳しくはこちらをご覧ください。

今回、私が描いたのはこちら、『アンモナイトの夢』という50号の作品。

アンモナイトの夢

ある日、インターネットで調べ物をしていたら、ちょっとしたキーの打ち間違いから、とても美しい石の結晶や化石の写真に出会うことができました。人間が生まれるずっと前、数億年という気が遠くなるような時間を経て掘り出されたアンモナイトの化石に、なぜか釘付けになってしまったのです。

いつも大地に心惹かれます。東京に住んでいると土を見ること自体が珍しいですが、硬いアスファルトの隙間から押し出されるように生えている雑草を見ると、覆い尽くされた地面の下に確かに存在する大きな力を感じます。

アンモナイトが棲んでいた海の底が隆起して地表に押し上げられ、様々な地殻変動を経験した長い時間、彼女はいったいどんな光景をみてきたのだろうかと想像してみました。海の底から見上げた明るい海面、大地、そして満点の星空。そんなものが頭の中に浮かんでは消え、いつしかアンモナイトに同化していました。

ところで、私がバリ島を好きな理由もちょっと似ています。自然と人が共存している…というよりも、大きな自然の中に人間が紛れて生活している、そんな感じです。以前、ガムラン奏者の櫻田素子さんも同じようなことを言われたことがありました。大編成のガムラン楽隊はゴーっと地面を揺るがす風の音、竹のリンディックはピチピチと地面が弾むような音。そんなふうに地面に近く生活し、互いに呼応するのだそうです。

地面に手をあててその息遣いを感じてみたくなる、そんな作品に仕上がっていたらいいなあと思います。

2016.1.23

絵は非日常への扉

こんにちは、坂本澄子です。

本物の(一点ものの肉筆画)絵のある、心豊かな暮らしをお届けしたくて、3年前にこの「バリアートショールーム」を立ち上げました。バリ絵画にこだわっているのは、特にこれから絵を持ちたいと考えておられる方にとって、よい選択肢だと思うからなのです。

しかし、絵を持つ目的はあくまでも、「感性を高め、豊かな時間を過ごすこと」ですから、このブログではバリ絵画に限らず、いろんなことを書かせていただいています。前回も浮世絵の話に「???」と思われた方も多いかも知れませんが、作品は何であれ、それをどう楽しむかという点では同じではないかと思っています。

そんな私がどんな人間かを知っていただきたくて、今日は私自身が描いた作品の中から気に入っているものをふたつご紹介したいと思います。どうぞおつきあいくださいませ。

*****

絵は30代半ばから描き始めました。週末に子供と一緒に何かしたいと思っていたところ、たまたま駅前で絵画教室のポスターを見つけました。それ以来、細く長いおつきあい。私にとっては絵を描くことは、非日常への扉のようなものなのです。身近に見たものを描きながらも、ちょっと別世界に行ってみたいという願望が現れているかも知れません。

『月夜のミモザ』(2010年パステル)

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ミモザは春先に黄色い小さな花を房のように咲かせます。大阪に住んでいた頃、駅から自宅まで続く急な坂道を、私はよく仕事のもやもやを抱えたまま帰っていました。

ちょうど中間点あたりにその樹はありました。息が上って中断した思考の隙間に、夜目にも鮮やかな色彩が飛び込んできました。私はしばらく呆然と満開の花を見ていました。花の向こうにはぽっかりと満月が浮かんでいました。孤独な気持ちにそっと寄り添うように、花と月の精が舞い降りてくるように感じました。

 

 

『虹色のバラ』(2014年ミクストメディア)

虹色の薔薇

友人が転職したときに、仲間うちでお祝いにプレゼントしたバラです。お礼代わりに送られてきた写真には、ワインボトルに飾られた姿が写っていました。「どうしてこんな色になるのだろう」と考えながら、いつまでも眺めていました。

そのうち、ガラスの中の小さな空間が、自分の内面の世界に重なりました。物理的にはちっぽけな空間ですが、無限に広がっていく小宇宙のように思えてきました。そこに咲く花はこんな色をしているかも知れません。

 

 

*****

冒頭に書かせていただいた、バリ絵画がよい選択肢である理由ですが、私は次のように考えています。

  1. 16世紀から受け次がれてきた伝統的技法が西洋技法と出会い、磨かれさらに進化、質の高い作品が多い
  2. 著名作家の作品でも手が届く価格で購入できる(物価水準の違いによるもの)
  3. 幅広いジャンルがあり、好みにあうテイストの作品が選べる

まずは「お求めやすい価格帯の作品」から、非日常への扉をあけるきっかけ作りはいかがでしょう。それとも最初からいいもの志向でいきますか?

<関連ページ>

気軽に飾れるバリアート ・・・お求めやすい価格帯の作品がずらり

バリ島の美術館に選ばれた作家たち ・・・バリ絵画を代表する著名作家の作品