バリアートショールーム オーナーブログ
2016.9.22

3万円で始める絵のある暮らし

こんにちは、坂本澄子です。

先日嬉しいことがありました。友人が私が描いた絵を購入してくれたのです。四年前のちょうど今頃の季節に、ススキと朧月を描いた作品です。

image月はあえて実体を描かず、光によってそこにあることを感じさせる構図。自分でも気に入っていた作品だったので、とても嬉しく思いました。ただ、ソフトパステルで描いたので、今見ると、細密さの点で少し物足りない気も。そこで、細部と月の光に手を入れて、改めて完成としました。

このサイズ(10号)ですと5万円くらいでお引き受けすることが多いのですが、そこは友達ですし、聞けば銀婚式を迎えられたとのこと。あら、それはお祝いをしないとと思っていたところ、嬉しいご提案をいただきました。

「5万円だと一回買ったら次はいつ買えるかな。それ以上だといまはちょっと難しい。もし3万円なら毎年買う楽しみができる。絵の好きな普通のサラリーマンが小遣いで買うとすると、そんな感じじゃないのかな」

私は喜んで3万円でその絵を嫁がせることにしました。だって、一回こっきりより、絵を通じて、買う楽しみと描く楽しみを分かち合える関係が続く方がいいですもの。

友人はその絵を和室の床の間に飾り、さっそく写真を送ってくれました。私はこれだ!と思いました。掛け軸は季節によって掛け替えますよね。絵もそんな感覚で、季節やその時々の気分によって架け替えてもいいんじゃないかと。

RS004私がバリ絵画を扱い始めたのも、まさにこれと同じ発想でした。絵が好きな普通の人がちょっと頑張れば、現地の美術館所蔵の著名作家の作品が買え、お小遣いの範囲でも、質のいい絵が選べる。ただ、現地のギャラリーはコピーも含めて玉石混交なので、心ある作家を選んで紹介していきたいと考えたのです。

そんな大切なことを思い出させてもらった出来事でした。税込3万円台で購入できるいい絵は、こちらをどうぞ!

 

 

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2016.9.17

バリ絵画の歴史③ 光を取り込む風景画

こんにちは、坂本澄子です。

風景画というジャンルを作ったのは印象派の画家たちだったそうです。それまで絵の具は保存が効かず、画家や助手が絵の具を手練りしながら描いていました。ところが、チューブ式の絵の具が開発されると一気に制作の自由度があがり、絵の具とキャンバスを持って、戸外へ出て描けるようになったというわけです。

モネは、パロトンだった実業家・オシュデの次女ブランシュに手伝ってもらい、手押し車に画材一式を積み込んで、制作に出かけたそうです。最初の妻カミーユが亡くなった後、オシュデの妻だったアリスと結婚したので、ブランシュはその後もずっとモネの助手を務めることとなりました。

「自分のアトリエは空の下だ」と言ったように、素早いタッチで一瞬の光と影を捉えたモネの絵。光が移ろうまでのわずかな時間をうまく使うために、ある工夫をしていました。毎日セーヌ川の支流沿いを移動しながら、この時間帯はこの場所でこの絵、次の時間帯は別の場所で別の絵というふうに、複数の作品を同時進行で描いていたのだそうです。こんなふうに描かれた風景画は、パリの密集した住宅の薄暗い部屋にも光を運び込んでくれました。

 

バリ島で風景画が描かれるようになったのは、ヨーロッパから来た画家たちの影響によるもの。特に、ドイツ人画家シュピースの幻想的なタッチは、いまでもシュピース・スタイルとして人気を博しています。

シュピースがバリ島に滞在した’20〜30年代、彼の弟子だった2人の青年ソプラットとメレゲックは、バリの芸能の徒弟制度にならい、師の描く通りを真似て技術を習得する方法で、絵を学んでいました。模倣から脱せない弟子たちを見たシュピースは、あるとき「僕の絵を真似るのではなく、君たち自身のやり方で描いてごらん」とアドバイスしたそうです。彼らは困惑しながらも自身の表現を模索し、その精神は80年の歳月を超えて受け継がれ、同じアグン・ファミリーにガルー、ウィラナタといった人気作家を輩出しました。

ガルーの作品は空気感のあるふんわりとした柔らかい風景が特徴で、バリ島の風景の雰囲気をよく表していると思います。人物が描かれているので、その人になったつもりで見ると、絵の中に入っていきやすく、より臨場感を持って感じることができます。ひんやりとした朝の空気だったり、風が椰子の葉をそよがせる音だったり。実際、画中の人物は画家自身をなぞらえたものであることが多いそうです。

ガルー「黄昏の静謐」

「黄昏の静謐」GALUH 油彩画 40x60cm 350,000円

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「早暁の静謐」GALUH 油彩画 40x60cm 350,000円

熱帯の島バリで、屋外にイーゼルを立てて絵を描く画家の姿をみたことはありませんが、バリの民家は建物自体が非常にオープンな作りなので、自然と一体になって生活していると言っても過言ではありません。

生まれてこのかた脳内にインプットされたバリの様々な風景の蓄積が、夢の中の風景のようでいて、リアルに五感に働きかけてくる独特の作品を生み出すインスピレーションの源になっています。

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「モーニング・セレモニー」GALUH 油彩画 30x50cm 380,000円

 

その昔、ヨーロッパのブルジョアたちが愉しんだように、ガルーの作品でお部屋に光を取り込んでみませんか。

<関連ページ>

ガルー作品ページ・・・5点在庫があります。実物をご覧いただくこともできます。

ウィラナタ作品ページ・・・ガルーの実弟。違う光の表現がこれまた魅力

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2016.9.12

バリ絵画の歴史② 買い手が変われば品も変わる

  • こんにちは、坂本澄子です。バリ絵画の歴史を西洋絵画と対比させながら解説するシリーズ、第二話をお届けします。
ギリシャ神話が題材の「アケオロスの饗宴」(1615年)

ギリシャ神話が題材の「アケオロスの饗宴」(1615年)

その後ヨーロッパでは、太陽王と呼ばれたフランスのルイ14世に代表される強い王様の時代(絶対王政)がやってきます。ベルサイユ宮殿など、豪華で煌びやかなバロック様式の宮殿を彩ったのは神話や歴史を題材にした壮大な作品の数々。光と影の対比によりドラマチックに演出するのが当時の流行でした。

この時代に活躍したのが、イタリアの画家カラヴァッジョ、オランダの画家ルーベンス、レンブラントなどです。ここでも、おかかえ絵師として注文を受けて描くという基本的なスタイルは同じでした。

それが大きく変わったのは19世紀。その背景には2つの大きな革命がありました。フランス革命を始めとする市民革命、そして、産業革命です。これらによって一般大衆社会が生まれ、ブルジョアと呼ばれるお金持ちの市民が新たに絵画の主要な購入層となりました。

すると、それまで宗教画や歴史画などと比べ低く見られていた、風俗画や肖像画などが好まれ、また一般家庭でも飾りやすい小品が求められるように。やがて、画家たちは注文を受けてではなく、自発的に制作を行い、市場に向けて作品を発表するようになるのです。現在の銀座の画廊で絵を売っているのに近い形ですね。

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一般市民の生活を描いた小品が多いフェルメール 「水差しを持つ若い女」(1662年)

東インド会社による商業の発達により、早くから市民階級が台頭したオランダでは、既に17世紀にこの形が見られるようになります。フェルメールに大作が少ないのはこのためです。

そして、最も激動の時代を経験したフランスでは、アングル、ドラクロワ、クールベなど、サロン(官展)画家の時代を経て、印象派の画家たちによってこの新しいスタイルが定着しました。

 

バリ島でも大きな変化が起こりました。1908年のオランダ軍によるバリ全島支配です。当時バリ島は8つの王国による群雄割拠の時代でしたが、早くからオランダと友好な関係を結び、唯一領事という立場で生き残ったギャニャール王国以外は次々と攻め滅ぼされます。

1930年代、「最後の楽園」としてヨーロッパに紹介されると、ヨーロッパの人々は押し寄せるようにバリ島を訪れます。その中には南国の陽光としがらみのない自由な土地を求めて移り住んだ画家たちもいました。ギャニャール王の傍系だったウブド王家のチョコルド・スカワティは、早くから西洋式の教育を受け、ヨーロッパからやってきた芸術家たちを保護する政策にでます。そんな画家のひとりが、すでに何度もご紹介しているドイツ人画家シュピースです。彼はのちにチャンプアンに住まいを構えるまで、ウブド王宮内に住んでいました。

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    バリの人々の暮らしを題材にした作品

    このようにして西洋絵画と出会ったバリ絵画は、西洋絵画と似た変化をたどります。それまでバリ絵画といえば宗教画が基本でしたが、ヨーロッパから来た画家たちがバリ島の風景や人々の暮らしを珍しがって描くのを見て、目からウロコだったのではないでしょうか。「こんなのもアリなんだ」と新たな買い手となった西洋人に向けて、これらのモチーフを自身の作風で描くようになったのです。

買い手が求めるものを売り物にするのは、古今東西同じですね。そんなウブドには、スポンサーを失った各地の絵師たちが続々と集まり、今の芸術村が形成されていきます。

<関連ページ>

バリ島の生活を描いた作品なら

ウブドスタイル

細密画・・・ぎっしりと描き込まれた小さな世界

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2016.9.7

バリ絵画の歴史① 絵画のスポンサー

こんにちは、坂本澄子です。

古今東西、絵画の題材にはその時代のスポンサーが誰かが色濃く反映されています。

例えば、ルネッサンス期の画家と言えば、レオナルド・ダビンチ、ラファエロ、ミケランジェロ…が真っ先に思い浮かびますよね。主な作品はいずれも宗教画です。聖書の場面やイエス・キリストとマリアの母子像などが盛んに描かれました。これは当時の芸術のスポンサーが教会だったからなんです。

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システィーナ礼拝堂の天井いっぱいに描かれた『最後の審判』

教会から注文を受けて、ダビンチはサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の食堂に『最後の晩餐』を描きました。そして、ミケランジェロは『ダビデ像』など彫刻家としての方がむしろ有名ですが、絵画でも超大作を残しているんです。システィーナ礼拝堂の天井画『最後の審判』は4年の歳月をかけて彼ひとりで描いたそうです。フレスコ画なので、漆喰を塗っては描き、また塗っては描きを延々と繰り返します。そうしているうちに、首が曲がったままになってしまったとか。

バリ絵画もこれとよく似た歴史を辿っています。14世紀、イスラム勢力の侵攻によりお隣のジャワ島を追われた僧侶や貴族によって、様々な文化がバリ島にもたらされました。中でも最も大切にされたのが、神様とつながるための手段である舞踊でした。舞うのは村の中で選別され、子供の頃から厳しい稽古を積んだ少女たち、いわば巫女です。

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水の宮殿バレカンバンの天井に描かれた宗教画

そして、舞踊の伴奏としてガムランが発達し、その楽器を彩るために描かれたのが絵画だったというわけです。やがて、『ラーマヤナー』など神話の世界が描かれるようになり、バリ島の古都クルンクンにあるスマラプラ宮殿の天井画など、優れた作品が残されています。この時代のスポンサーと言えば、やはり祭礼を重んじた王族・貴族たちでした。

 

この古典絵画の技法はカマサン・スタイルとして現代にも受け継がれています。平面的でシンプルで素朴な描き方ですが、ほのぼのとした味わいがありますよね。

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『マハーバラタ』よりクリシュナ (カマサン・スタイル)

20世紀になり、この古典技法が発展したバトゥアン・スタイル(ウブドに近いバトゥアン村で描かれたため、こう呼ばれています)も、西洋絵画の影響をあまり受けることなく、バリの伝統絵画を今に伝えています。バトゥアン・スタイルでは、物語の場面がさらに細かく、画面いっぱいにぎっしりと描かれるのが特徴です。

『戦いの女神ドゥルガー』

『戦いの女神ドゥルガー』(バトゥアン・スタイル)

秋の気配を感じるこの季節になると、絵巻物の中を旅するような古典絵画に惹かれます。描かれたものを見ていると、ゆっくりと夜が更けていきます。耳を澄ますと、遠くから虫の声が聞こえてきました。

<関連ページ>

カマサン・スタイル・・・バリの古典絵画

バトゥアン・スタイル・・・カマサン・スタイルから派生した伝統絵画。

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2016.9.1

1500号の超大作 アトリエには5台の脚立が

こんにちは、さかもとすみこです。

素晴らしい画家にお会いしました。遠藤彰子さん、来年古希を迎えられるとは思えないほど、エネルギーに溢れた女性。と言っても、押しの強い感じはなく、自然体での強さ、いくらでもお話していたくなるような、素敵なオーラを持ったアーティストです。

そんな遠藤さんの作品を初めて見たのは今年7月、横浜美術館の所蔵作品展でのこと。横幅3mを超える大作には視点がいくつもあり、見ているうちに大きなキャンバスをぐるりと一回りしてしまうような、なんとも不思議な構図でした。先日たまたまNHKの日曜美術館を観ているときに、相模原の市民ギャラリーで「遠藤彰子の世界展」が開催中であることを知り、最終日に車を飛ばして見に行ったというわけです。

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最新作『眸(まみ)ひらく明日』1000号

いきなり度肝を抜かれました。キャンバスの中でも最大のサイズ、500号を2つ、あるいは3つをつなげた超大作がずらり。ダイナミックな構図と極細の筆で描きこんだ細部の二面性を持つ作品で、天井の高い会場が狭く感じられるほどでした。

メルヘンのようなふわっとした明るさ、楽しさの一方で、どこか不安を感じさせるような面も。その多面性こそが現実の世界を象徴しているのかも知れません。

入り口付近でニコニコと立っておられたのが、当の遠藤さんでした。図録を買っていたら、「よかったらサインでもしましょうか」と声をかけてくださり、お話できる機会にラッキー。制作の上での様々な工夫や人となりを感じさせる楽しいエピソードをいくつもお聞きできました。

特に印象的だったのが、新聞の連載小説の挿絵のお仕事をされたときのこと。これまで、日経新聞夕刊の『刑事たちの夏』(’97〜’98)朝日新聞の『賛歌』(’04〜’05)、毎日新聞の『古い土地/新しい場所』(’10〜’13)と1000点を超える挿絵を手掛けてこれました。

「1点仕上げるのに4〜5時間はかかるんですよ」

毎日のことなので、その間は旅行にも行けないし、学生(武蔵野美術大学で教鞭)から飲みに行こうと誘われても行けない。どうしてもと言われたときには帰ってから描いて、夜中にバイク便で取りに来てもらうといった過酷な日々だったそう。

「ビオラ弾きのお話だったのに、私はビオラをよく知らなかったのね」

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お辞儀している漫画がかわいい

挿絵の仕事は、知らないものも含めて様々な題材を描かなければならない。また、電話の場面が一週間も二週間も続くことがあり、どうやって変化をつけるか工夫せざるを得なかった。それがとても勉強になり、今大作を制作する上でとても役にたっているといいます。絵に対する真摯で謙虚なお姿にじーんと来ました。

比べるのもお恥ずかしいですが、私も3年前に自分で書いた小説をブログで連載しており、そのための挿絵を毎日描いていました。同じ雰囲気の場面が続くとき、どうしても似たイメージしか湧いて来ず苦労した経験があるので、いかに大変なお仕事かがとてもよくわかりました。

しかし、「どんどん頭の中に湧き出てくるから、描いて外に出さないと頭がおかしくなっちゃいそう」と仰るのは羨ましい限り。きっと先生の頭の中には、とてつもない内宇宙が広がっているのでしょうね。

ところで、今回展示された30点は半分なのだと聞き、もう一度「えーっ?!」。来年11月には武蔵野美術大学で全作品が見れる展示会が開かれるそう。もう絶対行きますっ。

 

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2016.8.27

未来への軌跡

こんにちは、坂本澄子です。

今年娘が社会人になりました。親子というよりは同志に近い関係ですが、少しだけ肩の荷が下りました。娘に対する思いを描いた作品が今年も二科展に入選しました。バリ絵画という、人様の絵を扱う上で、自分自身も絵に対する軸をしっかりと持ちたいと思っており、目標にまた一歩近づけたことをとても嬉しく思っています。

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『未来への軌跡』

その100号の作品、「過去」「現在」「未来」と3つの次元で構成されています。娘を主人公に描きつつも、自然と自分が歩んできた道が重なっていきます。

例えば、家並みの窓に浮かび上がる母子のシルエット。周りの風景は私自身が子供の頃に見た郷里・広島の街並みがモデルになっています。庭にあったびわの木には毎年たくさんの実がなっていました。何年か前に枯れてしまい、今では記憶の中にだけ存在する木。私をずっと見守ってくれた故郷の風景に感謝の気持ちを込めました。

中央は「現在」。これから始まろうとしている出会いに対する高揚感を影で表現してみました。影は時として実体よりも雄弁に内面を語ります。戸惑い、憧れ、情熱、様々な想いを影に託してみました。

そして、「未来」。いま住んでいる東京の有明は2020年に向けて街全体が大きく変わろうとしています。多様な価値観を受け入れ、未来へと向かって歩んでいく姿をイメージしてみました。有明と台場をつなぐ「夢の大橋」が舞台ですが、ここはケン(フレンチブルドッグ♂5歳)との散歩コースで。波のようなタイルの模様が特徴的な、私の好きな場所のひとつです。

母親という立場や役割は変わらなくても、娘との関係は少しずつ違ったものになっていくことでしょう。ちょっぴり淋しくもあり、嬉しくもあります。そしてなにより、これからは私自身がもっともっと輝けるよう、頑張らなくてはと思っています。

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第101回二科展 

会期:8月31日(水)〜9月12日(月) ※9月6日(火)休館
   10時〜18時(最終日:14時終了)

会場:国立新美術館(六本木)

 

 

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2016.8.24

日本の夏 風情ある情景

こんにちは、坂本澄子です。
オリンピックの熱戦に連日熱くなり、閉会式を迎えたら、あっという間に夏も終わりに近づいていました。まだまだやりたいことがいっぱいあったのに…と、毎年感じる、過ぎ行く夏を惜しむ気持ち。今年もまた繰り返しています。

ふわりと泳ぐ金魚。
次の蕾を数える朝顔。
ぽとりと儚い線香花火。
まぶしい夏色のほおずき。
移り変わる蝉の鳴く声。
朝靄の中で開く蓮の花。

今年こそはこんな風景にゆっくりと身を委ねてみたいと思っていたのに、本当に時は慌ただしく過ぎていきます。

gold fishそれならと、イマジネーションをフル稼働して、自ら描いてみました、日本の夏。写真によくある誰もが想像する構図ではつまらない、絵だからこそできる表現をめざしたいと思いました。

写真の金魚は以前浅草の和紙のお店で見つけた金魚柄を自分なりに再現してみたものです。水に映った空はバリ島の風景画からヒントを得ました。

lotusそれから、上野の不忍池の蓮池。広い池いっぱいに蓮の青々とした葉が連なり、ところどころにぽってりとしたピンクのつぼみが。夏も終わりに近いこの時期まで、花が見ごろなのは珍しいですよね。

こんな作品をインスタグラム(写真のSNS)に投稿していたら、「自分にも思い出す懐かしい風景があります」と写真を送ってくださった下さった方があり、とても嬉しく拝見しました。
夕方近くになると、チリンチリンと自転車でわらび餅を売りに来るおじさん。船の形をしたモナカに盛った、よく冷えたわらび餅が、確か10円でしたっけ。今の方が物質的には遥かに豊かになりましたが、風情を感じる心の豊かさという点ではあの頃に軍配が上がります。

そんな素朴で懐かしい情景に出会って、バリ島に恋してしまった人は多いでしょう。私もその一人ですから。

日本の夏の情景を描きながら、いい絵というのは、観る人の想像力を掻き立ててくれる作品ではないかと思いました。バリ絵画で言えば、やはり、ガルー(Galuh)、ウィラナタ(Wiranata)でしょうか。新作を見るたびにその思いを新たにし、すごい画家だと感心することしきりです。

Wiranataもよく子共の頃の情景から着想を得て、絵づくりをすると話してくれたことがありました。バリと日本と懐かしさのツボがどうやら似ているようです。そんなおすすめの作品はこちらをどうぞ。

美人女流作家ガルーの幻想的な風景画

ウィラナタの心象風景画

おまけ:坂本澄子の日本の夏シリーズはインスタグラムに掲載していきます。よかったらsumiko.c.sakamotoをフォローしてくださいませ。

 

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2016.8.17

軽井沢の休日② 千住博美術館

こんにちは、坂本澄子です。
軽井沢の休日第二弾は、「軽井沢千住博美術館」をお届けします。

あちこち美術館巡りをして思うことは、大規模な企画展もいいけれど、地方のプライベート美術館にもいいところがたくさんあります。コレクターとしての蒐集のコンセプトがはっきりしており、また、作品に加えて建物や風景を含めた一体感でメッセージ発信しているミュージアムに出会うと、いつまでも記憶に残りますよね。

私の場合ですと、直島の地中美術館ベネッセハウスミュージアム(香川)。ホキ美術館(千葉)、DIC川村記念美術館(千葉)、清春芸術村(山梨)などがそうで、軽井沢千住博美術館もまさにそんなタイプのアートスペースです。
一歩入って驚きました。床全体が緩やかな下りになっていて、所々にガラスでできた外界との接点があり、光と緑にあふれる野山を散策しているような感じで、見て回れるのです。

千住博さんといえば、滝(Water Fall)や崖(Criff)といったように、半抽象的な作品イメージがあったのですが、そんな思い込みは一気に吹き飛び、画家としての幅の広さに感動!でした。

6f54a02ff7c54821abcbb929122209f3-600x852開催中の四季「秋冬」展のポスター(下半分)にもなっている『湖畔初秋図』と『湖畔に蜻蛉図』は屏風風に横につなげて、丸い部屋をぐるりと取り囲むように展示されているのですが、2つの作品が繋がっているようで、別次元のようでもあり、なんとも不思議な構図。単なる風景画を超えて、見る人に様々なストーリーを想像させてくれます。絵の中にご本人も登場されてるのですが、さすがよく似てますよ〜。(画像をクリック)

私のイチオシは、遠い国の森に住む一頭の小鹿が主人公の、一夜の冒険の物語を描いた連作。16点からなり、キャプションと一緒に小さな地図があります。お父さん鹿、お母さん鹿と一緒だった最初の場所から、ひとりどんどん離れて行くのがわかり、ハラハラ見守りながら、想像力が逞しくなっていくのがわかります。

川に映る一面の銀河、小動物たちが潜んでいそうな暗闇の中、人っ子一人いない街のネオン…。どの作品も色彩を抑えた主張しすぎない作りだけに、見る人の気持ちがグイグイ入っていく感じなのです。一度みた後、もう一度No.1に戻って順番に見直しました。そうするとまた違う発見があるのですね。何度でも見たいなあと思ったら、ちゃんと『星のふる夜に』という絵本になっていました。ミュージアムショップで売っていたので即買い。amazonにもありました。

fa898f235b6e7ebee99cdcad11a88213ところで、大地と一体化したようなこのユニークな美術館を設計したのは西沢立衛(りゅうえ)さん。瀬戸内海のアートの島として有名な豊島(直島のお隣)の美術館を設計したことでも有名。後から気がついたのですが、先月MoMAで紹介されていた建築家のひとりでもあります。

軽井沢って新幹線でわずか1時間。機会がありましたら、ぜひ立ち寄ってみられてはいかがでしょうか。

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2016.8.13

軽井沢の休日① 別荘にお招きいただきました

こんにちは、坂本澄子です。

先日の「山の日」は、前職時代からの友人Tさんに軽井沢の別荘に誘っていただき、涼しい休日を過ごして来ました。
集まった10人は、私が’02年に大阪から東京に転勤となり、初めて配属された部署からのご縁。それまで営業経験しかなかった私がアジア・パシフィック本社勤務となり、初めての東京、初めてのスタッフ職、英語での仕事…と、勝手がわからず目が回りそうになっていたときに、色々なことを教えてくださった方々です。

IMG_7865そんな大切な仲間たちとまずは乾杯。奥様の心づくしの手料理を前に、10人がゆったりと座れる、カナダのメープルから切り出された長〜い無垢のテーブル。一切塗料を使わず仕上げたという、白木のすべすべとした木肌はずっと触っていたくなるほど。広〜い窓の向こうには溢れるような緑が広がり、クーラー要らずの心地よい風が入ってきました。

 

10年以上の歳月が流れ、別の会社に移られた方もあれば、私のように違う世界に飛び込んだ人もあり、いまの環境はぞれぞれですが、折にふれ、こうやって集まっては時間を共にする関係が続いているのは、本当にありがたいことです。いま振り返ってみても、困難な時期というのは人を成長させ、変化の時期を共有した仲間は忘れがたいものですね。

ファイル_k022そのときに学んだことでいまも大切にしていることがあります。それは、誰も見ていないと思っても、決して手を抜かず、やるべきことを一生懸命やり続けること。そんな姿を見てくれている人が必ずあり、次のステージへの扉が開かれるものだと教えてくださったのが、Tさんでした。

感謝の気持ちを込めて、今年お庭に植えられたゴヨウツツジが咲く姿をイメージして描いた絵を贈りました。

ところで、軽井沢の別荘は夏だけのものではないそう。薪ストーブでコトコトと時間をかけて煮込んだ料理は絶品だそうです。火の周りに集まって語り明かす夜もきっと素敵ですね。

*****

次回は翌日訪れた「軽井沢千住博美術館」をご紹介します。

 

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2016.8.6

ウィラナタの作品の魅力

こんにちは、坂本澄子です。

暑いですね〜。少しの時間だからいいかと油断して外を歩いていると、あっという間に日焼けしちゃいます^o^; たっぷり水分補給してくださいね。

さて、お肌や身体に水分補給が必要なように、心のうるおいもとても大切。私のケアは妄想タイム。絵も建築も好きなので、「こんなおウチに住みたい」という理想の家を想像しながら眠りについています。想像の世界でなら好きなようにイメージを膨らませられます。

IMG_7653先月、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で、私の妄想アンテナにピピっと反応したものがありました。3階でやっていた建築の企画展です。そこで紹介されていた建築家のひとりが平田晃久さんでした。斬新な発想でユニークな集合住宅を手がけておられます。「こんなのあり?!』的な建物を、現実のものとして創り出しておられるのはすごい。こんな建物が増えると、街の景色もさぞ潤うことでしょう^o^ 

平田さんの集合住宅の特徴は四角い部屋がなく、一軒ごとの間取りが異なること。それらがつながりながらひとつの建物を形作り、緑が配置されています。まるで建物全体が丘のような感じ。私がもしオーナーだったら、部屋ごとに表情の異なるウィラナタの絵を飾りたいなと思います。

ウィラナタは常に新しい何かにチャレンジするタイプの画家。人気作家だからと言って、そこにとどまらないところが、彼を何度も紹介したくなる理由。今日はそんなウィラナタ作品の幅広さの一端をご紹介します。

 

朝の心洗われるような静謐な風景。朝の光の中を白い鳥が一斉に飛び立ちました。

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嵐がくる前の海。棚田の静かな風景だけでない、ウィラナタの絵の魅力です。

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真っ赤にたぎる溶岩。バトゥール山の大噴火をイメージしたのかも知れません。

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 賑やかなお祭りの光景も多く描いています。気難しい芸術家肌である一方、陽気なバリ人の一面も。伝統芸能ワヤン(影絵芝居)を楽しむ人々

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ひとつの絵に複数の時空間が描かれた夢の中のような絵。スポットライトが当てられた人物は、画家あるいは見る人自身の姿なのかも知れません。

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ウィラナタ作品の在庫はこちらをご覧ください。その場でご購入いただくことも可能ですし、現物をご覧いただくこともできます。ご希望の題材がありましたら、ご注文制作も承ります。詳しくはこちらをどうぞ。

 

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