バリアートショールーム オーナーブログ
2015.1.14

絵を何倍も引き立ててくれる名脇役

こんにちは、坂本澄子です。

バリ島は雨季のまっさかり。連日のように雨が降り、湿度は90%を超えます。「洗濯物が乾かないわ〜」と友人からもぼやきメールが。

そんな中、ウィラナタの新作を土曜日に発送したとの連絡がありました。冬の移送に神経を使うのは、この劇的な気候の変化に耐えながら、絵と共にはるばる日本にやってくる額縁のこと。なにしろ、気温差20℃、湿度の差に至っては50%ですから(^o^;

これまでも何度か泣かされました。反ったり、隙間があいたり、ツヤが失われたりと、何かとトラブルが多いのは実は額縁なんです。もちろんある程度の修復はできますが、作品をベストな状態で見ていただきたい今、それは頭の痛い課題のひとつ。

ウィラナタの新作は60cmx80cmとサイズが大きいので、悩みました。いっそのこと額縁は日本で作ろうかとも。

バリ島の寺院には必ずある、広く深く大地に根を張った大木。バリの人たちは大きな樹には精霊が宿ると言います。生命力溢れる逞しい幹、やさしく包み込んでくれるような深い緑を見るとき、ゆかりの地で育った、無垢の木の額縁で包んであげたい…、やはりそこは譲れないんですよ。

現地パートナーの木村さんに相談したところ、「トラブルの原因は乾燥が不十分なことなんです」と思案顔。そして、数日後、「いいものが見つかりました」

それは10年前にジャワ島東部の木工所で作られたチーク材の額縁でした。注文制作で作られたものですが、何らかの理由で納品されないまま、ゆっくりと時間をかけて乾燥されました。いつも額縁をお願いしているウブドの額縁屋さんが、4年前にたまたまその存在を知り、一目見て気に入りすぐに購入。その額縁にふさわしい絵が現れるのをずっと待っていたという次第。

写真を送ってもらうと、かっちりとした上品な作りに、磨き込まれたなめらかな木肌を見せていました。

「10年経ってこの状態のよさですから、日本に持って行ってもまず大丈夫」と木村さん。

これがその額縁です。私も一目で気に入りました。この素敵なエピソードにも。

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10年後にようやく出会えたベストパートナー。この10年間は強さと美しさを手に入れるために必要だった時間です。人と人とに出会いがあるように、作品と額縁にも出会いがありました。そして、この作品がいつかどなたかの元へ嫁ぐのも、また出会いだと思います。

<関連ページ>

「幻想心象風景画 作品展」・・・1/23-24の2日間、この作品をご覧いただけます

 

2015.1.10

インスピレーションを与えてくれる絵

こんにちは、坂本澄子です。

ブログ189_朝焼けある朝、カーテンを開けたら、美しい光の層が東の空を染めていました。その手前を首都高湾岸線が通っているのですが、6時で既にかなりの台数のクルマが。そのいくつかはたくさんの荷物を積んだ大型トラックでした。

「寒い朝、まだ暗いうちから働いているひとがこんなにいるんだ」そう思うと、なんだか胸がきゅーっと熱くなりました。

あのトラックは、この前注文した絵を持ってきてくれた運送会社かも知れない、このクルマには…などと思いを巡らせると、私のこの小さな仕事も、多くの人々の協力で成り立っており、それがお客様へと繋がっています。そして、それは回り回っていつかまた私のところに戻ってくる。目に見えないけど、そんな確かな繋がりを感じました。

 

「幻想心象風景画 作品展」、2週間後に近づいてきました。先日、会場となる銀座1丁目のRONDOに打合せに行き、展示はガルーとウィラナタの作品8点(うち2点が新作)、それぞれを飾る位置と動線などを検討しました。RONDOは奥の部屋に窓があり、時間によって光の入り方がかなり変わります。光の描写が特徴的な作家たちの作品ですから、最終チェックは前日に行うことになりました。

ところで、「この絵を日本に持ってきてよかった!」と思う瞬間って、何だと思います?

「絵が売れたとき?」

はい、もちろんそれはありますが、どちらかと言えばそれは結果論。この朝の出来事のように、胸がじーんと熱くなるのは、絵を見て下さった方が心の底から喜んで下さったときなんです。

スクリーンショット 2014-12-17 8.14.53画家を知り、作品の制作過程に関わった人間のひとりとして、作品と共に、そこに込められた描き手の想いごと受け取ってきたつもりです。

それを見て下さった方の心に何か感じるものがあれば、例えば、穏やかな気持ちだったり、勇気だったり、時にはインスピレーション(創造的思考に対する刺激)であったりと、何かプラスの作用をもたらしてくれれば、嬉しいです。

当日はどうぞお気軽に新作を楽しみにいらして下さい。たくさんの笑顔が集まるよう、昭和のレトロな薫りいっぱいのギャラリービルでお待ちしています。

<関連ページ>

「幻想心象風景画作品展」開催概要・・・1月23日(金)・24日(土)  12:00-18:30

ガルー 作家と作品のページ

ウィラナタ作家と作品のページ

 

2015.1.7

モノより思い出

こんにちは、坂本澄子です。

バリ島が大好きなあなたに贈りたい作品

この企画を思いついたのは、あるお客様からいただいたお便りがきっかけでした。

「30年前にある縁があって以来、バリ島はずっと気になる存在でした。そして、ようやくこの夏休みに初めてバリを訪れました。人の穏やかさ、棚田の美しさ、各所にお供えをする心、ガムランの心地よさなど、すっかり気に入って帰ってきました。(中略)展示会、楽しみにしています」

刈り取りを迎えた田圃色んな形(例えば、ハネムーン、家族で夏休み、大好きなひととの夏休み など)でバリを訪れる人がいます。

時を経ても色褪せない思い出になるのは、青い海やリーズナブルで質のよいスパ、洗練されたホテルでの滞在といった、ありきたりなリゾートとは違う何かを感じたから、ではないでしょうか。

思い出すたびにふっと幸せな気持ちになる、そんなバリ島でのかけがえのない時間を絵にしたらどうなるかと考えてみました。

再び同じ場所を訪れても、あの時の同じ時間を取り戻すことはできないでしょう。でも、記憶の中の情景を通じてなら、今また同じ思いを、共に過ごした大切な人と共有できるかも知れません。

ZY005その絵にはバリ島の魅力がぎっしりと詰まっています。たくさんの神様に守られ、自然と共存することで豊かさを手に入れてきた島。その絵を鑑賞者として見るだけでなく、あなたご自身もそこに描かれ、同じ時空間を共有している。

そんな世界で一枚の絵に仕上げたいと思っています。

「モノより思い出」

これは、クリエイターの小西利行さんが書かれた、日産セレナの広告コピーです。それまでクルマと言えば、人やモノが移動する手段。このわずか7文字で、大切なひとと思い出を創るという全く新しい視点・価値を生み出しました。

絵だって同じ。美術館で鑑賞するだけでなく、もっと日常の中で、あなたの思い出や感性と繋がることができるはずです。

絵を家族のような身近な存在にしたい。そう考えて、この特別な企画をソキさんにお願いしました。あなたのバリへの特別な思いをこの絵に託してみませんか? 

詳しくはこちらをご覧ください

「バリ屈指の人気作家が描くあなただけのバリ島」 

 

2015.1.3

日本古代美術、バリ絵画との共通点

こんにちは、坂本澄子です。

あっと言う間に三が日も終わりましたね。バリ島では花火と爆竹で賑やかな新年を迎え、雨季の真っ只中、雨が降ったりやんだりのお天気が続いているそうです。皆様はどんなお正月をお過ごしでしたか?

ブログ187_宮島1私は実家のある広島に戻り、元旦は宮島に行きました。厳島神社は世界でも珍しい海上神殿。島に到着したときにはちょうど干潮で、大鳥居の下まで歩いていけました。満潮時には人の背の高さくらいまで海水面が上がるため、フジツボがぎっしりついているのですが、その隙間にたくさんの一円玉や五円玉がはめ込まれていました(笑) 夕方帰る頃には再び潮が満ち始め、大鳥居を船でくぐって、海上から参拝していたというかつての姿に思いを馳せました。

絵が好き、バリが好きで始めた「バリアートショールーム」ですが、本当にいい作品をお届けするためには、美術史を体系だって学び直す必要があると常々感じていました。今年はこれを実行しようと思っています。

年末に奈良を訪れて飛鳥〜奈良時代の国宝の仏像・建造物に触れてきましたので、さっそく復習を兼ねて、日本の美術史についてまとめてみました。日本史の授業でもおなじみの内容ですが、バリ絵画にも一部通じるところがあり、とても興味深く感じました。ご一緒に楽しんでいただければ幸いです。

<飛鳥時代・・・正面から拝観することを意識した造り>

法隆寺・玉虫厨子

法隆寺・玉虫厨子

聖徳太子が活躍した飛鳥時代には、渡来人に出自を持つ仏師・鞍作止利により法隆寺・釈迦三尊像(623年)を代表とする金銅仏や木彫仏が制作されました。アルカイック・スマイルと呼ばれる神秘的で素朴な微笑みをたたえた表情や杏仁形の目、左右対称の造りや衣文線の抽象的な表現を特徴としています。これらは朝鮮半島経由でもたらされた中国・北朝時代の影響なのだそうです。

この頃、紙や墨、絵具の作り方も大陸から伝えられました。題材は宗教画で、法隆寺の玉虫厨子は台座の四面に釈迦の前生の物語や菩薩像、仏舎利(釈迦の遺骨)の供養の様子が描かれています。

ブログ187_捨身飼虎図上写真の手前面に描かれた「捨身飼虎図」は釈迦の前生の物語で、飢えた虎の母子を哀れんだ釈迦が自身の身体を布施する場面です。この図は異なる時間の相をひとつの画面に描く「異時同図法」の典型的な例としても知られています。左写真のように、①王子が衣服を脱ぎ、②崖から身を投げ、③虎にその身を与えるまでの時間的経過を表現するために、王子の姿が画面中に3回登場しているのですよ。 

<より人間らしい描写に近づく>

続く白鳳時代は天武・持統天皇の時代を中心として、日本に律令国家が形成される時代です。持統天皇は天武天皇の妃。余談ですが、ふたりは戦の時ですら片時も離れなかった程に仲がよく、天武天皇の亡き後、持統天皇はその意志を継いで即位したと伝えられています。ふたりの天皇が同じ場所に埋葬されるのはとても珍しいことだそう。そのふたりの墓跡を今回奈良の飛鳥で見てきました。今はもうただの草原となっており、うっかり通り過ぎてしまいそうな場所ですが、そんなエピソードを聞くと、古代のロマンを感じます^_^

この頃になると、随や初唐様式の影響を受け、仏像もより自然で柔和な表情で、より実際の人間に近い身体つきで表されるようになります。薬師寺・薬師三尊像はその代表例。絵画では、法隆寺金堂壁画や高松塚古墳の壁画が有名ですね。弾力のある描線と隈取りによる陰影により、調和の取れた理想的な体つきに表現、初唐のスタイルが絵画にも及んでいることを示しています。

<宗教テーマから風俗にも着目>

さらに奈良時代になると、仏教は国家の保護を受け、東大寺の大仏を初めとして造寺、造仏が国家規模で進められました。それまでの金銅造や木彫に代わって、塑造や乾漆造などの新しい技法が取り入れられ、動きのある写実的な表現を特徴としています。例えば、興福寺・阿修羅像。その悲哀を込めた表情は、今日の私たちの心をも揺さぶりますよね。絵画では薬師寺・吉祥天像が有名ですが、宗教画としてだけではなく、服装、髪型、装身具など、当時の女性の風俗を描いたものとしても楽しめます。

八部衆・迦楼羅

八部衆・迦楼羅

この時代は唐を経由して、遥か遠く地中海地方や西アジア、インドの文化が日本に伝えられました。一般公開されていませんが、正倉院にはササン朝ペルシャのガラス器など国際色豊かな宝物が収められています。今回見学した興福寺・八部衆像(阿修羅像はこのひとつ)は仏教で古代インドの異教の神々を表したもので、バリ絵画でもおなじみの神鳥ガルーダ(迦楼羅)の姿もありました。奈良がシルクロードの東の終点と言われる所以ですね。

 

「ラーマーヤナ」より

バリの古典絵画(カマサン・スタイル)にも似たような変遷が見られます。14世紀にお隣のジャワ島の政変から逃れてきた知識階級によってもたらされた古典絵画。インド神話である「ラーマーヤナ」や「マハーバーラタ」をテーマに人物を平面的に表現し、1つの絵の中に複数の場面が描かれました。宗教画としての側面が強かった古典絵画もやがて題材を身近なものへと変えていき、20世紀のオランダ統治下においては、西洋絵画の影響を受けて、人物はより写実的に描かれるようになりました。

 こうしてまとめながら思うのは、絵は描かれているものやその背景にあるものを理解すると、何倍も楽しめるということ。これからも時々ブログでもご紹介していきたいと思います。おつきあいくださり、ありがとうございました。

 

2015.1.1

初春のお慶びを申し上げます

新年明けましておめでとうございます。

私は広島の実家で静かな雪の朝を迎えました。皆様はお正月をどのようにお過ごしですか?

今回は途中奈良に立ち寄り、飛鳥〜奈良時代の文化を満喫してきました。国宝、重要文化財の仏像、建造物がゴロゴロしているのには改めて驚き。特に、興福寺の阿修羅像の哀愁をおびた表情は人の悩み、苦しみにも通じ、もうすごいの一言に尽きました。阿修羅ファンクラブの会員募集してたのには、もひとつ驚きましたけどねw

さて、2015年の「バリアートショールーム」はガルー、ウィラナタによる「幻想心象風景画 作品展」@銀座を皮切りに、今年も「バリ島の美術館に選ばれた作家たち」の新作をご紹介していきたいと考えています。

バリ島のギャラリーでもなかなか目にすることのない、著名作家の作品をお届けするのはもちろん、今年はこれをさらにもう一歩進めて、見る人と絵画との双方向の接点を増やすアプローチをしたいと考えています。

どういうことかと言いますと、例えば、今回のウィラナタの新作は満月の夜を描いたものですが、月と言えば私たち日本人とも関係は深く、お月見を楽しんだり、ふとしたときに月を見上げて物思った経験は誰もが持っています。そんな心の琴線に触れるテーマで、作品を描いてもらうというのがそのひとつです。

それなら日本人画家の方がいいんじゃないかと思われるでしょ。そこをバリの画家に頼むのがミソなんです。今回のウィラナタの作品の時もそうだったのですが、「満月の夜」という言葉から日本人が想像するものとは少し違う作品ができました。いい意味で期待を裏切られた感じです。

banner_sokiもうひとつは、新春特別企画「ソキによるあなただけのバリ島」のように、お客様がお持ちの思い出を絵画として表現したらどうなるかという試み。好きな絵というレベルを超えて、特別な一枚になればと思いました。実はこれ、写真がなかった頃の西洋では、お抱え絵師が貴族の旅に同行して絵を描くことがよくありましたが、そこからヒントを得ました。

’90年〜’00年代は日本人のバリ旅行がピークでした。ハネムーンで訪れた方もかなりいらっしゃるでしょう。そんな方には、節目の年の結婚記念日にいかがでしょう。ソキさんの人物描写はある意味とても単純化されているので、「もっと美人に描いてほしいわ」と言われる奥様には、肖像画を贈るのも素敵ですね。デッサン画なら重たくならず、プライベートスペースに飾れます。バリに素敵な思い出を持つふたりだからこそ、バリの画家にその思い出を委ねてみるのはいかがでしょうか。

 というわけで、今年も毎日の暮しの中でアートを身近に楽しんでいただける企画をご紹介してまいります。本年もどうかよろしくお願い致します。

<関連ページ>

幻想心象風景画 作品展 ・・・1月23日(金)・24日(土) 銀座1丁目駅より徒歩1分

新春特別企画「ソキによるあなただけのバリ島」・・・バリ島屈指の人気作家が描きます

 

2014.12.24

聖夜を彩る光たち

こんにちは、坂本澄子です。

平成になって以来、イブよりも、祝日の23日の方が盛り上がるようになったのではないでしょうか。先日の寒さはどこへやら、東京は超ポカポカ陽気。ホワイトクリスマスにはなりそうにありませんが、夜になると美しいイルミネーションが街を彩っていました。

最近は青が人気、夜空をイメージさせる色ですね。写真左が六本木のミッドタウン、右が以前にもご紹介した目黒川です。春の桜の代わりに、幻想的な光の花がこぼれるように咲いていました。

ブログ185_ミッドタウン ブログ185_目黒川

一方、丸の内のシャンパンゴールドも捨てがたいですよね〜。嗚呼、ゴージャス。

ブログ185_丸の内

ちなみに、有明ショールームからはゲートブリッジの夜景が見えます。写真ではちょっとわかりにくいですが、昨夜は特別バージョンだったのか、色が赤、緑、青と橋を照らす光の色が変わっていました。いつもはだいたい青の単色なんですけどね。高速道路が橙に浮び上がって流線形を描いています。

ブログ185_夜景

こうしてみると、光は足元だけでなく、心を照らしてくれる存在でもあると思います。

そう感じさせてくれる作品が完成しました。ウィラナタの『満月の光の下で』です。

彼の少年時代の記憶を再構成し、満月の夜の祭礼をテーマに描いたこの作品。この画家の特徴である光の描写が、にかくもうすごいんです。しかも、この作品には質感の異なる2つの光が描かれています。

続きは土曜日のブログで^_^

<関連ページ>

ウィラナタの姉ガルーの新作を入荷・・・幻想的な心象風景を描く女流画家

 

2014.12.20

3ヶ月からレンタルします

こんにちは、坂本澄子です。

寒いですね〜。毎朝のお散歩がだんだんとショートコースになってきました。実はケン(フレンチブルドッグ♂3歳)も寒がり。娘が去年クリスマスにプレゼントした赤いジャケットを来て出かけても、トイレを済ませたら早くも「帰ろうよ〜」モード。寒さもへっちゃらなワンコのイメージは、ケンに出会ってからもろくも崩れさってしまったのでした^o^;

 

さて、今日は新しいサービスについてご紹介します。

以前から、やりたいと思いつつ、なかなか決心がつかなかった絵画レンタル。2つの作品を対象に試験的にやってみようと思います。

 

<対象作品は若手新進作家ボリのモダンなバリ絵画>

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作家のボリは26歳、若手新進作家として数々の賞を受賞、近年注目を集めています。瑞々しい感性で描くモダンな作品はバリ島のリゾートホテルでも採用され、多くの人の目を楽しませています。

 画家プロフィール

 【写真】 画家と自身の作品が採用されたバリ島・サヌールのホテル客室にて

 

①『Sunlight Smiling Ⅰ』 – BOLIT  作品詳細バナー

120cmx100cmのラージサイズ。ゴールドのボックスフレームに包まれ、スタイリッシュな印象です。広めのリビングやサロン、オフィスのロビーなどにおすすめ。大胆な構図と色使いが華やかな空間を演出し、気分をあげてくれます。 

 3ヶ月レンタル価格:20,000円(税込・全国配送無料)

ブログ178_ロビー

2階施術コーナーに飾られたBOLIの作品  ボリ「陽光の微笑」 

 

② 『Sunlight Smiling Ⅲ 』- BOLIT 作品詳細バナー

50cmx150cmの人気の横長サイズ。ソファの後ろの壁がちょっと淋しいと思ったら、こんな作品はいかがでしょう。シックなインテリアにもすっきりと馴染みます。

 3ヶ月レンタル価格:20,000円(税込・全国配送無料)

ブログ178_ラウンジ

 

<3ヶ月後は3つのオプションから>

レンタル

のいずれかが選べます。もちろん、ご返却後に別の作品をレンタルするもよし♫

 <今ならさらにおトクな特典が>

この作品は12月末まで歳末感謝セールで特別価格80,000円。そこで、12月末までにレンタルを申し込まれたお客様に限り、3ヶ月後もこの特別価格との差額料金でご購入いただけます。つまり、プラス60,000円でOK。

いいなと思われたら、まずはレンタルから。 申し込みバナー

お問い合わせ欄に、レンタル希望「作品名◯◯◯」とご記入の上お送りください。

 

ところで、これまで決心がつかなかった一番の理由は、レンタルから戻った作品をどう扱うか…です。もちろん新品として販売することはしません。つまり、3つのオプションのうち、①は最初にレンタルされた方だけの特典となります。

作品を仕入れる時の基準はいくつかありますが、最終的にはその絵を自分ならほしいと思うかどうかで決めています。ですから、どの作品にも思い入れがあります。レンタルという限られた期間の中で、お客様にその思いを共有していただけるかどうか…、正直悩みました。ですが、これまでの経験から私なりに得た結論は「絵が好きな人はステキな人ばかり」。だったら、やってみようと思いました。

 レンタルに関するご意見もお待ちしてま〜す。

 

2014.12.10

惜しみなく時間と手間をかけた作品

 先週、以前ご紹介した赤坂の創作フレンチのお店(でもおもてなしとインテリアはBALI)セナンで、前から気になってたブイヤベース鍋をいただいてきました。

ブログ183_ブイヤベースここのところ、東京もぐっと寒くなり、たっぷりのお魚のアラを一日半も煮込んで作ったスープはとにかく奥が深く、いろんなお味が口の中でハーモニ〜。じわ〜と冷えた身体に染み渡りました。中には、ホタテ、手長海老、はまぐり、そして、旬のお魚が二種類、一尾まるまる入っていました。北海道産のほたてはヒモをとってもぷっくりと丸いのが特徴なんだそう。はふはふ言いながらいただきました。

この店のお料理は旬の素材を手間と時間を惜しみなく注ぎ込んで仕上げる創作料理。シェフが半日、まる一日つきっきりで作るものも。先月行ったときも、にんじんを半日煮込んだ後、仕上げにオーブンで水分を飛ばし、さらに裏ごしした、「え、これ何?」と思うオリジナルな一品が。とにかく研究熱心なんです。他では食べられないですよ、こんなの。

この姿勢、絵にも通じるものがあります。バリの画家も細部に至るまでじっくりと時間をかけて描き上げます。そして何度も推敲を重ね、ようやく一枚の絵が出来上がる。作品に向き合う時間が長い程、画家の思い入れは強くなり、絵から伝わってくるものも強くなります。早さや効率が重視される今、とても大切なことだと思うんです。

ブログ182_香奈子さんところで、このお店はビルの7Fにあり、写真の通り、間口の広い窓から空を見ながら食事ができます。ベランダに出ると、オーナーの志村香奈子さんが自らバリ島で選んできた石像や木彫りが置かれたバリ空間。冬の間はテーブルがなんとコタツになるんです。半纏を着せてもらい、空を見上げると、都会の灯りに負けないほど明るい月が雲の間に。そう言えば、小学生の頃初めて夜更かしをして皆既月食を見た夜も、こんな寒い冬の日でしたっけ。

ブログ183_満月都会の真ん中にいながら、これほど宇宙を感じられる場所ってなかなかないですよね。ユーミンの『ジャコビニ彗星の日』のワンフレーズが流れてきました。

月を滑る雲と柿の木揺れてただけ…。

と、口をあけて空を見上げていた姿がおかしかったのか、「満月に向けてお財布を振ると、お金が増えるらしいですよ〜」と茶目っ気たっぷりに香奈子さん。

「え、ほんとっ?!」

お財布をモーレツに振ってしまった私、ムードも何もありゃしない…(^o^;

いよいよ年の瀬もせまってまいりました。歳末感謝セール、御陰さまで残りわずかとなりました。私もほしい!と思う作品ばかりを選んでいます。 そんな思いに共感してくださったら嬉しいです。

<関連ページ>

歳末感謝セール 特におすすめの作品をピックアップしてご紹介しています

セナン・赤坂  都会にいながら空を感じる場所

 

2014.12.6

ウブド在住20年の日本人画家

こんにちは、坂本澄子です。

東京・柴又で個展を開催中の画家の吉川孝昭さんにお会いしてきました。

10月に夕刊フジの人気コラム「人生二毛作」の執筆者・大宮知信さんに取材をしていただいた際に、「バリで絵画と言えば…」と紹介してもらったのがきっかけで、個展におじゃましてきました。

今回のテーマは「寅さんが歩いた日本の風景」。あれ?寅さん…??? 

吉川さんが熱血中学教師の職を辞し、ご家族と共に新婚旅行の思い出の地バリ島に渡ったのは’91年のこと。ウブドの山の中に家を建て隠遁生活、孤独な環境に自らを追い込み、画家をめざしてひたすら絵を描き続ける日々だったそうです。ところが、堅い決心で行ったものの、ホームシックとスランプから一時は精神的にかなりツラい状態に。このとき、救ってくれたのが、寅さんの映画『男はつらいよ』のビデオだったそうです。むさぼるように観て、力をもらい、以来寅さんの大ファンに。その後、努力の甲斐あって絵も売れるようになり、5年前に帰国、憧れの柴又にアトリエを構え、全国各地で作品発表する日々を送っておられます。

ブログ182_吉川孝昭さん

画家の吉川孝昭さん。後ろは家鴨使いを描いた作品。

今回の絵画展は葛飾区の企画展のため、バリを描いた作品は3点ほどでしたが、家鴨使いを描いた『鴨の通る道』は、ウブドで見た風景を思わせ、心にぐっと迫るものがありました。

約2時間、時が経つのも忘れて、色んなお話を聞かせていただきました。

実は、バリ&絵の共通項から、何かご一緒にできないかと淡い下心を抱いていたんですよ。でもね、志が違う。自分の甘さにもうガツンという感じ(^o^;

100年後も残る絵を描きたい。

「この家鴨の絵は10年くらい前の作品で、写実的に描いていた頃のもの。でも、こんな感じの絵は他の画家にも描ける。自分にしか描けない絵、ひとめ見ただけで、吉川の絵だとわかるような絵、そうでないと、後世に残り続ける絵にはなり得ないと思うんです」

ブログ183_吉川さん展示会2

 

展示されていた最近の絵の多くは、写真のように、流れるように直感的に色を置いた水彩画や、叩き付けるような強いタッチで描かれた油彩画。バリをテーマにした作品の場合でも、同じように作風が変わってきているとか。

思わず、「何が描かれているんだろう」とじっと観ているうちに、色んなものに見えて来て、それがまたイメージをかきたててくれる、そんな絵ばかりです。

「半分は神様が与えてくれるもの、同じ絵をもう一回描けと言われたらムリですね(笑)

ブログ183_吉川さん展示会

 会場の寅さん記念館は葛飾区の施設。通常、個展ができるような場所ではない。吉川さんが寅さんを愛し、絵以外でも様々な形で寅さんに関わってきた熱意が認められ、区の企画展として実施、今回で4回目。

全国各地で開催している小さな個展も、寅さんつながりで実現したものがほとんど。好きなものをとことん追求し、人と人とのつながりを大切にしているからこそ、協力者が現れるのですね。

バリもそれは同じ。今は現地を訪れるのは年に数回、1〜2週間ずつですが、一度できた関係は、ヨシカワの依頼ならいい加減なことはできないと相手にちゃんと思わせてる。

ブログ183_吉川さん作品近年、のどかな村だったウブドにも開発の波が押しよせ、物価格差を利用して、老後を過ごす場所として訪れる人々、あるいは日本でうまくいかなくなり、現実から逃げるようにやってくる若者たちの姿を見かけることも少なくないそう。

「でも、どちらもよい滞在にはならないことが多い」

お金で人を動かして、一見日々の暮しが回っているように見えても、現地の人たちと人間関係を築いているのとは違う。また、仕事をする中で、約束を果たし、相手と信頼関係を築くといった、当たり前のことができなかった人がバリに来てもやはり結果は同じ。

私はバリにどこまで真摯に向き合えているだろうか。

20年近くウブドに根を下ろして実際に生活された吉川さんと比べたら、まだまだ青いけど、好きになった画家たちの描く絵、その背景にある人柄や考え方に共感し、応援したいと思った気持ちはこれからも大切にしていきたいと思いました。

「また会いたい」と思った人。バリが取り持ってくれた縁に感謝です!残念ながら、柴又での展示会は明日まで。次の展示会のご案内をいただいたら、ご紹介しますね。

<関連ページ>

吉川孝昭さんホームページ

夕刊フジ 大宮知信の『人生二毛作』

 

2014.12.3

『ある少女の肖像』彼女はいま

こんにちは、坂本澄子です。

風が冷たいですね。ケン(フレブル3歳♂)が落ち葉を追いかけて飛び回っています。

さてさて、今日はちょっと嬉しい経験をしたお話です。

ブログ182_ウタリ肖像画この絵を覚えておられるでしょうか。高校を卒業し、夢に向かって新たな一歩を踏み出したあのウブドの17歳、ウタリです。

彼女の凛とした美しさを絵で残したくて、アンタラさんのアトリエに連れていったのが今年5月のこと。(3分間ムービーで是非ご覧ください)そして、その時私はブログの中で、この作品の売上金の10%をお祝いとして彼女に贈りたいと書いていました。

あれから半年…。

このことはしばらく私の意識の中から遠ざかっていました。ところが、先日あるお客様がこの作品を購入して下さったのです。

「そうだ、お祝い!」

そのことを書いて、絵と一緒にお送りしたところ、お客様はブログに書いたお祝いのことはご存知なかったようで、「感動した。彼女に頑張ってと伝えて下さい」ととても喜んで下さいました。ウタリももちろんとても喜んでくれましたよ。そして、そのことはお客様、そして私をも幸せな気持ちにしてくれました。宝物を自分で隠しておきながら忘れてしまい、ある日それを偶然見つけた、そんな気分です\(^o^)/

ブログ182_ウタリ2

左から2人目がウタリ

バリでは農業か観光業に従事するのがこれまで一般的だったのですが、インドネシア全体の経済成長を受けて、男性だけでなく、女性も専門性の高い職業を志す人が増えてきているんだそうです。

彼女が通っていた共学の高校では、クラスメート25人中9人が大学や専門学校に進学。専攻は看護学校が2名、医学1名、法学1人、経済2人、経営3人といった内訳だそうです。

 *****

近年、ウブドにも開発の波が押し寄せ、ホテルやヴィラの建設によって、美しい田園風景は失われつつあります。村と祭礼を中心とした伝統的な生活も変わってくるのかと思うと、何とも複雑な気分です。

ブログ182_ウタリバリもやがて日本と同じ道をたどるのではないか。そんな思いがよぎりました。

でも、古来自然と共存し豊かさを手に入れて来たバリだからこそ、経済的な繁栄と伝統を大切にすることの両方をうまくバランスしていけるような気もします。

ウタリたちの世代がどんなバリを築いていくのか、これからも絵画を通じて、関わっていけたらと思いました。

<関連ページ>

ウタリを描くアンタラさんの姿を3分間のムービーに収めました

5月21日ブログ 『ある少女の肖像』