バリアートショールーム オーナーブログ
2014.3.5

「闘鶏」大地への流血で悪神を鎮める

こんにちは、坂本澄子です。ひな祭りも終わり、いよいよ春がやってきますね。

精霊の通り道「神々の棲む島」バリ島。バリ・ヒンドゥ教には古来からの精霊信仰が融合しているので、精霊ロ・ハルス(Roh Halus)を敬う風習が今でも残っています。ウブド市街地のところどころに作られた細い路地。祖先の霊や精霊の通り道と言われているんですよ。自治体や地域住民がお金を出し合って作っているそう。年配の人ほど信仰深く、この女性もここを横切るときにそっと黙礼をしていました。

天界の神に対し、地界には悪神ブト・カロ(Bhuta Kala)がいて、人間を病気や災いで苦しめると言われます。神々や精霊への供物はチャナンと呼ばれて祭壇に置かれますが、悪神ブト・カロが悪さをしないように地面に供える供物をチャルと言います。闘鶏による大地への流血もこの悪神への捧げものとされているんです。

今日はその闘鶏のお話。

バリの民家の軒先に1羽ずつ竹で編んだ籠に入れられた雄鶏をよく見かけます。これは闘鶏用に男たちが手塩にかけて(まるで恋人のように!)育てているもの。一旦負けてしまうと、即刻肉にされるという過酷な運命が待ち受けていますが、これが村の男たちにとっては儀式であると同時に、何よりの娯楽なんです。

しばしば絵画のモチーフとしても取り上げられます。写真の2点はプリ・ルキサン美術館所蔵の作品で、いずれもウブド・スタイルで描かれたもの。男たちがそれぞれの場所を陣取って闘鶏に興じている姿が生き生きと描かれていますね。オランダの植民地だった1920年代にルドルフ・ボネなど西洋画家の影響を受けて、骨格や筋肉を意識したよりリアルな人物像が描かれるようになりました。庶民の生活が題材として登場するようになったのもこの頃です。

闘鶏

闘鶏(プリルキサン美術館所蔵)

ところで私、ニワトリと言うとちょっと哀しい思い出が…。子供の頃ニワトリを飼ったことがあるんです。お祭りの夜店で買ったヒヨコのピーちゃんが大きくなり、白い大きなニワトリ(ハクショクレグホン)に^^;  それが毎朝5時前からコケコッコーと鳴き出すので、ご近所迷惑とうちの母がハラハラしどおし。そして、ついにある日、知人の田舎に連れていかれちゃったのです。「広い場所に行けてよかったじゃない」と母。ところが20年以上も経った頃、もう時効だと思ったのか、「実はあれは食べられたのだ」とカミングアウト。「えー、何。いまさらっ(泣&怒)」

だからという訳ではありませんが、「バリアートショールーム」には残念ながら闘鶏の作品はありません(^0^;  でも、豹やカエル、文鳥などを描いたユニークな鳥獣画はありますよ。3月29、30日の「バリアートショールーム1周年記念 展示即売会」@表参道で全作品(約40点:バリ直送品を除く)を公開。是非見にきて下さいね。開催概要はこちらです。

コメントをどうぞ

2014.3.1

バリの音色

こんにちは、坂本澄子です。

ガムランの編成バリに行ったことがある人なら一度はガムランの演奏を耳にしたことがあるでしょう。バリの伝統楽器による楽団で、鉄琴のような形をした青銅鍵盤打楽器をベースに、ゴン(ドラ)、チェンチェン(小さなシンバルを重ねた楽器)ルバブ(胡弓のような弦楽器)、スリン(竹製の縦笛)などから編成されるバリのオーケストラです。ガムランの語源ガムルは「叩く」という意味。

青銅打楽器の多くは同じ楽器が2つで一組になっており、わずかに調律をずらして作られています。そのため、同時に叩くと、微妙な音の違いから深みが出て、夢の中のような何とも不思議な音色になるんです。

では、ジェゴグはご存知ですか?

太ーい竹の節をくりぬいて使って作られた木琴ならぬ竹琴ですが、ガムランの穏やかな音色とは異なり、竹筒の中を空気が振動しお腹にずどーんと来る重低音。相手の音に惑わされて乱れたら負け、2つの楽団が競うように演奏する一幕はまさに音の格闘技です。

ジェゴグこのジェゴグ、バリ島の西部にある海辺の村ヌガラが故郷。何時間もかけてわざわざ本場の音色を聴きに行ってブログを書いたというピュア☆ラ☆バリさん運営の「ぶらりっ バリ雑貨の旅」に詳しく紹介されています。ピュア☆ラ☆バリさんは現地在住の日本人スタッフが運営するバリ雑貨のオンラインショップ、私の好きなお店のひとつです。ブログ記事は写真もたくさんあり、バリの最新情報が臨場感たっぷりに味わえますよ。

お客様からご紹介いただいて展示会用にお香やガムランのCDなど購入したのがきっかけ。オンラインショップなのにとてもあったかいんです。この記事を書かれたスタッフの奈々さんとは時々メールをやりとりさせてもらってます。もう何年もウブドに住んでいるという奈々さん。私がバリに行く度に感じる懐かしさや日本人が失ったものがバリには残ってるという印象は実際のところどうなのかと、ちょっとドキドキしながら聞いてみました。

「そうですね、バリ島、特にウブドなどに滞在している外国人、リピーターの旅行者さんはみんな同じ気持ちを持っていると思いますよ。心の片隅に、それぞれの”何か”を持っているように感じます」

みんなそれぞれの心の中にバリのコアな精神性につながる何かを持っている。それがバリに惹かれる理由なのでしょうね。

ちなみに、ピュア☆ラ☆バリさんではインドネシアに古来から伝わるジャムウ(ハーブ)が充実しています。宮廷に仕える女官たちが自らの身体を磨くために発達したものとか。男女関係なく使えるものもあるんですよ。奈々さんから勧めてもらったものがボカシオイル。奈々さんも日本から色々と薬を持って行ったそうですが、結局使わずに済んでるくらい、これ1本持っていれば怖いものなしと太鼓判^o^

3月29、30日の展示会ではまたガムランのCDとお香が活躍してくれることでしょう。バリ絵画とガムランの音色、ぜひ一緒に楽しみに来てくださいね。

<関連ページ>

「バリアートショールーム1周年記念 展示即売会」開催概要

コメントをどうぞ

2014.2.26

自然によって覚醒するのは女性?!

こんにちは、坂本澄子です。

ブログ124_スコールの夜先週、『日経小説大賞』の授賞式を見せていただく機会がありました。今年の大賞作品は『スコールの夜』というキャリア女性が主人公の作品です。ちょうど今本屋さんに平積みされているので、ご覧になった方もあるのでは。

東大法学部卒でメガバンクに初の女性総合職として入社、42歳で女性として初めて本店管理職に登用。暴力団や総会屋に利益供与を行ってきた子会社の解体といういわゆる汚れ仕事で女性の力が試されるという設定です。半沢直樹の女版といった感じ。

作者の芦崎笙さんは’83年に大蔵省(現財務省)に入省され、現在大臣官房参事官というお立場。銀行の方と一緒にお仕事されることも多いのでしょうね。仕事の現場の描写がリアリティに溢れているというのも選定理由のひとつだったようです。お忙しい時間をぬってよくこれだけの作品を書かれたなあとビックリすることしきり。

授賞式に続いて、芦沢さんと選考委員(辻原登、高樹のぶ子、伊集院静:敬称略)の座談会。男女の違いについての話題でひとしきり盛り上がりました。

面白かったのが、男性の作者が女性の主人公をどこまでリアルに描けるかという議論。物語の最後の方に、組織の壁に阻まれ主人公環の心が折れそうになる場面があります。そのとき、激しい雨に打たれて、環は「もう一度頑張ろう」と覚醒するのですが、高樹のぶ子さん曰く、「女性は男性に比べてプリミティブな存在。こんなふうに自然の力に打ち据えられて何かに目覚めるのは女性ならでは」。作者の女性観察眼を絶賛されてました。ちなみに、男性は社会的な生き物なので、責任感とか人間関係によって動かされるとか。

本当にそうなのかはぜひ男性の皆様のご意見をお訊きしたいところですが、女性については「確かにそうかも」と思いました。私自身がそうだったので(^o^;

EBEN私は25年以上に渡り、組織の価値観の中で生きてきましたが、ウブドを初めて訪れた時、自然と共存することにより豊かさを手に入れてきたバリの人々を見て、魂を揺さぶられるように感じたのです。自然の圧倒的な大きさの前でちっぽけな自分を全身で感じた、まさにそんな感じです。(初めてバリを訪れた時の心の変化は「手記」に書かせていただいています)「会社員を辞めて、バリ絵画を伝える仕事を始めよう」、無謀とも言える決断(実際たくさんの方に心配していただきました^^;)は、実は女性的思考ゆえだったのかと、妙に納得してしまいました。そう言えば、女性の方がよくぽんと思い切ったことをしますしね。

ただ、最近は男の中の男、あるいはとても女性らしい女というのがだんだんと減ってきて、その真ん中に位置する両性部類的な人が増えてきているように思います。せっかくこの世に男と女という違う性があるのだから、男らしい人、女らしい人が多い方が楽しいと思うのですけどね。

バリに行ったことでそれまでの自分とは違う価値観に出会った私ですが、今もその思いは変わっていません。「バリアートショールーム1周年記念 展示即売会」、全作品(約40点)の一挙公開します。絵画を通じてバリの精神性の一端に触れていただければ幸いです。お待ちしています!

「バリアートショールーム1周年記念 展示即売会」開催概要

日経小説大賞 受賞作品『スコールの夜』についてはこちらをどうぞ

 

コメントをどうぞ

2014.2.22

バリのパレット

こんにちは、坂本澄子です。寒いですね。まだ雪もたくさん残ってます。でも、この寒さにもじっと耐えて芽吹きの時をまっている樹々を見ると、遠くない春の訪れを感じて、何だか力が湧いてきます^_^

このブログでも何度かご紹介させていただきましたが、私も少し絵を描きます。昨年、Facebookに『バリのパレット』というタイトルで作品を掲載していました。バリの鮮やかな色たちに感動して、1枚ずつ描きためたものです。あるお客様からあの作品も展示したらとのお声をいただきました。ちょっと照れくさいですが、3月の展示会に『バリのパレット』のコーナーを設けたいと思います。

Facebookの投稿をご覧にならなかった方もおられると思いますので、今日は新作を含めてご紹介します。少しでも寒さが和らいで、心の中をバリの風が吹き抜けていってくれることを願いつつ^_^

一気に熱くなってきたでしょ?!  バリ島では料理にとうがらしをふんだんに使います。市場でもほら、こんな大ザルにこんもり。

さあ、一気に熱くなってきましたよ^^
バリ島では料理にとうがらしをふんだんに使います。市場でもほら、こんな大ザルにこんもり。

熱帯睡蓮

色鮮やかな南国の睡蓮はしなやかに茎が伸びるんです。青い睡蓮、初めて見ました

満月の夜

バリ島の満月は特別な夜。蒼白い光に浮び上がる光景は何とも幻想的。
微かな風にそよぐ椰子の葉だけが異国にいることを思い出させてくれます

そろそろ海が見たくなってきましたね。波打ち際に戯れる影

そろそろ海が見たくなってきましたね。波打ち際に戯れる影

最後はあなたもきっと大好きなビンタンビールと青い海。

最後はあなたもきっと大好きなビンタンビールと青い海。
ふとしばらく会っていない友人を思い出し、手紙が書きたくなりました

バリっていいですね〜^o^

3月29(土)、30日(日)@表参道、1周年記念展示会へのご来場お待ちしています!

バリ絵画展『五感を満たす食卓③』@バリカフェ・モンキーフォレストは開催を見合わせることになりました。楽しみにして下さった方、本当にごめんなさい。3月の展示会の準備に全力投球します。

<関連ページ>

バリアートショールーム1周年記念 展示即売会 ・・・誕生日を一緒にお祝いして下さいませ!

「バリのパレット」・・・ほかにもこんな作品があります。

 

コメントをどうぞ

2014.2.19

1周年記念 展示即売会!

こんにちは、坂本澄子です。寒いですね〜。今週はまた雪が降るとか。ケン(フレブル♂2歳)と一緒にまるくなってます(^o^;

この季節になると、無性にバリに行きたくなるんです。なんでまた、こんな雨季のさなかに?と思いますよね^o^;  実は、初めてバリに行ったのがちょうどこの季節でした。成田を発った後、ジャカルタ経由でデンパサール空港に着いたのは夜中の1時を回っていました。1時間以上も飛行機が遅れて到着した私を、真夜中の空港で待っていてくれたのがテギさん。以来、ずっと常宿としてお世話になってるロスメン(民宿)のご主人です。もう15年以上乗っているというトヨタのミニバンをガタピシ言わせながら、ウブドまでひた走ること1時間半。街灯もない細い道をかなりのスピード、おまけに野良イヌがチョロチョロ、目が光る。助手席でヒヤヒヤ、ハラハラのしっぱなしでした。ようやく到着したのは3時、あたりは真っ暗ですが、空を見上げると椰子の葉ごしに半分か隠れた月が見えて、「やっとバリに来たんだ」。

翌朝目覚めて最初に見た景色、しっとりと水分を含んだ緑の向こうでは若い夫婦が農作業をしていました。庭先に目を落とすと大地に捧げられたチャナン。まだお香が新しい。なんだか、じーんと来ちゃいました。

毎日見ていた風景

庭に置かれたチャナンひっそりと石像

それからは、見る景色、出会う人たち、すべてが何だか懐かしいのですよ。子供の頃に見た風景、日本が失ってしまったものがたくさん残っているのです。バリ(ウブド)に惹かれる人が多いのも、もしかするとこんなところに理由があるのかも知れませんね。

「東京にも昔こんな感じの裏通りがあったなぁ。バイクが止まっていて、子供たちがキャッチボールして、手ぬぐいが干してあったり・・・懐かしい風景です」(写真をご覧になったお客様のコメント)

「東京にも昔こんな感じの裏通りがあったなぁ。バイクが止まっていて、子供たちがキャッチボールして、手ぬぐいが干してあったり・・・懐かしい風景です」(写真をご覧になったお客様のコメント)

そのウブドも今変わりつつあります。私たちが惹かれるこれらの風景も永遠ではないかも知れない。でもね、それは絵の中ではずっと生き続けるわけです。それが私がバリ絵画を扱う仕事を始めた理由です。御陰さまで1年が経ちました。こんな思いに共感して下さる方が少しずつ増えてきていることを本当に嬉しく思います。

そこで、「バリアートショールーム」の一周年記念 展示即売会にご招待します。全作品40点の実物をご覧下さい。今までサイトで見てちょっと気になっていた作品、ありませんか。2日間限定で感謝セール(全作品10〜30%OFF)も行います。いつもサイトを見て下さっているあなたへの特典としたいので、下記フォームから事前登録にご協力下さい。折り返し、クーポン付きのご案内はがきをお送りします。当日会場にお持ち下さいね。展示会の開催要領はこちらです。

また、お聞きになりたいことがある方はフォームのお問合せ欄にその旨をお書き添えいただければ幸いです。先月のガルー作品展の最終日、混雑したため、せっかく来て下さったお客様に十分お声掛けできず、ずっと申し訳ない気持ちがしました。苦労性ゆえ…^^; いい時間を過ごしていただけるよう、精一杯努めます^_^

では、会場でお会いできるのを楽しみにています。

<関連ページ>

「1周年記念 展示即売会」 開催要領

「バリアートショールーム」Facebook page  ・・・バリの風景や絵画作品を毎日掲載中

 

 

コメントをどうぞ

2014.2.15

バリ絵画アクセスランキング発表

IMG_2043こんにちは、坂本澄子です。

寒いですね。関東地方はまた大雪です。い〜ぬはよろこび庭かけまわり…のはずなのですが、なぜかうちのケン(フレンチブルドッグ♂2歳)はネコ科イヌ目のようで、ご覧の通り手と足全部を胴体の下に入れてまぁるくなってます。ま、飼い主に似るともいいますから(^o^;

バリアートショールームは御陰さまでもうすぐ1周年を迎えます。ブログの1回目を書かせていただいたのが3月1日。その日を誕生日としています。バリ絵画を通じてウブドのあの雰囲気をお伝えしたくて頑張っています。共感して下さる方がひとりまたひとりと増えていくことを本当に光栄に思っています。

そして、何よりも嬉しいのは作品をじっくり見ていただけること。「バリからこの絵を持ってきてよかった^o^」と思う瞬間です。3月29日(土), 30日(日)@表参道の「バリアートショールーム一周年記念展示会」では、サイト掲載の全作品(*)が見れます。お目当ての作品をチェックしてお越し下さいね。詳細はまもなく発表します。 いつもサイトを見て下さっている方へ1周年を感謝して2日間限定の特別割引クーポン(10-30%Off)も出しますよ〜。※バリ直送品は除きます

ということで、今日はこの3ヶ月の人気作品TOP10をご紹介します。アクセス数+閲覧時間で見ています。単にアクセス数が多いだけでなく、じっくり見ていただいているかどうかにこだわりました。画像をクリックすると作品の詳細情報がご覧になれます。

 ’13/11月〜’14/1月 アクセスランキング TOP10

PP027

   『ある夏の日の思い出』

  アクセス数 No.2

  ティルタ
 PS006

 『一日の始まり』

  アクセス数 No.1

 ウィラナタ
 RS001  『おかえりなさい』  ケパキサン
 PP018  『LOVE, LOVE』  ラバ
 PS005

 『早暁の静謐』

   アクセス数 No.3

  ガルー
 秘密よ

  『秘密よ 〜Tell you a Secret〜』

  閲覧時間 No.2

  アンタラ
 ガマ  『貴婦人たちの響宴』  ラジック
 PM007

 『祈りの朝』

  閲覧時間 No.1

 アンタラ
 PP012  『5月の日曜日の朝に』   ラジック
 PP001  『若豹の憧憬』  ラバ

SOKI-80x100-a実は、同じ条件で比較ができないのでランキングには載せていないのですが、ブログの中でご紹介したソキさんの注文制作『バリ島』のアクセス数が断トツの1位でした。バリ島の形に描き込むというアイデアと明るい色彩、そして何と言ってもバリの風物詩がいっぱいで見飽きない楽しさ、これらが見る人を惹き付けているのだと思います。

そこで、3月の展示会にこの作品をお借りして展示することになりました。ぜひこの作品を生でご覧になって下さい。こんなお願いを快くオッケーして下さったtomuさん、本当にありがとうございます! 注文制作の経緯についてはこちらのブログ記事をあわせてご覧下さい。

PP019それから、閲覧時間が最も長かった作品がこれ、『LOVE, LOVE Ⅱ』(LABA)の6.38分です。この作品はランキング4位の『LOVE, LOVE』 (文鳥)と対で描いてもらったものですが、サイト掲載後、まもなくご購入が決まりました。お客様からの投稿写真はこちらです。今でもこうして見て下さる方があることは大変嬉しいです。よろしければ注文制作も承りますよ〜^o^ バリ島からの個別送料と管理費(制作の進行を確認します)で、元の作品価格+1万円程度で承ります。

コメントをどうぞ

2014.2.12

庶民の台所 バリの市場

こんにちは、坂本澄子です。

今週金曜日はバレンタインデーですね。年々開始が早くなり、一ヶ月前にはもう店頭にチョコがずらり。まだまだ先と思っているうちに、うっかり忘れそうになってました^^;  男性の皆さまはちょっとドキドキ…でしょうか。最近は男女関係なく、なかよしの友達どうしで手作りチョコを交換したりと、贈る範囲も広がってるみたいです。

バリ島のバレンタインもこんな感じで、誰から誰に贈ってもよく、女の子から男の子への告白タイムではないそう。少し前までバレンタインデーの習慣はなかったそうですが、若い女の子たちを中心にいつのまにやらチョコを贈るように。うーん、チョコレート会社の陰謀?!

バリ島でスーパーに行くとチョコの品揃えが多いのには驚かされます。多くはヨーロッパのブランドのもの。安く買えるので、チョコに目がない私は色々買い込んで、バリコーヒーのお茶うけ?にいただいてます。そういえば、バレンタインにどれを買おうかと目を輝かせているのも大抵女の子ですね^o^

今日は庶民の台所、バリ島の市場をご紹介します。

ちょっとした買い物は近所のワルン(雑貨屋さん)でもできますが、本格的な買い出しと言えば、庶民の台所、市場です! バリ島の朝は早く、まだ夜が明け切らぬうちから地元のお母さんたちが。市場の中には露店がひしめくように並び、まるで迷路のよう。通路には神様への供物のチャナンが置かれ、お香が漂っています。野菜、果物、花、穀物、洋服、日用品…、毎日の生活に必要なものは何でもあり、生きたニワトリが足をくくられて売られていたのにはビックリ。活気に満ち溢れています。 お土産物を売る店は夕方まで開いていますが、こんなローカルな雰囲気を味わいたいなら、朝がおすすめ。

祭礼用品のお店。祭礼用具を入れておく竹編みのカゴやお飾りはとてもカラフル

祭礼用品のお店。祭礼用具を入れておく竹編みのカゴやお飾りはとてもカラフル

魚屋さん。ヌガラは海に近いので、市場にも新鮮な海の幸がたくさんありました。原色の熱帯魚を想像していました が、日本の魚屋さんで売られているような普通の魚です。このくらいの大きさのものは、よく素揚げにして食べられています。手前のはエビ。日本のエビの主な輸入元はインドネシアって、知ってました?

唐辛子は料理でたくさん使うので、このお皿で計ってがばっと売られていました。豪快〜

唐辛子は料理でたくさん使うので、奥にあるお皿で計ってがばっと豪快に売られていました

ここは何屋さん?? チャナンに使う摘みたての花の横にはなぜかキャベツ、その後ろには穀物が

ここは何屋さん?! チャナンに使う摘みたての花の横にはなぜかキャベツ、店の奥には穀物が積み上げてありました

わぁ、これまたカラフルな子供服です

子供服もカラフル。バリの明るい陽光の下ではこんな鮮やかな色がまたよく映えるんです^o^

店先に置かれたチャナン。買い物をしていると、売り子が受け取ったお札で他の商品をポンポンと叩く仕草を見ることがありますが、これは浄財と商売繁盛のげんをかついでいるのだそう。

店先に置かれたチャナン。買い物をしていると、売り子が受け取ったお札で他の商品をポンポンと叩く仕草を見ることがありますが、これは商売繁盛のげんをかついでいるのだそう。

バリの素朴で活気ある風物を描いた絵画作品も是非ご覧になって下さいね。

バリ絵画にはいろんなスタイルがあります。まずはこちらからどうぞ。

ソキさんはウブドの市場をこんなふうに描いています。明るい賑わいが伝わってきますね。

ソキさんはウブドの市場をこんなふうに描いています。明るい賑わいが伝わってきますね。

 

コメントをどうぞ

2014.2.8

絵の風景に自分もいるみたいに

こんにちは、坂本澄子です。
前回、ガルー(Galuh)さんのまねをして朝日を見に行ったお話をしましたが、実は彼女に影響されたことはもうひとつあるのです。

残照の家路ガルー(Galuh)さんが絵を描く時に意識していること、それは自分もその場にいるかのように五感と想像力を働かせることです。この作品もそうで、家路につく農夫に自身を重ねて描いたそう。その穏やかに満たされた気持ちが見る人にも伝わるからこそ、共感を呼ぶのだと思います。そう思っているうちに、すぐに売れてしまいました。お客様からのお便りはこちらを見て下さいね。

そこで、私も絵の中に自分がいると意識しながら描いてみました。

灯りに照らされた空間素敵な写真に出会うと、投稿者にお願いして描かせていただくことがあります。先日、とても雰囲気のある写真をFacebookで見つけました。それがこの作品です。(写真左)

真っ暗な山道にぽっとあかりの灯ったこの風景。闇があるからこそ、あかりの優しさ、温かさが一層際立っているように感じます。空もこれに呼応するかのように、雲の割れ目から月の光が…。「これ、描きたい!」そう思う一方で、写真だからこそ素敵なのであって、絵に描いたとたん輝きを失ってしまうのではないかという不安が。そう思いながらも諦め切れず、闇の部分に目を凝らして見ると。そこは真っ暗ではなくて、うっすらと空間が広がっているのが見えました。

灯りに照らされた風景そこで、その風景の中に今自分がいると想像し、目の前に見える(であろう)風景を描いたのがこちらです(写真右)。嬉しかったのは、ご本人(J.K.さん)に送ったところ、とても喜んでもらえたこと。ここは大学の帰りに毎日通る道なのだそうです。近くには森林公園があり、きっとお気に入りの場所なのだと思います。私が描いた風景はJ.K.さんが見ているのとは違うかも知れないけれど、そこから感じたものを私なりに表現するとこうなったということを理解してもらえたことに感激しました^_^

2つの時空間J.K.さんとの出会いも一枚の写真がきっかけ。それがこの作品(写真左)でした。1枚の写真の中に2つの時空間が存在するとても不思議な感じのする作品です。これを見た時、シュピースの『風景の子供たち』を思い出したんです。シュピースはバリ現代芸術の父と呼ばれ、バリ絵画に大きな影響を与えたドイツ人ですが、逆にバリ伝統絵画からも影響を受けたと思えるふしがあるのですよ。

物語の場面を描いたカマサン・スタイルバリ絵画はもともとインド神話の物語の場面を題材としていましたが、絵巻物なので1つの絵の中に複数の場面(時空間)が描かれています(写真右)。線で区切られたところがひとつの場面。シュピースのバリの風景を描いた作品にも、森で区切られた複数の時空間が共存しているのですよ。もしかするとここからヒントを得たのかも知れませんね。そして、ガルーさんもシュピースの幻想的な作品に惹かれて、現在の作風になったと言います。感動が感動を呼び、時代や空間を超えて繋がっていく、とっても素敵ですね。

 先月の作品展の余韻に浸りながら、ガルーさんの作品の特徴をお話してきました。次回はバリの明るい色たちをご紹介します。今朝は東京も雪が降りました。寒いこの季節だからこそ、ちょっと明るい気分になりたいですよね。

<関連ページ>

ガルー経歴&作品

シュピースの作品と影響

シュピース・スタイルの作家たち

 

コメントをどうぞ

2014.2.5

ウブドの夜明け

こんにちは、坂本澄子です。

日曜日に『ゼロ・グラビティ』を観に行ってきました。

実は私…、洋画はちょっとと言うか、かなり苦手なんです。人の名前と顔と役柄が最後まで一致しないなんてことは毎度のこと、かの『オーシャンズ11』も途中からどれが誰だかわからなくなり…(大汗)ところが、この『ゼロ・グラビティ』、出演者はたったの2人。主演のサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーだけなんです。

映画の前に腹ごしらえと入ったトンカツ屋さんで手間取り、焦って10分でかき込んでギリギリ着席。IMAX専用の3Dメガネを着用すると、最初の13分からエンジン全開。主人公の女性宇宙飛行士が宇宙空間に放り出されるシーンは自分も振り回されてる感じ。途中何度も酔いそうになりながら、最後まで緊張し通しの91分でした。

素晴らしかったのは、ダイナミックな「動」に対比して表現される宇宙空間の静けさ。静寂の中、地球を眼下に見るシーンは最高です。また、主人公がこれでもかと言うほど不運に見舞われ、何度もヤケクソになりながらもやっぱり頑張る、そこに何とも言えない共感を感じました。でも、最後の最後にもうだめだと諦めかけたとき、ジョージ・クルーニー扮する仲間の宇宙飛行士マットがやって来て…。ここは思わず涙。ちなみに英語タイトルはGRAVITY。ゼロがありません。その理由は最後のシーンでわかりました。これも憎い演出。いい作品です。

前置きが長くなってしまいましたが、今日はウブドの夜明けをご紹介します。その静けさが宇宙の静寂とダブってしまい…(汗)

*****

ブログ117_朝5時に出発ガルーさんが作品の構想を練るために早朝の風景を見に行く、と言っていたのを聞き、私も見たくてたまらなくなりました。朝5時、あたりはまだ真っ暗、空には満月が輝いています。宿のご主人テギさんに車を出してもらい、田園地帯に向かって走ること1時間。空が白み始める頃、聖峰アグン山の富士山に似た流れるようなシルエットが暁の空にぼんやりと浮かび上がる絶好のポイントに到着しました。

ブログ118_アグン山のシルエット昼間は湿った空気が絡みつくような雨季ですが、この時間はさすがにひんやり、Tシャツ1枚ではちょっと寒いほど。藍色から淡いピンク色に空の色が変化するのを見ながら、ひたすら日の出を待ちました。やがて空に朱色が差したかと思うと、ついに朝陽が^o^ これです、ガルーさんの絵に描かれているのは。まだ明け切らぬ暗さがあるからこそ、光の美しさを感じるのだと、しばし言葉を失い、ただ、ただ感動しました。

ブログ118_飛び立つ鷺日中はじっとり猛暑のため、朝、日の出と共にバリの一日が始まります。一面に広がる青田の畦道を行くひとりの農夫の姿。思わず、「ご苦労さまです」と頭が下がりそうになった瞬間、鷺が一斉に飛び立ちました。まるで一服の絵のよう。またまた、ボーゼンと見とれてしまいました。早起きしてよかった〜^o^

ブログ118_通学時間村へ戻ると、ワルン(雑貨屋。肉、野菜などのちょっとした食材もそこで買えます)に買い物に出かけるお母さんたちの横を自転車に乗った子供たちがスイスイと通り過ぎていきます。テギさんちの高校生の娘さん、小学生のボクも7時過ぎには学校に出かけていきました。小学生をバイクで学校に送りとどけるのは、どうもお父さんの役目みたいです。お母さんたちは一日分のおかずをまとめて朝に作るのでとっても忙しそう。おばあちゃんがチャナンに聖水を掛け、部屋の祭壇にお供えすると、庭先、駐車場、道路わきにもそれを置いていきました。神様は至る所におられるのだそうです。

こうしてウブドの一日は元気に始まりました。

光と影・・・ガルー作品はこちらです

コメントをどうぞ

2014.2.1

買ってくるだけじゃないんです

こんにちは、坂本澄子です。「バリアートショールーム」では、画家のアトリエにある作品を買って来るだけでなく、テーマをお伝えして注文制作しています。

今回のガルー作品展の新作2点も神様をイメージして描いてもらったもの。ガルー(GALUH)さんにとっては神様=愛・平安で、若い夫婦を題材に神様を身近に感じる静かなひとときを描いてくれました。

一方、こんな注文は時に画家さんを悩ませてしまうことも。同じ依頼を花鳥画の巨匠で鳥獣画で定評のあるラバ(LABA)さんにしたときのことです。今年65歳のラバさん。年配の方だけに神様に対して深い想いがあり、おいそれとは描けない様子。長い間悩まれ、なかなか筆が進まないのを見て、やはり画家それぞれに独自の世界があるのだと感じました。

絵画展でお会いしたお客様の一言からヒントを得て制作をすることもあります。

ブログ117_ガマ連作「小さめの絵を縦横自在に組合せられたら便利」とアイデアをいただき制作したのが写真の花鳥画家ガマ(GAMA)さんの熱帯睡蓮の連作です。

縦横ななめのいずれにも組合せやすいよう真四角のキャンバスに描いてもらい、額縁もシンプルなものに。これなら階段の壁に斜めに飾ってもよし、玄関に縦に並べてもよし。金の背景は個性的でありながら、木製の家具にも合わせやすいのでおすすめです。1枚で飾ってもインパクトがありますしね^^

SAMSUNG今、ウィラナタ(WIRANATA)さんに70cmx100cmの大きめの作品を描いてもらっています。以前の作品の中に何とも言えない色合いの作品(写真)があったのですが、この色の感じだけを指定して、あとは自由に描いて下さいとお願いしたのです。

作品にはそれぞれの画家らしさがあり、買い手もそれを期待しているところがありますが、画家の側からしてみると新しいものに挑戦してみたいという欲求は常にあります。ウィラナタさんの場合、注文とは別に自分自身のために絵を描く時間を設けていると、以前お会いしたときに伺ったことがあります。それが強く頭に残っていたので、今回は新しい試みもOK、どれだけ時間をかけてもらっても構わないとお伝えしました。買い取りを約束しての依頼ですから、こちらも賭けです^o^;  

でも…、それくらいしてみたいと思う画家さんなんですよ。私もワクワク感を楽しんでいます。そんな訳で、これからも「バリアートショールーム」頑張っていきます。引き続き、応援よろしくお願いします!^o^

<今後の絵画展予定>

バリ絵画展『五感を満たす食卓③〜緑に抱かれる午後』2月21日(金)〜3月9日(日)

バリカフェ・モンキーフォレストの展示第三弾は花鳥画。一足早く春の訪れを感じていただきたいと、バリの緑深い森と野鳥たちを描いた作品をお届けします。

バリアートショールーム1周年記念展示即売会 3月29日(土)、30日(日)

ネットで事前調査し、実物を見て買えると好評の展示即売会。表参道のギャラリー・ラパンでバリアートショールームの全作品をご覧いただけます。(※バリ直送商品除きます)

 

 

コメントをどうぞ