すてきなひとりぼっち
こんにちは、坂本澄子です。「バリアートのある暮らし」は一回お休みして、今日は別の話題におつきあい下さい。
先日、ジュンク堂書店をぶらぶらしていた時のこと。文芸コーナーの書棚から谷川俊太郎氏の詩集が目に飛び込んできました。それが今日のタイトル『すてきなひとりぼっち』です。その時の私の気持ちにピタリとハマって、抜けなくなってしまいました。
実は、秋の絵画展のテーマ『秋の夜長を愉しむ』もまさにそんな気持ちでつけたのです。秋は空が澄んで、中秋の名月と言われるくらい月がきれいですよね。バリでも満月の夜は寺院祭礼を行うほど、特別な夜なんです。確かに蒼白い光に包まれた世界は何とも言えない不思議な魅力がありますよね。
上の写真は初めてバリに行った時に、思わずシャッターを押していたもの。空がかなり明るく写っていますが、これ完全に夜です。しかも街灯がほとんどない村です。
蒼白い月夜の晩を描いたのがオランダ人画家、アリー・スミット(写真左)。以前もブログで紹介させていただきましたが、この色使い、なんとも言えませんよね。祭礼が終わり女性たちが帰っていくところですが、不思議な静けさがあたりを支配しています。彼の作品の中で一番好きな絵です。
この雰囲気を私も絵にしてみました(写真下)。秋の絵画展の図録の表紙に使おうと思っていますので、会場で見かけられたら、「あ、これね」と笑って見て下さい。
こんな夜に、お気に入りの音楽を低くかけて、好きな絵を見るのはこの上なく贅沢な時間。こんな時は想像力をかきたててくれる細密画をおすすめします。どうして田植えをしている横で稲刈りをしているんだろう…とか、田んぼにいる家鴨は夜はどうしてるんだろう..とか、次々と疑問が湧いてきます。こんな素朴な疑問をつなげていくと、その背後にバリに暮らす人々のある世界観が見えてくるのです。10月6日のバリ絵画展、17時からのギャラリートークでは、こんなお話をしたいと思っています。そして作品をもう一度見ていただくと、「?」→「!」になっているはずです*^^*
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2013/4/3ブログ バリ絵画に色彩を与えたオランダ人画家アリー・スミット
すてきなひとりぼっちを愉しむ作品を集めました
ライ作品 … 細密画発祥の地でクリキ村で伝統絵画を守り続ける
アリミニ作品 … 女性ならではの柔らかな色使いと流れるような構図
ソキ作品 … ポップな色使いでバリの伝統を描くヤング・アーティスト・スタイルの第一人者
バリアートのある暮らし④一瞬であの時間に戻れる
こんにちは、坂本澄子です。今日も広島からお送りしています。一昨日からやっと太陽が顔を見せてくれました。秋晴れの爽やかなお天気です。
絵を見ることで、瞬間的にその時の気持ちに戻ることってありませんか? それが、ある人にとっては、バリで見た風景やその頃の自分だったり、またある人にとっては、子供の頃の思い出だったり。そのたびに、絵には時間や空間を超えて自由に行き来できる入り口のような力があるんだなって感じます。今日は、最近人生の転機を迎えられた埼玉県のO様(50代女性・会社員)からのメッセージをご紹介します。
自分の絵がほしい
絵は今まで父が買ったものしか持っておらず、今回マンションのリフォームにあわせて、部屋の雰囲気と自分の好みにあったものが欲しいと思っていました。バリの絵は、前回の展示会の時からきれいな色あいと動物や森といった自然のモチーフ、リーズナブルな価格に惹かれていましたが、初回は予定が合わず、7月の絵画展はぜひにと思い伺いました。
蓮 … これまでの自分を思い出す存在
蓮の花には特別な思いがあります。(バリのLotus Cafeも行きました!)大好きだった仕事やその頃の仲間を思い出して懐かしいような、そして昔の彼氏を思い出すような(?!)、なんとなくほっこりした気持ちになれるんです。やはり生活の中に絵があるというのは、気持ちのゆとりを感じます。
私にとって部屋の中の絵は、美術館の絵画とは違い、そこにあるのが当たり前、というくらいその場所に溶け込んでいて普段は気付かないくらい自然なもの。なので、普段はあらたまってじっくり鑑賞する、ということはありませんが、植木に水をやるときや、掃除機をかけているとき、洗濯物を干すとき、そういう生活の場面の中でふと目にして、好きな絵があることの小さな幸せを感じる、、、そんな存在になっています。
*****
私もバリで買った絵を部屋に飾っていますが、近所にあった大きな原っぱ(今はマンションが建っています)で遊んだ子供の頃を思い出すんです。もう想像がどんどん膨らんでいって、土を踏む感触や草のちょっと青臭い匂いなどが五感を総動員して甦ってきて、いつの間にか絵の向こうにある風景を歩いているような感覚になることも。そんな時、O様みたいに、ほっこりした気持ちになり、ちょっと凹んでいるときも「また頑張ろう」って思えるんですよ。
<関連サイト>
RAJIG作品 ・・・O様が購入された作品のアーティスト
「ある夏の日の思い出」・・・蓮を描いたこんな作品もあります
バリアートのある暮らし③見るたびに新しい発見
こんにちは、坂本澄子です。今週は生まれ故郷の広島に帰ってきています。残念ながらずっとお天気が悪く、今日は朝からずっと雨で肌寒いくらい。週末には高校時代に所属したブラスバンド部の友人たちに◯◯年ぶりに会います。昔の友人に会っていつも思うことは、不思議とすっと時間が戻るんですよね。人は環境によって変わる部分もあるけれど、本質的にはやはり変わっていないような気がします。どう思われますか:)
「バリアートのある暮らし」、今日はバリの細密画をご自宅に購入された東京都町田市Y様からのメッセージです。Y様はそれがきっかけでバリに興味を持ち、その後初めてバリ島を訪れたそうです。
絵を持つ生活ってどんな感じなんだろう
絵を持つ生活というのがどんなものかそろそろ味わってもいいかなと思いました。美術館にはよく行くけど、家で見るのはせいぜいポスター。バリ絵画は手の届く価格でいい作品が多いので、プロの画家さんの肉筆に日々触れ合う生活を試してみたくなりました。
ほんのりピンクと青みがかったグレー
ライさんの絵「牛飼いのレース」を見たのは4月の絵画展の時でした。美少女や、存在感ある豹や蛙、熱帯花鳥の中で、細密画はちょっと地味なので、最初はあまり注目していなかったのです。
ところが、あらためて近づいて見て、最初に気がついたのは旗に数字が書いてあることです。「081」とか「916」とか。ということは、これは昔話の絵ではなくて、わりと最近の風俗なんだと気が付きました。そう思って見てみると、二頭ずつ組んだ牛が牽いている車に御者が乗り、綱を引きながら鞭を揮う、それが何組も何組もひしめき合う、というとてもダイナミックな構図だと気づきました。「犇めく、とはまさにこのことだ!」と愉快になりました。
登場している人物が皆んな楽しそうに見えてきて、まだ行ったことがない(その時点で)バリ島の、威勢良い楽しげな生活が想像出来ました。そして、遠くからぼんやり見ていた時には、あまりぱっとしない中間色の絵のように感じていたのですが、興奮した牛や観客たちのほんのりピンクがかった肌の色と、遠景の淡く青みがかったグレー、という色彩の対象がとても鮮やかに感じられることに気が付きました。
大きな題材を描いた印象的な絵は、玄関とかリビングとかお客様を招く場所に向いているでしょうけど、寝室にはこういうよくよく見ると味がある絵の方が、毎日毎日見ても飽きないです。
違う刺激が気持ちいい
バリ島に行く前は、どんなところだろうかと色々と想像するきっかけを与えてくれました。そして、バリに行った後は、現地の風景や現地でみた絵画を懐かしく思い出しています。あと、普段目にするもののほとんどが、文字(文書)か動画(テレビとか)なので、目に対して違う刺激を与えてくれて、気持ちよいです。
Y様、分析的な感想をありがとうございました。バリの伝統モチーフをびっしりと描き込んだ細密画は見れば見るほど味があります。Y様のように小さな作品の向こうにある”まだ見ぬ土地”に思いを馳せるのも、絵画の楽しみ方のひとつですよね。それがきっかけでバリに旅したり、また逆に、その時の光景を思い出したり。
秋のバリ絵画展「秋の夜長を愉しむ」では、そんなバリの伝統絵画の小品を集めます。10月6日(日)限りの開催ですので、今からスケジュール入れておいて下さいね。併設コーナーでは、「バリアートショールーム」掲載作品のほとんどをご覧になれますよ。(バリ直送作品を除きます)
<関連サイト>
ライさんの細密画・・・クリキ村で培われた精緻な細密画の世界
アリミニさんの細密画・・・バリ絵画を代表する女流画家です。漫画家さくらももこさんも絶賛。
バリアートのある暮らし②子供の頃の風景
こんにちは、坂本澄子です。「バリアートショールーム」のトップページをリニューアルしました。お求めやすい価格の作品が一覧で見れる「気軽に飾れるバリ絵画」のコーナーを新設、また、新着ニュースを目につきやすい位置に移動しました。バリアートショールームの新しい顔、是非見てやって下さいね!
さて、今日もバリアートのある暮らしを楽しんでおられるお客様からのメッセージをご紹介します。世田谷区のT様(40代男性・会社役員)はまだバリに行ったことはないそうですが、この作品に惹かれた理由が、私が初めてバリに出会った時ととても似ています。お送りいただいた内容をそのままご紹介しますね。
①なぜバリアートを?
私が生まれ育った土地に近い土臭さと水の様子、周囲の動植物の息吹が感性に近かったと感じました。この絵の情景から周囲で何が起こっているのか想像(妄想?)するとなかなか癒されます。
②この作品は何を与えてくれますか?
人や動物や植物の息吹を感じることができます。生きている限り、好むと好まざるとにかかわらず、たくさんの生命に囲まれていることを再認識させられますね。
まずそう感じる背景の一つ目は、幼い頃の感覚を思い出し、心の拠り所としての安堵感でしょうか。幼少期は背も低いので地面が近い。大人になると見逃しがちな小動物や花などが、次から次へとたくさん視界に飛び込んできた感覚を思い起こさせます。
二つ目は、世の中というか大地というか、世界はたくさんの自然の反応によって進化して来たと思います。その事実は変わらない中、現代は人間の行動を中心に物事を捉えて一喜一憂しすぎている気がします。人間の傲慢さとも言えるかもしれませんが、事実は圧倒的に自然の力の方が大きい。そう思うと別の見方ができると思います。(人間の所作が影響を与えている部分ももちろんありますが)日々の生活の中では、無意識にタコツボ思考に陥っていたり、本質的でないことに囚われたりしていることに気づかされます。
③どんなお気持ちに?
人間だけでなくすべてを含む大きな世界の中で、冷静かつ本質を考えるきっかけになっていること、これからも世界が変化し続けるワクワク感で前向きな気持ちになれます。生命の息吹を感じ、それらのたくさんの関わりからこれからも楽しいことが起こりそうな気がしています。限りある人生、一期一会です。ひとのつながりって、いいですね。
T様、素敵なメッセージをありがとうございます。私も初めてバリ(ウブド)を訪れた時、大自然に対して抗うことなく、その恵みを感謝していただき共存する姿に、共感するものを感じました。私たちってついつい自分の力で何とかしようとしてしまいますよね。そんな自分がまるで同じ場所をクルクルと回っているちっぽけな存在に思えたのです。ウブドの朝は早く、夜明けと共に農夫は田んぼに出ます。空が次第にその表情を変えていき、ゆっくりと時間が流れていきました。
忙しいビジネスパーソンほど、行き詰まったように感じる時がありますが、そんなとき、ふっと肩の力が抜ける風景が側にあると、実に力強いですね。
<関連サイト>
バリアートショールームのトップページはこちらから
ケパキサン氏の作品 T様が作品を購入された幻想風景画家(シュピース・スタイル)
バリアートのある暮らし①ずっと前から知ってた風景?
こんにちは、坂本澄子です。週末の雨の後、東京は朝夕かなり涼しくなり、イヌのケンのお散歩が随分楽になりました。今週で8月も終わり。去り行く夏を惜しみつつ、秋の楽しみに思いを馳せる今日この頃です。皆さんはいかがお過ごしですか?
今日から『バリアートのある暮らし』と題し、新シリーズをスタートします。以前はお客様の投稿写真を紹介していましたが、アートのある暮らしってどんな感じ?と突っ込んでみると、実に様々な楽しみ方をされていることがわかりました。きっと皆さんも共感されるところがあるのではないでしょうか。
今日は東京都文京区のK様(70代女性・会社経営)からのメッセージです。お送りいただいた内容をそのままご紹介します。
バリ経験者ならこの感覚わかると思います。実際、多くの方が同じ感想を口にされました。
①なぜバリアートを購入されたのですか?
バリの絵がどんなものか興味半分に展示会に伺いました。そこで見た白い花と緑の葉、そして美しい鳥の絵が、なぜかずーと前から知っていた絵に出合ったようで、無性に欲しくなってしまいました。でもその絵は既に買い手が決まっているとかで、同じような鳥のない絵を購入しました。翌日、坂本さんから電話があり、鳥の描いてある方の絵が欲しかったのでは?鳥の方を買ってくださった方がもう少し大きい絵がほしいということで手放されるのでよかったらどうぞと言われ、二つ返事で鳥の方に替えていただきました。縁があったのでしょうね。この絵は大きさも色合いも私の家の居間にぴったりで、毎日眺めて楽しんでいます。
新築した家の壁に、いろいろな絵を掛けてみましたが、どれもしっくりこなくて、本当にこの絵に出会えてよかったと思っています。
②その作品は何を与えてくれますか?
初めは気がつかなかったのですが、良く見ると実に繊細な絵で、思わず手で触ってみたくなる感じです。ひょんなことで私は35年ほど前に、一度バリに旅したことがあります。なんの下調べもせずに訪れたバリは木々のみどり、苔のみどりの美しいところでした。プルメリアやブーゲンビリアの花、竹の木琴のような楽器を使った独特な音楽にも魅了されたものです。この絵を見ているとそんな若い日の不思議な思い出がよみがえってきます。
③それを見るとどんなお気持ちに?
明るくて楽しいけれど穏やかな気持ちになります。
K様、素敵なお話ありがとうございました。これからも作品を見る度に、バリを旅しているような気分を味わって下さいね。
【関連サイト】おうちでバリの休日気分
EBEN花鳥画 K様が作品を購入された花鳥画家。4万円〜とお求めやすく、素晴らしい出来映え。
TIRTA花鳥画 野鳥やプルメリア、蓮などEBENと似たモチーフで、より柔らかな作風です。
開催決定! 秋のバリ絵画展
こんにちは、坂本澄子です。秋もやります、バリ絵画展!
お客様のお声に勇気をいただきました
春夏と続けて来て下さったお客様から、「サイトで事前調査して、絵画展で実物を見れるのがいいですね」と言っていただき、このやり方を今後も続けて行こうと思いました。毎回、場所の確保に始まって準備にかなりの労力を要するので、バリ絵画を扱っているサイトでここまでやっておられるところってないと思います。正直、このやり方が正解なのかなと悩んだこともありました。でも、「バリの絵がどんなものか興味半分に伺ってみてビックリ。なぜかずーと前から知っていた絵に出会ったみたいで…」とか、「よく見ると実に繊細な絵で、思わず手で触ってみたくなるんです」なんて言われると、もう「やるしかない」ですよね!
渋谷のBunkamuraにバリ絵画?
今回は2本だてです。まず、9月24日〜30日の一週間、渋谷のBunkamuraに登場します。ここでは、バリ絵画をより多くの人に知ってもらうことを目的に、「バリアートショールーム」が自信を持ってご紹介する画家9名(ガルー、ウィラナタ、ラバ、アリミニ、ソキ、ライ、アンタラ、ガマ、ラジック)の作品を1〜2点ずつ展示、バリ絵画の様々なスタイルをその誕生から進化を交えて紹介します。Bunkamuraは私の大好きな場所のひとつ。地下のミュージアムに行ったり、たまに上のホールにコンサートを聴きに行ったりしています。東京の文化の発信拠点とも言えるこの場所で、絵画展が開けてとても嬉しいです。今回お借りするのは1Fのウォール・ギャラリー(写真は過去の展示)で、真ん中にあるカフェから見える場所です。
秋の夜長を愉しむ珠玉の作品たち
そして、その一週間後の10月6日に、今度は表参道のギャラリーで。テーマは「秋の夜長を愉しむ」。バリ島には独特の世界観があります。その中には、初めて出会ったとは思えない不思議な懐かしさを覚えるものが結構あるのです。例えば、ウブドの田園風景を見て、昔よく遊びに行ったおばあちゃんちの田舎を思い出したり、大いなる自然に感謝の祈りを捧げる姿に共感したり…。それらを象徴するバリの文化・風習、そしてそこで暮らす人々を表現した作品を展示します。飾りやすい小品の新作も色々ありますよ。秋の夜長にちょっとだけ夜更かしして、絵の中に広がる世界に想像をめぐらせてみるのも、たまには悪くないと思いませんか?
会場となるGallery LAPIN(ラパン)はいつもより広めの空間。「秋の夜長を愉しむ」展と併設で、「バリアートショールーム」のほとんどの作品を展示します。前から気になっていたあの作品、ぜひ現物を見に来て下さい。「生まれ育った土地を思わせる土臭さと水の様子、周囲の動植物の息吹など、私の感性に近いと感じました」とは、40代男性のお客様からのメッセージですが、こんな風に五感と想像力を働かせて作品を楽しんでいただければと思います。お天気がよければ、オープンテラスでお茶を飲みながら作品をご覧いただけるようにします。秋の一日をゆっくりと過ごしに来て下さいね。
「バリアートショールーム」のほとんどすべての作品をご覧いただけるのはこの一日だけですので、今からスケジュールを入れておいて下さいね^^
【関連サイト】
新作情報 – ライ氏の細密風景画、アンタラ氏のバリニーズ・ビューティ四部作
新作情報 – バリニーズ・ビューティ四部作
こんにちは、坂本澄子です。日中は厳しい残暑ですが、朝夕は空の高さにふと秋の訪れを感じる今日この頃です。今週は夏休みを終えて、「さて、また頑張るぞ〜」と仕事に戻られた方も多いのでは。季節の変わり目、どうかお身体に気をつけてお過ごし下さいね。
さて、今日も新作のご紹介です。久々登場の写実人物画の旗手アンタラさん。4月の絵画展では、彼の瑞々しい作品にため息をついた方も多かったと思います。子供時代と思春期にさしかかる少女の作品でしたが、さらに大人の女性へと成長していく姿を画家はどのように描くのだろう…と興味が湧いてきました。そこで、女性が成長する姿を写真のように、7歳、13歳、17歳、そして21歳と追いかけて、描いてもらいました。題して「バリニーズ・ビューティ四部作」。サイズも額装も揃えてありますので、4点、あるいは2点対にして飾ったり、あるいは季節ごとに掛け替えたりと、いろいろな楽しみ方ができます。もちろん単品でのご購入も可能です。
ところで、こんな素敵な女性を描くアンタラさんってどんな人?自宅アトリエに何度かお邪魔していますが、2児のお父さん、そして、奥様はやっぱり(!)美人。よくモデルにもなっておられます。アンタラさんのこともっと知りたい!と、6つの質問をしてみました。
1)画家になろうと思ったきっかけ
祖父、父、叔父と画家の家庭に育ち、ごく自然に絵を描き始めました。(こういうタイプの画家さん、バリにはとても多いです)10歳の時、絵画コンクールの賞をもらってから絵の道に進む事を意識し始め、デンパサールの美術大学に。絵を描いていると、穏やかで、魂が解放されるような気持ちになるのです。
2)作品のインスピレーションはどこから?
表に出て、自然や人々の生活の様子を観察して回ります。祭礼での人々の様子、子供たちが踊る姿など日常のちょっとした一コマに、私の制作テーマである愛や平安を感じることができます。西洋絵画の技法を使って描いていますが、題材はバリの伝統にこだわっているのはそのためです。
3)画家として心がけていること
人物画に限定することなく、バリの文化や人々の生活、風景の美しさを、自然と人間の調和の中で描いていきたいと思っています。ですから、行き詰まったら、新たな刺激を求めて積極的に外に出るようにしています。
4)いままでで一番嬉しかったこと
バリ島内のビーチに家族で旅行したことですね。注)祭礼中心の生活をしているウブドの人たちは普段村から出ることはほとんどありません。こういったささやかなことにも喜びと感謝の気持ちを忘れないところは、他の画家さんにも共通しています。
5)画家としての将来の夢
画家として成功すること自体にはそれほどこだわりはありません。ただ、常により良い作品を描きたいと思っています。(注:バリ絵画は画家自身の強い個性というよりも、バリ島という風土の中で育まれた世界観を表現する側面の方が強いと感じています。普通、将来の夢は?と訊くと、世界中で作品を発表したい…とか言っちゃいそうですが、とても謙虚なお答えもバリの画家さんに共通した特徴です)
6。日本のファンへのメッセージ
私の作品を見てくれた人が、穏やかで幸せな気持ちになってくれることをいつも願っています。
アンタラさんの新作は近日中にサイトに掲載します。ぜひチェックして下さいね。
【関連サイト】
夏の話題作 – 追加入荷が決定!
こんにちは、坂本澄子です。毎日うだるような暑さですね。一方、バリは乾季のこの時期は一年で最もしのぎやすく、山側のウブドではここのところ最高気温が28℃前後だそうです。ちょっと羨ましいですね。
今日は娘と久し振りに美術館でデート、アメリカン・ポップ・アート展に出掛けてきました。世界最大級のポップ・アート・コレクターであるパワーズ夫妻のコレクションです。パワーズ夫妻はこれらの作品を自宅の玄関から、リビング、キッチン、寝室、バスルーム、トイレに至るまであらゆる場所に飾り、日常生活の中で楽しんでいたそうです。日本でも、美術館で鑑賞するだけに留まらず、作品により身近に触れることで、毎日の生活を心豊かに過ごせればと思いました:)
さてさて、7月の絵画展でご好評をいただきました、エベン作野鳥画の横長サイズとガマ作熱帯睡蓮シリーズを、急遽画家さんにお願いして追加制作していただきました。エベンさんの方は今日完成したとの連絡があり、さっそく写真が送られてきました。横長サイズはリビングのソファの後ろなど飾りやすく、入荷する度にすぐに売れてしまいますので、ご希望の方がいらっしゃいましたらぜひお早めにお問い合わせ下さいね。日本への到着は9月10日頃の予定です。ちょうど本体サイズが40cmx80cmと同じなので、「プルメリア」と対にして飾っても素敵ですよ。廊下など殺風景になりやすい場所にもおすすめです。
ガマさんの熱帯睡蓮の方は現在制作中ですが、30cmx30cmの小さめサイズを3点(背景色金x2、白x1)お願いしています。実は、これはお客様からのアイデアをカタチにしたものなのです。このサイズですと、複数組み合わせて、縦にも横にも自在に飾れるのでとても便利。お部屋のスペースに合わせてアレンジできるという訳です。例えば、ソファの後ろに3点横に並べたり、階段には斜めに飾ったり、さらには階段下の空きスペースには写真のようにL字型に飾ることもできます。背景色が大胆な赤の横長サイズも入荷しますので、どうぞお楽しみに。
なお、informationでもお詫び&訂正させていただきました通り、8/24-25の麻布十番祭りではTシャツのみの展示販売となります。ガマ作の『虹の雀躍』と『夏の夜の夢』の図柄がプリントされています。作品とのセット展示販売は、8月28日(水)〜9月2日(月)で行い、会場はいずれもパレットギャラリー麻布十番ですので、お間違いのないようお越し下さいね。わかりづらくて、本当にごめんなさい。
今日ご紹介した作品は8月末までにサイトに掲載します。いずれもお求めやすい価格ですので、この機会にぜひご自身で持つ楽しみを味わってみられてはいかがでしょうか。世界中探しても同じ物がふたつとない一点物が、あなただけのものになりますよ。
お問い合わせはcontact@balikaiga.comへ、今すぐ。
【関連サイト】
新作情報 – これぞバリの伝統絵画
こんにちは、坂本澄子です。毎日暑いですね。このところ、「バリアートショールーム」では風景画、花鳥画の話題で賑わっていましたが、久々にバリ伝統絵画らしい新作をご紹介します。
クリキ・スタイルの細密画の名手ライさん、久々の登場です。バリの細密画、実は男性にファンが多く、バリ絵画展でも足を止めて熱心に細部に見入っておられる姿が見られました。秋の絵画展に向け、新作を2点お願いしていたところ、一点が完成したとの連絡がありました!
これがその作品と正装で写真に収まってくれたライさんです。バリの農村の生活を描いた作品で、クリキ・スタイルに特徴的な細かな描き込みがなされています。遠景を見ると棚田が奥へと続いていますが、バリ島ではお米が年に2〜3回収穫できるため、田植えの時期は水利組合の水の供給時期によって決まり、同じ水系の田んぼでは田植えの時期をずらして、水を各田んぼに平等に供給できるようにしています。そのため、この作品でも、刈り取りを迎えた田んぼのすぐ横で田植えをしている姿が描かれています。ウブドでも機械化が進み、数は少なくなりましたが、今でも農作業に牛が現役で活躍しています。木に登って椰子の実を取る農夫の姿も見られますね。
余談ですが、あれだけ椰子の実がたくさんなっているので、頭の上に落ちて来て怪我をすることはないのかと地元のガイドさんに聞いたことがあります。道沿いに植えられていても、不思議とそういったことはないのだそう。ただし、子供の頃、椰子の林には入らない様にと親から厳しく言われたそうです。ちなみに、ホテルの庭などでは、念のため実が全部取ってありますね。
もう一点は子供のケチャダンス。こちらはまだ制作中で、下絵が終わったところです。バリ伝統絵画はこのように綿密に下絵を描きます。この後、墨で輪郭を取り陰影をつけて、その上からアクリル絵の具で着色していきます。完成までまだ先は長いですが、よい作品ができることを楽しみに待っていて下さいね。
ライさんの作品は「王家の火葬」を展示販売中です。王家の火葬の壮大さについては、以前ブログにも書いたのであわせてお読みいただければと思いますが、大勢の村の男たちがバデやランブーを担いで、火葬場に向かう様子が躍動感たっぷりに描かれていますよ。
バリ絵画のあるお部屋②
こんにちは、坂本澄子です。今日は『バリ絵画のあるお部屋シリーズ第二弾』。さっそくお客様から送っていただいたお写真とコメントを紹介します。
世田谷区S様 書斎 ARIMINI 35cmx38cm
お住まいをリフォームされたのを機に書斎に飾る絵を探して、7月のバリ絵画展にお越しいただきました。多忙な経営者として週末もお仕事をされるご自宅の書斎は、S様にとってはまさにお城。アリミニ作『バリ島物語Ⅰ』を選ばれました。「暗い色調ですが、全体の色のバランスや構図が素敵です。バリの庶民の旺盛な日常生活と宗教的な伝統が神秘的に混じり合った作品」と大変気に入られたご様子。写真の通り、お部屋にもしっくり溶け込んでいますね。
リビングなど人が集まる場にはぱっと目を引く大きめで鮮やかな色使いの絵が好まれますが、書斎にはこのようにじっくり見て楽しめる小品もお勧めです。バリ島の生活を描いたアリミニ作品は構図と色の配置が絶妙でまさに珠玉と言えます。お仕事の合間の気分転換に、ちょっとしたイマジネーション・トリップはいかがでしょう。
大田区K様 玄関 LABA 40cmx50cm
リビングに飾ってある絵をそろそろ取り替えたいとお考えだったK様、バリの花鳥画をご覧になり、深い緑の密林につがいのオウムが憩うLABA作品を気に入っていただきました。もとはリビング用のつもりが、ご覧の通り、玄関に置かれた何とも雰囲気のある木の椅子ととても合っているのを見て、急遽予定変更。「玄関が素敵になりました。とても嬉しいです」とのコメントと共に、お写真をお送りいただきました。
玄関は訪問客が最初に目にする場所。住む人の個性やセンスが感じられる場所です。ご自身の嗜好に合った絵画や小物をうまく使って空間を演出できるといいですね。お客様との会話も弾むことまちがいなし。
世田谷区M様 書斎 EBEN 65cmx110cm
お部屋の模様替えをして書斎の雰囲気を変えたいと、バリ絵画展に来場されたM様。『バリアートショールーム』のブログや作品紹介ページをご覧になり、候補を2点に絞った上で現物の最終確認にお越しになりました。いずれもエベンの横長の作品でしたが、会場に来られてからも奥様とメールのやりとりをしながら、悩まれることおよそ30分。最終的にチョイスされたのが4羽の色鮮やかな野鳥が美しい作品でした。理由をお聞きしてステキだったのは、奥様とお子様2人の4人家族の明るい雰囲気に似ているからとのこと。作品はM様の書斎に飾られていますが、ご家族全員で楽しまれているようで、「書斎が一気に明るくなりました。息子2人も毎日眺めていて、大喜びです」とのコメントをいただきました。
横長の絵はリビングや廊下などある程度の広さのスペースを彩るのに重宝します。手軽に空間の雰囲気を変えられますので、是非お試し下さい。
【参考作品】
書斎におすすめしたい小作品:アリミニ『バリ島物語Ⅱ〜ハヌマンの誕生〜』、サンジン『チャロナラン』
お客様を明るくお迎えする玄関に:ガマ『虹の雀躍』、ラバ『カエルの親方』、ラバ『LOVE,LOVE』、ティルタ『プルメリア』
リビングのどこからも目を引く作品:エベン『プルメリア』、エベン『森の囁き』、ティルタ『アグン好日』、ラバ『若豹の憧憬』、ソキ『実りの季節』、ボリ『陽光の微笑Ⅰ』