発表!今年の人気アクセスTOP10
こんにちは、坂本澄子です。秋も徐々に深まってまいりました。秋といえば…新米。明太子でもあろうものなら、困ったことにご飯が何杯でもいけちゃうんですよね〜。バリの人もお米大好き。ご飯にサンバルがこれまたよく合うんです。これはかなり危険^o^;
食欲はさておき、芸術の秋です。11月の第6回バリアートサロン(11月29日)は、今年たくさんのアクセスをいただいた作品を展示・販売します。作家たちの制作への思いや作品解説もたっぷりお伝えします。今年最後の「バリアートサロン」に是非お越しください!
ところで、人気作品と一口に言えども、たくさんの人がアクセスする作品、じっくり時間をかけて見られる作品、もう一度戻って二度見される作品など、人気の中身はさまざま。人数、回数、時間などを元に集計しました。
それでは、2015年アクセス人気ランキングTOP10の発表〜!画像をクリックすると作品全体が、また、以前ブログでご紹介したそれぞれの作品の見どころを「詳しくはこちら」からご覧になれます。よろしかったらあわせてどうぞ!
11月の第6回バリアートサロンでは、これらの他にも上位作品を展示いたします。
ところで、人気のある作品ばかりがよい作品とは限りませんよね。画家と見る人の感性がぴったり合った時に感じる「やっと会えたね〜」という幸福感は、人と人の出会いとまったく同じ。その気持ちをどうか大切にしてくださいね。サイト掲載の中でご覧になりたい作品がありましたら、申し込みフォームのコメント欄にその旨をお書き添えいただければ、会場に展示いたします。また、当日はバリ絵画の変遷と主要スタイルのご説明も致します。詳細とお申込みはこちらをどうぞ!
*『バリ島』SOKIは注文制作のため、展示は行いません。あらかじめご了承くださいませ。
プンゴセカン新作情報
こんにちは、坂本澄子です。今年は秋が長くて、なんだか得した気分♪ですね。皆さまは秋の夜長をどんなふうにお過ごしでしょうか。私はケン(フレンチブルドッグ♂4歳)を連れて、いつもより長めにお散歩しています。虫の鳴く声を聴きながら歩く1時間、ちょっぴり心豊かになりますね。そんな芸術の秋にふさわしい新作10点をアップしました。
様々なスタイルが楽しめるのがバリ絵画の魅力ですが、私たち日本人の心の琴線に触れるのはまずはやはり花鳥画でしょう。そこで、プンゴセカン・スタイル(バリ花鳥画)から魅力いっぱいの作品をご紹介します。これ以外にも新しい作品がありますので、LABA, RAJIGの作品ページをチェックしてみてくださいませ!
<選べる額縁>
今回の新作は、額縁が選べる特典付き。手彫り彫刻入りの重厚なものからモダンでスタイリッシュなタイプまで5種類の中から、お部屋の雰囲気やお好みにあわせてチョイスしていただけます。ご注文を受けてから額装しますので、お届けまで2週間程度お時間をください。詳しくはこちらをどうぞ。
<関連ページ>
いつか見た風景
こんにちは、坂本澄子です。
以前、少しだけお話しましたバリ絵画を題材にした私の絵が完成し、明日10月18日(日)まで東京・上野の東京都美術館で開催中の第67回中美展に出品しています。
この絵のタイトルは『夢』。バリ絵画を飾ったソファの上でうたた寝しているうちに、夢と現実の世界の境界が曖昧になっていくところを描いてみました。ここに描かれている画中画は、プンゴセカンの巨匠LABA氏の花鳥画を参考にしたのですが、私にとっては、最初に出会ったバリ絵画のイメージを凝縮したいわばオマージュです。
これを見てくださった、IBM時代の大先輩のOさんから「大好きなオーストラリアの画家の絵を思い出した」とメッセージをいただきました。ジョアンナ・フックという名前までは覚えていませんでしたが、「’91年、小型システムの事業部長をやっていた時にCMに使った絵」だと言われて、確かに思い当たる作品がありました。
それは、背の高い草が、樹々の隙間を埋めつくすように生い茂る密林のジャングル、そこに、南国の鳥が色鮮やかに舞う光景でした。その数年後にオーストラリアのシドニーを出張で訪れたとき、都会でありながら、いたるところに自然を感じられる街はまさにその絵のイメージそのもの。
その頃の私はと言えば、ちょうど仕事がおもしろくなったところで、夜中まで仕事をする毎日。仕事を通じて自己実現…と言えばかっこいいですが、365日仕事のことばかり考えていたわけです。そんなときに「オーストラリアの人は休暇を楽しむために働く」と聞かされ、自分の価値観がぐらりと揺さぶられ、そんな生き方に強烈な憧れを感じたことを覚えています。でも、それから20年、その働き方を変えられなかったんですけどね^o^;
ちなみにそのCM、小型のオフコンでしたが、当時の社長からは『鳥が飛んでるCMでコンピューターが売れるか』と揶揄されたそう。それでも企画を変えず、強力なプロモーションを断行されたのは、何ともOさんらしいエピソードだと嬉しくなりましたが、結果、私のようにぐらりとなった人は少なくなかったようで、当時この分野では後発だった同社が、真剣に参入するという狼煙を上げた最初の製品だったと記憶しています。
それから月日は流れ、そんなできごとも彼方へと追いやられていましたが、今思うとあのとき潜在記憶に刷り込まれた南国ふうの絵が、バリ絵画に初めて出会ったときの不思議な懐かしさに繋がったのではないかと思います。そこからバリ独特の深い精神性に触れ、のめり込んでいったのはいつも書かせていただいている通りです。
しかし、人生って不思議ですよね。ある日何かのきっかけで大きな方向転換をしたように思えても、実は、そこに至る小さなできごとが長い時間をかけて熟成するように下地作りがなされている。私とバリ絵画の出会いもまさにそんな道のりの向こうに用意されていたものだと思わされました。
次回はそんなLABA氏とご長男ARSANA氏の新作をご紹介します。ARSANA氏は父親譲りの深い緑の密林と野鳥を題材とした作品を得意としながら、独特の視点が斬新な構図を作り出すことに成功しています。
<関連ページ>
LABA作品ページ・・・ARSANA氏の作品もこちらに掲載しています
たかが結婚、されど結婚 〜バリ島編〜
こんにちは、坂本澄子です。先日初めて尾瀬ヶ原に行ってきました。ちょうど湿原が黄金色に染まる季節、秋色に包まれた一日を過ごしました。
さて、バリの結婚式の続編です。
一夜明けると、ムダムディ(mudamudi)と呼ばれる村の青年会の人たちが騒ぎにやってきます。こんどは結婚式を手伝ってくれた村の人たちや親戚を労う番。お酒やタバコを山のように振る舞います。こんなふうにバリで結婚式と言うと大抵2日がかりです。
最近は経済的に豊かになり、自宅ではなく、レストランや美術館を貸し切りでパーティをするお金持ちも出てきました。また、招待状もかなり力が入っていて、プロのカメラマンを雇って「これはモデルさん?!」かと思うくらいにカッコよく演出、自分大好きの現代っ子らしい一面もみられます。
バリの人たちの結婚観は全体的に見ると、日本の30〜40年くらい前の感じ。女性が男性のうちにお嫁に行く感が今でも強いですが、ここ数年、結婚に対する考え方も変わりつつあります。
昨年12月のブログでもご紹介しましたように、仕事を持つ女性が増え、チャナンも自分で作らず買う人も多くなりました。また、いわゆるできちゃった婚をしたものの、うまくいかずに離婚…という日本でもよくあるパターンも。バリ島では離婚は難しいと言われてきましたが、女性の経済力を背景に最近増えているそうです。
こんなふうに、先進国と同じ様相を呈する一方で、バリ島にはカースト(階級)制度がまだ残っており、階級の高い女性が低い男性と結婚することを好ましくないと思う人も。お付き合いしている人と無理やり引き離されたり、親から勧められるままに好きでもない相手と結婚することになったり。そうすると時々起こるのが駆け落ち。結婚式の数日前から外出が禁じられるのは、こういったことも背景にあるみたいです。
さて、ここでお知らせです。
「バリで最もすぐれた画家のひとり」とイタリア画壇も絶賛するRAJIG氏(ラジック)とプンゴセカンの巨匠LABA氏(ラバ)の花鳥画5点をウェブにアップしました。
最近はすっかりモダン・スタイルに転向したRAJIG氏ですが、画面から張り出すように描く以前の画風に根強いファンも。そこで、ラジック氏のアトリエを訪問し、人気のロータスなどとっておきの4点を出していただきました。写真の作品(『八重咲きのハイビスカスと野鳥』)は二羽が並んで花を眺めていますが、好きなことを一緒にできる相手がいると、楽しさも倍になりますね。
近頃、子育てに積極的に参加する男性の姿を見かけるようになりました。LABA氏の『ふくろう』は福を呼ぶ鳥としてバリ島でも人気のモチーフですが、この作品をみていると3つの卵をちょっぴり得意そうに守っているのは案外お父さんかも、という気がしてきました。
子育ても人生も共同作業。相手にいつも感謝の気持ちを忘れずにいたいですよね。そんな日々の小さな積み重ねが幸せな結婚を作ってくれる、そう思う今日この頃です。
<関連ページ>
ラバ作品ページ・・・アルマ美術館も所蔵するプンゴセカンの巨匠
ラジック作品ページ・・・ロータスは必見ですよ!
1000人が押しかける?! バリの結婚式
こんにちは、坂本澄子です。3連休ですね。特に今日10日は大安吉日とあって、結婚式を挙げる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今日から2回にわたって、バリ島の結婚についてご紹介します。バリの伝統的な結婚式は日本とはかな〜り違うようですよ。
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まず驚くのが、結婚式の数日前から新郎・新婦は外出禁止になること。理由はいくつかありますが、ひとつにはマジックにかかって、大切な結婚を邪魔されないようにということみたいです。目に見えない力を信じるバリらしい習慣ですね。実際、門の近くに近づくことさえダメという徹底ぶりなのだそう。
そして、いよいよ結婚式当日。結婚の儀式は大抵が自宅で行われます。朝から家族で新婦の家に行って「お嬢さんをください」「いやいや、ウチの娘はそう簡単にはやれない」といったやりとりが繰り広げられます。これが家を出る儀式。このあたりの様子は、私の大好きなバリ・ブログ『バリ雑貨店スタッフ達のへんてこバリ島生活』に臨場感たっぷりに紹介されていますので、こちらもぜひ読んでみてくださいね。
家を出る儀式が終わると、今度は揃って新郎の家に行き、女性が男性の家に入るための儀式、続いて結婚の儀式が行われます。伝統的なバリの家屋では、敷地の中央にバレ・ダンギン(Bale Dangin)と呼ばれる東屋がありますが、ここにプタンダ(祭司)を呼んで行うんです。
このあたりから招待客がひっきりなしにやってきますが、この数がハンパじゃないんです。バリ島には招待客は多ければ多いほどいいという考え方があり、その数、1000人単位@_@
招待客のお祝いは、米に砂糖にコーヒーが定番。ザルにザザ〜っと入れて、そのまま頭の上に載せて持参、いたってシンプルです。お祝いのお料理は親戚と村の人たちで準備しますが、お米100キロ炊いたという話もあるくらい。そんな量、いったいどうやって炊いたのでしょうね。新郎・新婦は婚礼衣装を着たまま、訪問客への対応は夜まで続きますので、まさに長〜い1日です。
日本人女性がバリの男性と結婚する場合は、これに改宗のための儀式が加わるため、さらに複雑。生まれてからの様々な儀式を順番にぜ〜んぶやってしまうのだそうです。「言われるがままに動いて、何だかよくわからないうちに終わってました」とは、くだんのバリ雑貨店スタッフの奈々さん。いまやお子さんを授かり、バリ島生活の長い奈々さんでも、まだまだバリには摩訶不思議なところが多いそう。
そんなバリの人々の一生を取り巻く儀式を描いたSOKIさんの作品『バリ島2』がこちら。これを見ると、バリの人々の生活がいかに神様と深く関わっているかがわかります。作家自身が語る作品解説(Youtube)もご覧になってみてくださいね。
次回は『たかが結婚、されど結婚 〜 バリ編』をお届けします。
第5回バリアートサロン(10月17日開催)もいよいよ来週末に迫りました。今回は細密画をテーマにお話しますよ〜。詳しくはこちらをどうぞ。
<関連ページ>
ソキ作品ページ・・・バリの風習がびっしりと描かれた作品をお楽しみください
バリ雑貨店『ピュア☆ラ☆バリ』の人気ブログ『バリ雑貨店スタッフ達のへんてこバリ島生活』・・・バリ在住だから書けるこの臨場感
ノーベル医学賞の大村智さんは
こんにちは、坂本澄子です。
昨夜1時間ほどシステムが計画外停止をしてしまいました。その時間にアクセスしてくださった方に深くお詫び申し上げます。
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爽やかな秋晴れですね。夏の布団のまま、お腹を出して寝ていたら、明け方「さむっ」と目が覚めました。朝晩は冷えますので、風邪をひかれませんよう、お気をつけくださいね。
さて、ノーベル賞の発表が始まりました。サイエンスの世界にはいまひとつ縁遠い私。日本人の受賞にもいつもなら「へえ〜、すごいなあ」で終わるのですが、医学賞を受賞された大村智さんの意外な経歴には驚きました。
山梨のご出身、地元の山梨大学(自然科学科)を卒業後、理科の先生として定時制工業高校にお勤めでした。ある日、試験の監督中に機械油だらけの手で試験を受けている学生を見て、
アフリカのガーナに行った時に、細菌感染症のため視力を失い、働くこともできない大人たちが木の下にぼんやりと座っている光景に、何とか彼らが失明せずに済む方法がないかと模索し始め、それが今回ノーベル賞の受賞理由となった新薬開発につながったのだそう。
驚いたのはその後で、大村さんは芸術にも造詣が深く、美術作品の著名な収集家でもあるんです。海外の学会に行くたびに、絵を買って来るのには、亡くなった奥様も閉口されたほどだとか。医学とは畑違いの女子美術大学の理事長(現在は名誉理事長)に就任されたのが1997年。その関係か、女流作家の作品収蔵に積極的で、2007年には私費5億円を投じて故郷である山梨県韮崎市に韮崎大村美術館を建設。収集した1800点を超える作品と共に韮崎市に寄贈し、初代館長に就任されました。また、故郷の山梨県韮崎市のために温泉を掘って経営されているそうで、ロビーには絵画がずらり。本当に多才な方ですよね。
実は以前からちょっとした信念があるのですが、いくつかタイプの異なることを並行してやっていく方が、脳のいろんな部分が刺激されて、結果的に能力が高まり、よい結果が出せるということ。今までお会いした仕事ができる方も「こんなにお忙しくてよく…」と思うほど、タイプの異なる趣味をお持ちで、人間的にも魅力的な人が多かったのです。またひとつ、そのよい実例が増えました^_^
ノーベル賞受賞者のコメントにはいつもそれぞれ深みがありますが、大村さんが言われた、「失敗しても絶対に諦めてはだめ」という言葉がずしりと胸に響いた秋の夜でした。
川のある風景
こんにちは、坂本澄子です。
先日、久しぶりに郷里の広島に帰ってきました。ドアツードアで5時間、飛行機派と新幹線派に分かれる微妙な距離ですが、私はいつも新幹線です。本数が多いので、ちょうど来た電車に飛び乗れますし、東京始発でまず座れます。4時間、結構有効に時間を使えますよ。
ごくごく普通の地方都市ですが、帰省するたびにいいなあと思うのは、川のある風景。広島はデルタ地形のため、市内を6本の川(東から、猿猴川、京橋川、元安川、太田川(本川)、天満川、太田川放水路)が流れています。一番有名なのは本川が太田川と元安川に分かれる場所にかかる相生橋でしょう。これなら「あ!」と思われる方も多いはず。
そこに水があるだけで心和むのは、私たちが青いほしに住んでいるからでしょうか。
ウブドにもいくつも川が流れています。定宿のあるプネスタナン村から南に下り、モンキーフォレスト方面へ歩いていたときに通った橋がこちら。ガードレールが低くて、おまけに横をバイクがビュンビュンと通り過ぎるスリリングな橋。下を眺めただけで、クラクラするほどの高さです。高所恐怖症の私が、エビのように腰が引けた体勢でシャッターを切った写真です^o^; はるか下を流れる川や深い渓谷の緑が視界に広がった瞬間、ふっと心地よい風が通り過ぎていきました。
バリの画家さんにその話をすると、子供の頃に川で遊んで楽しかった話を聞かせてもらえました。ウィラナタさんも少年時代をウブドで過ごし、川で魚を釣ったり、泳いだりしたことが何よりの思い出。棚田と並んで、絵の題材に取り上げられることが多いのも、きっとそんな大切な思い出からインスピレーションを得ているのでしょうね。
2つの川が合流する場所はチャンプアンと呼ばれ、精霊が宿る聖なる場所。ウィラナタさんの作品『pura campuhan (2008年製作)』(写真)も、心洗われるような清らかな情景。水を汲んだり、沐浴する村人たちが神々しいばかりの光の中に描かれています。
そして、こちらはウィラナタさんの実弟ケパキサンさんの作品、森の奥を流れる川を描いた朝の風景です。乾季のウブドの朝はひんやりとした空気に包まれています。川のせせらぎや鳥や動物たちの声がこだまし、五感が気持ちのよい気に満たされていく作品です。
『こだまする谷川の風景』 Kepakisan
アクリル画 作品サイズ:25cmx21cm
左写真はウブド王宮へと続く東西に走る道、Jl. Raya Ubudです。ご存知の方も多いと思いますが、植物が垂れ下がるように茂ったこの場所も絵になる風景ですよね。実際、ここを描いた風景画は何点もみました。
左の壁の向こう側にも川が流れており、近くにはホテルチャンプアン&スパがあります。敷地内にはいくつものヴィラが渓谷に沿うように建てられており、ウィラナタさんが魅せられたヴァルター・シュピースがその昔住んでいた家があった場所でもあります。ドイツ人画家も異国の地に魅了され、幻想的なバリの風景画を描いたのでしょうね。
さて、第5回バリアートサロン(10月17日開催)は、細密画を取り上げます。手の込んだ緻密な仕事はバリ絵画ならではのおもしろさのひとつ。その魅力をご一緒に楽しみませんか? 詳しくはこちらをどうぞ!
<関連ページ>
バリ島のお祭りを描いた作品
こんにちは、坂本澄子です。
先日の満月&スーパームーン、きれいでしたね。東京ではほとんど雲もなく、晴れ渡った空にぽっかりとまあるい月が浮かびました。
バリのウク暦では月の満ち欠けに基づき、210日で一年が回っていきます。満月の日にはいつもお寺にお祈りに行くそうですが、今回はウブドでもいつもより盛大に満月のお祭りが行われたそうです。これからしばらくいいお日柄が続くため、様々なお祭りや結婚式のラッシュ。お祭りの内容によってお供え物も変わり、置く場所も決まっているのだそう。村の女性たちはこれらがぜ〜んぶ頭に入っているんですって。結婚式にはお米やお砂糖を頭の上に載せて、お祝いに行くのだそうですよ。
ところで、お祭りの様子はバリ絵画の題材としてもよく描かれますが、実はこれ、1920年代以降と比較的新しいことなのです。それまではバリにおける絵画は神様を讃えるためもので、もっぱら神話の場面が描かれていました。(カマサン・スタイル)
多くの観光客とともにバリ島を訪れた西洋人画家たちは、南国の風習や風景が珍しくて、それらを題材にして絵を描きました。バリの画家たちはそれを模写することで、西洋絵画の技法を習得し、かつ、題材として日々の生活に目が向けられるようになったというわけです。(ウブド・スタイル)
そんなバリの暮らしを描き続ける伝統画家ダギン(Daging)氏の作品『村の暮らし』(写真左)です。
バリの正装であるウダン(頭巾)とサルンを身につけた男性、お供えを頭の上に載せ、忙しそうに立ち回る女性たち。お祭りの準備をする姿が生き生きと描かれ、活気あるバリ島の生活が伝わってきますね。
また、バリ絵画の特徴のひとつでもある細密画。(クリキ・スタイル)この『チャロナラン』(写真下)は、バリ島のお祭りの様子がわずか15cmx49cmの上に精緻な筆使いで表現されています。細密画で有名なクリキ村の画家ならではの線の細さと優美さは秀悦。これで30,000円はお買い得ですよね。
第5回バリアートサロンは細密画を取り上げます。今月は土曜日開催の10月17日です。詳しくはこちらをどうぞ!
<関連ページ>
カマサン・スタイル・・・バリの古典絵画
ウブド・スタイル・・・西洋絵画の影響を受け、一般の暮らしにも目が向けられるように
クリキ・スタイル・・・画家どうしで細かさを競ったことから始まったバリ細密画。
身近なところにあるアート
こんにちは、坂本澄子です。
あいにくの雨模様ですが、外に出るとふわっとあまい香りが。もう金木犀が咲いているんですね。慌ただしく暮らしていると、季節の移り変わりを忘れてしまうことがありますが、誰も気づかなくても、褒めてもらえなくても、自然はしっかりと次の準備をしていて、ふとしたときにはっとさせられます。
とてもいい季節なので、最近ケン(フレンチブルドッグ♂4歳)とのお散歩の距離がどんどん伸びています。東京・有明は私が引っ越してきた10年ほど前には、東京ビッグサイト以外これといったものもなく、がら〜んとした感じだったのですが、築地市場の移転や2020年のオリンピックでこのあたりにいくつか競技場が作られることもあり、急ピッチで整備が進んでいます。
足を伸ばしてみると、今まで柵で囲われていたところがすっかり取り払われ、運河が見渡せる広い遊歩道ができていたり、オシャレなお店ができていたりともうびっくりです。中でも、おおお!と思ったのがこちらのアート広場。都会に突如出現したサバンナとでも言いましょうか。遠くに高層ビルを眺めつつ、緑の広場には200匹の動物たちが。
ART ZOOと名づけられたこの場所、ちょっともったいないのは、ビルの工事現場の裏手にあたり、表の道路から見ただけではここにこんな場所があるなんてわからないのですよ。おかげで他には誰もいない中、日が暮れるまで、この不思議な光景をたっぷりと楽しませていただきました。
意外におもしろいのが、何本ものクレーンが上がっている東京の空。日が沈むまで刻一刻と色を変え、表情を変えるところはバリの空と同じ。そこに影絵のように立ち上がったクレーンの無機質さがいい、なんて思うのは私だけでしょうか(笑)
こうしてみると、身近なところにアートを感じるものが結構あるんです。ケンを撮るつもりで構えたiPhone。ちょうど彼岸花が見頃で、赤と緑と黒のコントラストがおもしろくて、こんな写真を撮っちゃいました。冬を迎えるまでのわずかな時間、あなたもぜひ見つけてみてくださいね〜。
そうそう、バリ雑貨店「ピュア☆ラ☆バリ」の奈々さんが、ブログ「バリ雑貨店スタッフ達のへんてこバリ島生活」の中で「バリアートショールーム」のことを書いてくださいました。クレイジーな画家WECESさんのこと、おもしろいので読んでみてくださいね。
<関連ページ>
クレイジー画家!?に絵画オーダーをしてみました! | バリ雑貨店スタッフ達のへんてこバリ島生活
第4回バリアートサロン いよいよ明日開催。
ART ZOO 公式ホームページ バリアートサロンの後でいかがですか?お近くです。
もうひとつの満月
こんにちは、坂本澄子です。
電車の吊り広告で前から気になっていたキリン「十六夜の月」、コンビニで見つけてついに買っちゃいました。ワイングラスに注ぐと、ふわっといい香り。ベルギービールを思わせるような、やわらかい飲み口でした。これかなり好きになりそうです^o^
9月といえば中秋の名月。今年は9月27日です。月が地球に最も近づくスーパームーンとも重なるそう、大きく明るい満月が期待できそうですね。
さて、今日はバリの満月を描いた作品をご紹介します。この作品はお客様からのご依頼により制作したものです。
ご注文くださったのは、5月の「春のバリ絵画展」でウィラナタの『満月の夜に 〜フルムーンガルンガン』(左写真)をご覧になった江東区のK様。
「この絵好きだけど、ちょっと大きいなあ」。そこで、その絵の持つ雰囲気はそのままに、30x50cmのサイズで新たに描いてもらうことになったというわけなのです。
さっそくウィラナタさんに相談したところ、「そのサイズだと結構難しいけど、とにかく全力で頑張ってみるよ」との心強いお返事。確かに、元の作品は60x80cmと約4倍ですから、そのまま縮小というわけにはいきません。絵の大きさにあった構図というものがありますものね。
一体どんなふうになるのか、私もお客様と一緒にドキドキしながら楽しみに待っていました。そして出来上がった作品がこちらです。
ウィラナタさん、さすがです。。
青白い満月と石油ランプの暖色系の光。ふたつの光が交錯する幻想的な雰囲気は、元の絵の雰囲気そのままです。作家の弁を伺ったところ、「これは夜8時頃、日没後、まだ微かに明るさの残る東の空に大きな満月が昇ったところを描いたものです。牛を引きながら、家路についた農夫とその息子。その温かな関係と一日を終えた充実感を静かな情景の中に表現したいと思いました」
そして、この絵にはもうひとつ素晴らしいところが。写真ではわかりづらいかも知れませんが、キャンバスの隅から隅まで、細いところまで実に丁寧に描き込まれているのです。いい絵というのは主役以外の部分も決して手を抜かず、隅々にまで見所があるものですが、この絵の場合、暗い部分もよく見ると、葉っぱなのか土なのか、自然の息吹とでもいった何かが感じられます。それが見る人の想像力をかきたててくれる、そんな魅力ある作品です。
画家にそのことを伝えると、「久しぶりに小さな絵を描いて目を使いましたよ。おかげでいつもの倍時間がかかっちゃった(笑)でも、自分でも満足のいく作品に仕上がりました。お客様にも同じように思ってもらえると嬉しいです」
もちろんK様にも喜んでいただけました。ご注文制作は最後まで実物を見ることができない分、ご不安もあると思いますが、お部屋にあったサイズで気に入ったモチーフを描いてもらえるという点ではおすすめです。お客様のお気持ちに寄り添って、お手伝いができればと思っています。注文制作の詳細につきましては、こちらもどうぞご覧ください。
それでは、連休最終日、楽しんでくださいね〜!
<関連ページ>
ウィラナタ作品ページ・・・幻想的な光との戯れ
ご注文制作の流れ・・・ご注文制作はこのように進めさせていただきます
第4回バリアートサロン・・・いよいよ今週日曜日。バリ絵画の歴史と進化についてお話します