バリアートショールーム オーナーブログ
2015.1.14

絵を何倍も引き立ててくれる名脇役

こんにちは、坂本澄子です。

バリ島は雨季のまっさかり。連日のように雨が降り、湿度は90%を超えます。「洗濯物が乾かないわ〜」と友人からもぼやきメールが。

そんな中、ウィラナタの新作を土曜日に発送したとの連絡がありました。冬の移送に神経を使うのは、この劇的な気候の変化に耐えながら、絵と共にはるばる日本にやってくる額縁のこと。なにしろ、気温差20℃、湿度の差に至っては50%ですから(^o^;

これまでも何度か泣かされました。反ったり、隙間があいたり、ツヤが失われたりと、何かとトラブルが多いのは実は額縁なんです。もちろんある程度の修復はできますが、作品をベストな状態で見ていただきたい今、それは頭の痛い課題のひとつ。

ウィラナタの新作は60cmx80cmとサイズが大きいので、悩みました。いっそのこと額縁は日本で作ろうかとも。

バリ島の寺院には必ずある、広く深く大地に根を張った大木。バリの人たちは大きな樹には精霊が宿ると言います。生命力溢れる逞しい幹、やさしく包み込んでくれるような深い緑を見るとき、ゆかりの地で育った、無垢の木の額縁で包んであげたい…、やはりそこは譲れないんですよ。

現地パートナーの木村さんに相談したところ、「トラブルの原因は乾燥が不十分なことなんです」と思案顔。そして、数日後、「いいものが見つかりました」

それは10年前にジャワ島東部の木工所で作られたチーク材の額縁でした。注文制作で作られたものですが、何らかの理由で納品されないまま、ゆっくりと時間をかけて乾燥されました。いつも額縁をお願いしているウブドの額縁屋さんが、4年前にたまたまその存在を知り、一目見て気に入りすぐに購入。その額縁にふさわしい絵が現れるのをずっと待っていたという次第。

写真を送ってもらうと、かっちりとした上品な作りに、磨き込まれたなめらかな木肌を見せていました。

「10年経ってこの状態のよさですから、日本に持って行ってもまず大丈夫」と木村さん。

これがその額縁です。私も一目で気に入りました。この素敵なエピソードにも。

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10年後にようやく出会えたベストパートナー。この10年間は強さと美しさを手に入れるために必要だった時間です。人と人とに出会いがあるように、作品と額縁にも出会いがありました。そして、この作品がいつかどなたかの元へ嫁ぐのも、また出会いだと思います。

<関連ページ>

「幻想心象風景画 作品展」・・・1/23-24の2日間、この作品をご覧いただけます

 

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2015.1.10

インスピレーションを与えてくれる絵

こんにちは、坂本澄子です。

ブログ189_朝焼けある朝、カーテンを開けたら、美しい光の層が東の空を染めていました。その手前を首都高湾岸線が通っているのですが、6時で既にかなりの台数のクルマが。そのいくつかはたくさんの荷物を積んだ大型トラックでした。

「寒い朝、まだ暗いうちから働いているひとがこんなにいるんだ」そう思うと、なんだか胸がきゅーっと熱くなりました。

あのトラックは、この前注文した絵を持ってきてくれた運送会社かも知れない、このクルマには…などと思いを巡らせると、私のこの小さな仕事も、多くの人々の協力で成り立っており、それがお客様へと繋がっています。そして、それは回り回っていつかまた私のところに戻ってくる。目に見えないけど、そんな確かな繋がりを感じました。

 

「幻想心象風景画 作品展」、2週間後に近づいてきました。先日、会場となる銀座1丁目のRONDOに打合せに行き、展示はガルーとウィラナタの作品8点(うち2点が新作)、それぞれを飾る位置と動線などを検討しました。RONDOは奥の部屋に窓があり、時間によって光の入り方がかなり変わります。光の描写が特徴的な作家たちの作品ですから、最終チェックは前日に行うことになりました。

ところで、「この絵を日本に持ってきてよかった!」と思う瞬間って、何だと思います?

「絵が売れたとき?」

はい、もちろんそれはありますが、どちらかと言えばそれは結果論。この朝の出来事のように、胸がじーんと熱くなるのは、絵を見て下さった方が心の底から喜んで下さったときなんです。

スクリーンショット 2014-12-17 8.14.53画家を知り、作品の制作過程に関わった人間のひとりとして、作品と共に、そこに込められた描き手の想いごと受け取ってきたつもりです。

それを見て下さった方の心に何か感じるものがあれば、例えば、穏やかな気持ちだったり、勇気だったり、時にはインスピレーション(創造的思考に対する刺激)であったりと、何かプラスの作用をもたらしてくれれば、嬉しいです。

当日はどうぞお気軽に新作を楽しみにいらして下さい。たくさんの笑顔が集まるよう、昭和のレトロな薫りいっぱいのギャラリービルでお待ちしています。

<関連ページ>

「幻想心象風景画作品展」開催概要・・・1月23日(金)・24日(土)  12:00-18:30

ガルー 作家と作品のページ

ウィラナタ作家と作品のページ

 

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2015.1.7

モノより思い出

こんにちは、坂本澄子です。

バリ島が大好きなあなたに贈りたい作品

この企画を思いついたのは、あるお客様からいただいたお便りがきっかけでした。

「30年前にある縁があって以来、バリ島はずっと気になる存在でした。そして、ようやくこの夏休みに初めてバリを訪れました。人の穏やかさ、棚田の美しさ、各所にお供えをする心、ガムランの心地よさなど、すっかり気に入って帰ってきました。(中略)展示会、楽しみにしています」

刈り取りを迎えた田圃色んな形(例えば、ハネムーン、家族で夏休み、大好きなひととの夏休み など)でバリを訪れる人がいます。

時を経ても色褪せない思い出になるのは、青い海やリーズナブルで質のよいスパ、洗練されたホテルでの滞在といった、ありきたりなリゾートとは違う何かを感じたから、ではないでしょうか。

思い出すたびにふっと幸せな気持ちになる、そんなバリ島でのかけがえのない時間を絵にしたらどうなるかと考えてみました。

再び同じ場所を訪れても、あの時の同じ時間を取り戻すことはできないでしょう。でも、記憶の中の情景を通じてなら、今また同じ思いを、共に過ごした大切な人と共有できるかも知れません。

ZY005その絵にはバリ島の魅力がぎっしりと詰まっています。たくさんの神様に守られ、自然と共存することで豊かさを手に入れてきた島。その絵を鑑賞者として見るだけでなく、あなたご自身もそこに描かれ、同じ時空間を共有している。

そんな世界で一枚の絵に仕上げたいと思っています。

「モノより思い出」

これは、クリエイターの小西利行さんが書かれた、日産セレナの広告コピーです。それまでクルマと言えば、人やモノが移動する手段。このわずか7文字で、大切なひとと思い出を創るという全く新しい視点・価値を生み出しました。

絵だって同じ。美術館で鑑賞するだけでなく、もっと日常の中で、あなたの思い出や感性と繋がることができるはずです。

絵を家族のような身近な存在にしたい。そう考えて、この特別な企画をソキさんにお願いしました。あなたのバリへの特別な思いをこの絵に託してみませんか? 

詳しくはこちらをご覧ください

「バリ屈指の人気作家が描くあなただけのバリ島」 

 

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2015.1.3

日本古代美術、バリ絵画との共通点

こんにちは、坂本澄子です。

あっと言う間に三が日も終わりましたね。バリ島では花火と爆竹で賑やかな新年を迎え、雨季の真っ只中、雨が降ったりやんだりのお天気が続いているそうです。皆様はどんなお正月をお過ごしでしたか?

ブログ187_宮島1私は実家のある広島に戻り、元旦は宮島に行きました。厳島神社は世界でも珍しい海上神殿。島に到着したときにはちょうど干潮で、大鳥居の下まで歩いていけました。満潮時には人の背の高さくらいまで海水面が上がるため、フジツボがぎっしりついているのですが、その隙間にたくさんの一円玉や五円玉がはめ込まれていました(笑) 夕方帰る頃には再び潮が満ち始め、大鳥居を船でくぐって、海上から参拝していたというかつての姿に思いを馳せました。

絵が好き、バリが好きで始めた「バリアートショールーム」ですが、本当にいい作品をお届けするためには、美術史を体系だって学び直す必要があると常々感じていました。今年はこれを実行しようと思っています。

年末に奈良を訪れて飛鳥〜奈良時代の国宝の仏像・建造物に触れてきましたので、さっそく復習を兼ねて、日本の美術史についてまとめてみました。日本史の授業でもおなじみの内容ですが、バリ絵画にも一部通じるところがあり、とても興味深く感じました。ご一緒に楽しんでいただければ幸いです。

<飛鳥時代・・・正面から拝観することを意識した造り>

法隆寺・玉虫厨子

法隆寺・玉虫厨子

聖徳太子が活躍した飛鳥時代には、渡来人に出自を持つ仏師・鞍作止利により法隆寺・釈迦三尊像(623年)を代表とする金銅仏や木彫仏が制作されました。アルカイック・スマイルと呼ばれる神秘的で素朴な微笑みをたたえた表情や杏仁形の目、左右対称の造りや衣文線の抽象的な表現を特徴としています。これらは朝鮮半島経由でもたらされた中国・北朝時代の影響なのだそうです。

この頃、紙や墨、絵具の作り方も大陸から伝えられました。題材は宗教画で、法隆寺の玉虫厨子は台座の四面に釈迦の前生の物語や菩薩像、仏舎利(釈迦の遺骨)の供養の様子が描かれています。

ブログ187_捨身飼虎図上写真の手前面に描かれた「捨身飼虎図」は釈迦の前生の物語で、飢えた虎の母子を哀れんだ釈迦が自身の身体を布施する場面です。この図は異なる時間の相をひとつの画面に描く「異時同図法」の典型的な例としても知られています。左写真のように、①王子が衣服を脱ぎ、②崖から身を投げ、③虎にその身を与えるまでの時間的経過を表現するために、王子の姿が画面中に3回登場しているのですよ。 

<より人間らしい描写に近づく>

続く白鳳時代は天武・持統天皇の時代を中心として、日本に律令国家が形成される時代です。持統天皇は天武天皇の妃。余談ですが、ふたりは戦の時ですら片時も離れなかった程に仲がよく、天武天皇の亡き後、持統天皇はその意志を継いで即位したと伝えられています。ふたりの天皇が同じ場所に埋葬されるのはとても珍しいことだそう。そのふたりの墓跡を今回奈良の飛鳥で見てきました。今はもうただの草原となっており、うっかり通り過ぎてしまいそうな場所ですが、そんなエピソードを聞くと、古代のロマンを感じます^_^

この頃になると、随や初唐様式の影響を受け、仏像もより自然で柔和な表情で、より実際の人間に近い身体つきで表されるようになります。薬師寺・薬師三尊像はその代表例。絵画では、法隆寺金堂壁画や高松塚古墳の壁画が有名ですね。弾力のある描線と隈取りによる陰影により、調和の取れた理想的な体つきに表現、初唐のスタイルが絵画にも及んでいることを示しています。

<宗教テーマから風俗にも着目>

さらに奈良時代になると、仏教は国家の保護を受け、東大寺の大仏を初めとして造寺、造仏が国家規模で進められました。それまでの金銅造や木彫に代わって、塑造や乾漆造などの新しい技法が取り入れられ、動きのある写実的な表現を特徴としています。例えば、興福寺・阿修羅像。その悲哀を込めた表情は、今日の私たちの心をも揺さぶりますよね。絵画では薬師寺・吉祥天像が有名ですが、宗教画としてだけではなく、服装、髪型、装身具など、当時の女性の風俗を描いたものとしても楽しめます。

八部衆・迦楼羅

八部衆・迦楼羅

この時代は唐を経由して、遥か遠く地中海地方や西アジア、インドの文化が日本に伝えられました。一般公開されていませんが、正倉院にはササン朝ペルシャのガラス器など国際色豊かな宝物が収められています。今回見学した興福寺・八部衆像(阿修羅像はこのひとつ)は仏教で古代インドの異教の神々を表したもので、バリ絵画でもおなじみの神鳥ガルーダ(迦楼羅)の姿もありました。奈良がシルクロードの東の終点と言われる所以ですね。

 

「ラーマーヤナ」より

バリの古典絵画(カマサン・スタイル)にも似たような変遷が見られます。14世紀にお隣のジャワ島の政変から逃れてきた知識階級によってもたらされた古典絵画。インド神話である「ラーマーヤナ」や「マハーバーラタ」をテーマに人物を平面的に表現し、1つの絵の中に複数の場面が描かれました。宗教画としての側面が強かった古典絵画もやがて題材を身近なものへと変えていき、20世紀のオランダ統治下においては、西洋絵画の影響を受けて、人物はより写実的に描かれるようになりました。

 こうしてまとめながら思うのは、絵は描かれているものやその背景にあるものを理解すると、何倍も楽しめるということ。これからも時々ブログでもご紹介していきたいと思います。おつきあいくださり、ありがとうございました。

 

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2015.1.1

初春のお慶びを申し上げます

新年明けましておめでとうございます。

私は広島の実家で静かな雪の朝を迎えました。皆様はお正月をどのようにお過ごしですか?

今回は途中奈良に立ち寄り、飛鳥〜奈良時代の文化を満喫してきました。国宝、重要文化財の仏像、建造物がゴロゴロしているのには改めて驚き。特に、興福寺の阿修羅像の哀愁をおびた表情は人の悩み、苦しみにも通じ、もうすごいの一言に尽きました。阿修羅ファンクラブの会員募集してたのには、もひとつ驚きましたけどねw

さて、2015年の「バリアートショールーム」はガルー、ウィラナタによる「幻想心象風景画 作品展」@銀座を皮切りに、今年も「バリ島の美術館に選ばれた作家たち」の新作をご紹介していきたいと考えています。

バリ島のギャラリーでもなかなか目にすることのない、著名作家の作品をお届けするのはもちろん、今年はこれをさらにもう一歩進めて、見る人と絵画との双方向の接点を増やすアプローチをしたいと考えています。

どういうことかと言いますと、例えば、今回のウィラナタの新作は満月の夜を描いたものですが、月と言えば私たち日本人とも関係は深く、お月見を楽しんだり、ふとしたときに月を見上げて物思った経験は誰もが持っています。そんな心の琴線に触れるテーマで、作品を描いてもらうというのがそのひとつです。

それなら日本人画家の方がいいんじゃないかと思われるでしょ。そこをバリの画家に頼むのがミソなんです。今回のウィラナタの作品の時もそうだったのですが、「満月の夜」という言葉から日本人が想像するものとは少し違う作品ができました。いい意味で期待を裏切られた感じです。

banner_sokiもうひとつは、新春特別企画「ソキによるあなただけのバリ島」のように、お客様がお持ちの思い出を絵画として表現したらどうなるかという試み。好きな絵というレベルを超えて、特別な一枚になればと思いました。実はこれ、写真がなかった頃の西洋では、お抱え絵師が貴族の旅に同行して絵を描くことがよくありましたが、そこからヒントを得ました。

’90年〜’00年代は日本人のバリ旅行がピークでした。ハネムーンで訪れた方もかなりいらっしゃるでしょう。そんな方には、節目の年の結婚記念日にいかがでしょう。ソキさんの人物描写はある意味とても単純化されているので、「もっと美人に描いてほしいわ」と言われる奥様には、肖像画を贈るのも素敵ですね。デッサン画なら重たくならず、プライベートスペースに飾れます。バリに素敵な思い出を持つふたりだからこそ、バリの画家にその思い出を委ねてみるのはいかがでしょうか。

 というわけで、今年も毎日の暮しの中でアートを身近に楽しんでいただける企画をご紹介してまいります。本年もどうかよろしくお願い致します。

<関連ページ>

幻想心象風景画 作品展 ・・・1月23日(金)・24日(土) 銀座1丁目駅より徒歩1分

新春特別企画「ソキによるあなただけのバリ島」・・・バリ島屈指の人気作家が描きます

 

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2014.12.27

2つの光が映し出す幻想世界

こんにちは、坂本澄子です。暮れも押し詰まってまいりました。昨日が仕事納めだった方も多いのではないでしょうか。

ブログ186_満月の夜に3ウィラナタの新作『満月の夜に(仮題)』がついに完成しました。蒼白い満月が水面を照らし、幻想的に空間を映し出しています。そして、この絵にはもうひとつの光が。田圃の脇に置かれた祠を照らすランプと篝火の暖かみのある光です。

質感の異なる2つの光がひとつの絵の中に描かれることで、異なる時空間が共存するような不思議な感覚を覚えます。

「これは意図してそうしたのですか?」

思い切って画家本人に聞いてみました。

ブログ186_満月の夜に4

 

でも、彼は静かに微笑んだまま。まるで、どう感じるかは受け手次第と言っているようです。

月の満ち欠けと密接に暮らすバリ島では、満月は永遠の平安をもたらすと言われ、大小さまざまな祭礼が行われます。

この作品に描かれているのは、家族を中心とした比較的小さなもので、左側の祭壇に安置された聖水を使って祭事が行われます。右側の祠(ほこら)には、作物の実りを司る神様、デウィスリが祀られており、今夜は田植えが無事に行われるよう祈願する祭事が行われようとしているところ。

ブログ186_満月の夜に1祭礼の準備をするおとなたちに混じって、中央で篝火をかざして田圃を覗き込んでいる少年は画家本人です。田うなぎや水中の昆虫を捕まえた少年時代のワクワクするような思い出が、祭りの前の高揚感と重なり合っています。

 ウィラナタが最も影響を受けたというドイツ人画家シュピースも、ひとつの絵の中に複数の時空間を描きました。この作品にもそんなニュアンスが感じられます。

ガルーの新作入荷とちょうどタイミングが合いました。そこで、新作2点を含む2人の画家による幻想心象風景画の作品展を行うことにしました。

1月23日(金)、24日(土)の2日間、場所は夏にウィラナタの新作鑑賞会を行った銀座のRONDOです。

この作品、あなたの目にはどう映るか、ぜひご覧になってくださいね。

 <関連ページ>

ウィラナタ 画家と作品紹介

ガルー 画家と作品紹介

ドイツ人画家シュピース 現代バリ芸術の父とも呼ばれ、バリ絵画に最も影響を与えた西洋人のひとり

 

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2014.12.24

聖夜を彩る光たち

こんにちは、坂本澄子です。

平成になって以来、イブよりも、祝日の23日の方が盛り上がるようになったのではないでしょうか。先日の寒さはどこへやら、東京は超ポカポカ陽気。ホワイトクリスマスにはなりそうにありませんが、夜になると美しいイルミネーションが街を彩っていました。

最近は青が人気、夜空をイメージさせる色ですね。写真左が六本木のミッドタウン、右が以前にもご紹介した目黒川です。春の桜の代わりに、幻想的な光の花がこぼれるように咲いていました。

ブログ185_ミッドタウン ブログ185_目黒川

一方、丸の内のシャンパンゴールドも捨てがたいですよね〜。嗚呼、ゴージャス。

ブログ185_丸の内

ちなみに、有明ショールームからはゲートブリッジの夜景が見えます。写真ではちょっとわかりにくいですが、昨夜は特別バージョンだったのか、色が赤、緑、青と橋を照らす光の色が変わっていました。いつもはだいたい青の単色なんですけどね。高速道路が橙に浮び上がって流線形を描いています。

ブログ185_夜景

こうしてみると、光は足元だけでなく、心を照らしてくれる存在でもあると思います。

そう感じさせてくれる作品が完成しました。ウィラナタの『満月の光の下で』です。

彼の少年時代の記憶を再構成し、満月の夜の祭礼をテーマに描いたこの作品。この画家の特徴である光の描写が、にかくもうすごいんです。しかも、この作品には質感の異なる2つの光が描かれています。

続きは土曜日のブログで^_^

<関連ページ>

ウィラナタの姉ガルーの新作を入荷・・・幻想的な心象風景を描く女流画家

 

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2014.12.20

3ヶ月からレンタルします

こんにちは、坂本澄子です。

寒いですね〜。毎朝のお散歩がだんだんとショートコースになってきました。実はケン(フレンチブルドッグ♂3歳)も寒がり。娘が去年クリスマスにプレゼントした赤いジャケットを来て出かけても、トイレを済ませたら早くも「帰ろうよ〜」モード。寒さもへっちゃらなワンコのイメージは、ケンに出会ってからもろくも崩れさってしまったのでした^o^;

 

さて、今日は新しいサービスについてご紹介します。

以前から、やりたいと思いつつ、なかなか決心がつかなかった絵画レンタル。2つの作品を対象に試験的にやってみようと思います。

 

<対象作品は若手新進作家ボリのモダンなバリ絵画>

PM002-03

 

作家のボリは26歳、若手新進作家として数々の賞を受賞、近年注目を集めています。瑞々しい感性で描くモダンな作品はバリ島のリゾートホテルでも採用され、多くの人の目を楽しませています。

 画家プロフィール

 【写真】 画家と自身の作品が採用されたバリ島・サヌールのホテル客室にて

 

①『Sunlight Smiling Ⅰ』 – BOLIT  作品詳細バナー

120cmx100cmのラージサイズ。ゴールドのボックスフレームに包まれ、スタイリッシュな印象です。広めのリビングやサロン、オフィスのロビーなどにおすすめ。大胆な構図と色使いが華やかな空間を演出し、気分をあげてくれます。 

 3ヶ月レンタル価格:20,000円(税込・全国配送無料)

ブログ178_ロビー

2階施術コーナーに飾られたBOLIの作品  ボリ「陽光の微笑」 

 

② 『Sunlight Smiling Ⅲ 』- BOLIT 作品詳細バナー

50cmx150cmの人気の横長サイズ。ソファの後ろの壁がちょっと淋しいと思ったら、こんな作品はいかがでしょう。シックなインテリアにもすっきりと馴染みます。

 3ヶ月レンタル価格:20,000円(税込・全国配送無料)

ブログ178_ラウンジ

 

<3ヶ月後は3つのオプションから>

レンタル

のいずれかが選べます。もちろん、ご返却後に別の作品をレンタルするもよし♫

 <今ならさらにおトクな特典が>

この作品は12月末まで歳末感謝セールで特別価格80,000円。そこで、12月末までにレンタルを申し込まれたお客様に限り、3ヶ月後もこの特別価格との差額料金でご購入いただけます。つまり、プラス60,000円でOK。

いいなと思われたら、まずはレンタルから。 申し込みバナー

お問い合わせ欄に、レンタル希望「作品名◯◯◯」とご記入の上お送りください。

 

ところで、これまで決心がつかなかった一番の理由は、レンタルから戻った作品をどう扱うか…です。もちろん新品として販売することはしません。つまり、3つのオプションのうち、①は最初にレンタルされた方だけの特典となります。

作品を仕入れる時の基準はいくつかありますが、最終的にはその絵を自分ならほしいと思うかどうかで決めています。ですから、どの作品にも思い入れがあります。レンタルという限られた期間の中で、お客様にその思いを共有していただけるかどうか…、正直悩みました。ですが、これまでの経験から私なりに得た結論は「絵が好きな人はステキな人ばかり」。だったら、やってみようと思いました。

 レンタルに関するご意見もお待ちしてま〜す。

 

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2014.12.17

完成!ガルー新作『朝のセレモニー』

こんにちは、坂本澄子です。

今日はバリ島最大の祭礼のひとつ、ガルンガン。善が悪に打ち勝ったことを祝い、先祖の霊が降臨するお祭りで、一斉に各家の前にベンジョールと呼ばれる竹飾りが立てられます。それはもう壮観ですよ。

バリのお母さんたちは豚を屠り、お祭りのご馳走を作ったり、お供え物の準備をしたりと、ここのところずっと大忙しだったことでしょう

 

さて、今日は幻想的な心象風景画で世界を魅了する女流作家、ガルーの新作のご紹介です。

スクリーンショット 2014-12-17 8.14.53「まだ誰にも声をかけてないんだけど…」

そう言って、そっと見せてもらったのが11月の半ば。その時はまだ6〜7割程度の完成度といったところでしたが、目の前に高い椰子の木がそびえ立つ、ちょっと変わった構図を見ただけで、新しい何かに挑もうとしている画家の意志のようなものが感じられました。

横幅3mの大作を始め、ここしばらく大型注文にかかりきりだったガルー。そこからある意味解放され、楽しみながら描いたことが伝わってくるほど、清々しい力のこもった作品に仕上がっています。スクリーンショット 2014-12-17 8.13.44彼女自身もこの作品をとても気に入っているそう。

ウブドも近年開発の波が押し寄せ、のどかな田園風景や伝統的なライフスタイルは次第に変わりつつあります。そんな様子に目の当たりにし、この美しい風景がいつまでも続いてほしいと、切なる願いを込めて描かれた作品です。

 

では、全貌をご覧ください。

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ガルー『朝のセレモニー』
(画像をクリックすると作品詳細がご覧いただけます)

コントラストのある描き方をしているため、少し離れた場所から見ると奥行きのある風景画として楽しめます。そして、近づいてみると、物語の場面のような繊細な描写にぐいぐいと引き込まれていくんです。グリコじゃないけど、まさに二度おいしい作品。

画家と作品この作品、ぜひ実物をご覧いただきたいのですが、次回絵画展は春になるため、ご希望の方には個別に内覧会をご案内します。こちらのフォームからお申し込み下さい。

それにしても、ガルーさんってステキですよね。女性の私から見てもうっとりしちゃいます〜。

 

<関連ページ>

ガルーの作品を見る

ガルー新作『朝のセレモニー』作品詳細

 

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2014.12.13

満月の夜の思い出を描く

こんにちは、坂本澄子です。

前回のブログで、満月の夜の思い出をお話しましたが、子供の頃の美しい思い出を持つ人がここにもいました。バリ島の画家ウィラナタです。

ブログ184_ウィラナタ作品

初めての方に少しご紹介します。ウィラナタは「現代バリ芸術の父」と言われるドイツ人画家シュピースに強く影響を受け、熱帯の幻想的な風景を描き続ける画家。自身の少年時代の思い出を光で表現した独特な心象風景画で定評があります。(特集ページはこちら)

バリ島を代表する美術館、プリ・ルキサン美術館ネカ美術館(写真は『村の風景』)などがその作品を所蔵・展示しており、世界中から訪れる人々を魅了しています。実は私もそんなひとり。初めてネカ美術館を訪れた時に気になった絵が、実はウィラナタの作品だったのです。それがわかったのは随分後になってからなのですけどね。

スクリーンショット 2014-12-13 9.33.27以前、アトリエを訪れたとき、彼の奥さんとお母さんが満月の祭礼の準備をしていました。アトリエの中にある小さな祭壇にチャナンを供え、聖水で場を清めていく様子は、バリでは珍しい光景ではありませんが、

「満月は永遠の平安をもらたすんだ」

ポツリと言ったその一言が、私の心の中にいつまでも消えない余韻を残し、彼に満月をテーマに制作を依頼することとなったのです。それがわずか数週間前のこと。

「次々とイメージが湧いて来るんだ。描いていて楽しくて仕方ない」

そんな言葉が添えられて、写真が送られてきました。

(え、もうこんなにできてる?!)

売れっ子作家の彼に依頼して、こんなに早く進んだことは正直初めて。それくらい、この絵にぐぐぐーっと傾倒しているのでしょう。

満月が棚田の水面に写り、明るく照らし出された空間がありました。田圃の脇の小さな祠の回りでは家族が祭礼の準備をしています。そして、ほぼ中央には小さな松明を手に畦道を照らす少年が。きっと画家自身に違いありません。

(彼らしい…)

そう思って何だか嬉しくなりました。今回もいい絵になりそうです。

さて、満月と言えば、嬉しいお知らせが。

ブログ184_澤野新一朗写真展私の大好きな写真家、澤野新一朗さんから、来年ついにバリに行くとの連絡がありました。以前このブログでもご紹介させていただきましたが、澤野さんは南アフリカの大地を20年以上に渡り撮り続けている、自然と人の調和をテーマとした写真家。NHKのドキュメンタリーにも取り上げられるなど多忙な毎日。バリ島で満月の夜を撮りたいと、もう随分前から言っておられましたが、ようやくスケジュール調整がつきそうとのこと。

自然と人の調和はまさにバリの人々の生き方にも通じるものがあり、澤野さんには絵画展にもよく来ていただき、「いつかコラボしたいですね」とも。この絵が完成したら、そちらも実現できるといいなあ…と夢を膨らませているところです。

 今日から25日まで、澤野新一朗写真展『THE COLOR OF NATURE』が千代田区六番町の飯田弥生美術館ギャラリーで開催されます。アフリカの大地の雄大さと澤野さんの気さくな人柄にきっと癒されますよ。

<関連サイト>

ウィラナタ特集ページ

3分間で見れる彼のアトリエと制作風景

澤野新一朗写真展『THE COLOR OF NATURE』

 

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