バリアートショールーム オーナーブログ
2018.3.10

LABAさんの絵が繋いでくれたご縁

こんにちは、坂本澄子です。

バリの画家さんたちの絵を扱う傍ら、私自身も画家として小さな歩みを始めています。

昨年、その様子がNHKで紹介され、私の作品にもお問合せをいただけるようになり、とても嬉しく思っています。

そこで、今日はちょっと照れくさいのですが、プンゴセカンの巨匠・故LABAさんの作品が繋いでくれたご縁で、岐阜県の児島さまからご依頼いただいた、とても大きな絵(173x150cm)のお話をさせてください。

 

舞台は、築100年を超える古民家です。

以前は土間だった場所をリノベーションし、吹き抜けの玄関ホールが作られたのは10年前のこと。

以来、「壁いっぱいの大きな絵を飾ることが夢だった」とおっしゃる児島さまは、第一弾として、昨年10月、1階部分にLABAさんの遺作『緑にいだかれる午後』を購入されました。

それがご縁となり、2階部分の絵のご相談をいただき、

「LABAさんの絵と横幅(150cm)を合わせて、天井まで届く絵を描いてください」

と、ご依頼を受けるまでになりました。

 

この玄関ホールには他にはない、「ある特徴」がありました。

それは、天窓から差し込む長方形の光。

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磨りガラスを通して、昼間は柔らかな陽射し、夜は幻想的な月の光が、それぞれに空間を彩り、その位置の変化で、季節の移り変わりを感じるのだそう。

児島さまからそんなお話を伺いながら、私の脳裏に浮かんだひとつのイメージが、絵になりました。苦労したのは満月の光の輪。3回失敗してやり直し、4回目でようやく納得の行くところまできました。

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そして、3月7日。ついに納品の日がやってきました。

リノベーションを担当された建設会社さんが来られ、4人がかりで、30㎏を超える巨体をひっぱりあげていただきました。

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さすがはプロ。足場の不安定さなどものともせず、テキパキと作業は進みます。

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ついに、2点の絵が対になりました。おつかれさまでした!

真ん中の和服姿が児島さま、屈強な(?) 男性たちは野村建設さんのみなさんです。

児島さまは着付けの先生。この後、ランチをいただきながら、和の美についてお話が盛り上がりました。私も古典模様に凝っていて、実はこの作品にも蓮の葉の陰の部分に、隠し味的に青海波を描いているんです。

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児島さまには1月に東京で制作途中をご覧いただいたのですが、その時のことが、ご自身のブログの中で、着物との掛け合いでとても素敵に紹介されています。

「ひと夜月夜と真綿紬のお正月」も、ぜひご覧になってみてください。

「いつか個展が開けたら、和服でお客様をお迎えしたい」、それが次の目標になりました。

<関連ページ>

この記事を投稿しました後、児島さま、野村建設さま、それぞれに素敵なブログを更新されました。合わせてご紹介させていただきます。

 

ルーチェの着物ごよみ3月
「月明かりの夜」と満月の白うさぎ
http://kimonoluce.com/kimonogoyomi201803/
 
野村建設様ブログ
 

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2018.2.23

オレンジ色に暮れなずむ空

 

こんにちは、坂本澄子です。

今日はKepakisan(ケパキサン)さんのステキな新作をご紹介させていただきます!

 

昨年秋、ウブドのプリ・ルキサン美術館で2ヶ月に渡って開催された、アグンファミリーの作品展。ドイツ人画家シュピースの幻想的な作風を今に受け継ぐ、画家さんたちが大集結。会場は魅力的な作品にあふれていました。

その中で、優しいオレンジの色使いが目を引いたのが、Kepakisanさんの作品でした。

 

「しばらくご無沙汰している間に、しっかりと腕をあげられた」

そんな印象を受けました。

早速、「この作品と同じ色合いで」とお願いして描いていただいたのがこちらの作品。

 

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『オレンジ色に暮れていく空』KEPAKISAN 25x35cm

 

優しく一日が暮れていく時間。

牛を引いて帰途に着く農夫。

心身を鎮めてくれるムルカット(沐浴)

側では小さな男の子がおっかなびっくり手を差し出す。

静かなバリの風景。

 

沐浴については、あるお客様から

「バリ旅行では外せません。あの冷たいけど体が清められ新たなエネルギー行き渡る感じが大好きです!」

と教えていただいて以来、私も興味津々。今度ぜひトライしてみます。

 

Kepakisanさんには同じサイズでもう一点、棚田の朝の風景を描いていただきました。

近日2点同時入荷、どうぞお楽しみに!

 

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2018.2.17

じっくりと愉しみたい絵 アリミニ珠玉の小品

こんにちは、坂本澄子です。

春の足音を感じつつ、まだ長い夜を過ごす今日この頃。

いい絵を見ながら、いいお酒を少しだけ。

そんな時間の過ごし方、いかがですか。

オススメはじっくり愉しめる絵。

ぱっと目を引き、お部屋の雰囲気を明るくしてくれる花鳥画も素敵ですが、

バリ島ならではの伝統絵画もいいですよ。

人気女流作家アリミニさんの作品は、

バリの伝統絵画を継承しつつ、独自の構図と色使いが魅力。

ずっと見ていたくなる、深い味わいがあります。

 

この度の、アリミニさんの大作完成を記念して、珠玉の小品『ハヌマンの誕生』をバリアートショールーム5周年特別価格でお届け致します!(通常160,000円を98,000円)

『ハヌマンの誕生』35x25cm アクリル画

『ハヌマンの誕生』35x25cm アクリル画

 

どこにでも飾れるサイズ(35x25cm)ですから、

じっくりお手元で鑑賞できます。

明るく、かつ、深みのある色使いを愉しんでください。

「明るくて、深み??」

 

はい。

例えば、緑一色に見えるところも、よく見ると、

いろんな種類や明るさの緑が使われており、

どんどん細部に引き込まれていきます。

一方、視線を引いて、全体を見渡してみると、

奥へと広がっていく構図に、視線が導かれる感じ。

実は、この作品。バリ島の伝統絵画にはめずらしく、

手前を大きく、向こうを小さくと

意識して遠近感をつけて描かれているんです。

最後は、向こうの山並みへすっと抜けていくような、

気持ちのよさが味わえます。

 

ところで、この絵の真ん中の動物、何かに似ていると思いませんか?

私はずっとゴア・ガジャ遺跡だと思っていました。

ジャワ文明が入ってくる前から、バリ島には独自の文化が存在したことを証明する、と言われる貴重な遺跡です。

そんなことを考えていたら、偶然にも、つい先日そのゴア・ガジャ遺跡の前で、ご主人と記念撮影した写真を送っていただきました 笑

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素敵なご夫婦なんです…(^-^)

 

特別価格は3月31日まで。

アリミニさんの一点ものの原画を手にいれるまたとないチャンスですよ。

どうぞこの機会をお見逃しなく!

ご注文はこちらからどうぞ。

そうそう、春のトップページもアリミニさんですよ。ぜひご覧くださいませ。

 

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2017.12.23

年間アクセスランキングで振り返る2018年

今年も残すところ、後10日。皆様にとって今年はどんな一年だったでしょうか。

恒例となりました「年間アクセスランキング」の発表を通じて、今年のバリアートショールームの一年をご一緒に振り返ってみたいと思います。

今年は、日本のお客様に好まれるモチーフをお願いし、制作段階から積極的に関ってまいりました。

既に販売済の作品もありますが、お目に留まった作品がございましたら、画像クリックして詳細をご覧いただければ光栄です。よろしければ、ご注文制作も承ります。また、年内28日ご注文分まで全国送料無料でお届けしていますので、あわせてどうぞご利用ください。

では、まいります。第10位からのカウントダウン!

#10  ZY005

 

『バリ島』 

SOKI

¥250,000

やっぱり!と思う納得の作品が早速登場しました。島の形にバリ島ならではの風物詩がぎっしりと描かれたこの作品、SOKIさんの画家としてのエネルギーがほとばしる傑作です。創業以来、幾度もご注文制作をお受けしている人気作品、その都度少しずつ色合いやモチーフに変化があり、一点物ならではの楽しみがあります。
#09  PP002

 

『少年たちの情景』

LABA

¥160,000

今年10月に69歳で亡くなったLABAさん。日本にも多くのファンを持ち、様々な作品を扱わせていただきましたが、いよいよこれが最後の一点となりました。個人的にも5本の指に入る好きな作品のひとつです。様々な緑に溶け込むように描かれた朴訥とした表情の少年たち。画家自身の昔を懐かしんで描かれたものですが、日本の原風景に通じる懐かしさを感じます。

#08  PP039-02

 

『夏の夜の夢 II』

GAMA

¥68,000

7月掲載。夜を思わせる背景に、蒼白く伸びた熱帯スイレン。そのしなやかな曲線が、イブニングドレスをまとった貴婦人のような優美さを与えています。夏の夜の夢のような幻想的な雰囲気に、鶏が見事に調和しています。80x40cmと縦に長い珍しいサイズ。お玄関などにいかがでしょう。
#07  PP037

 

『恋するオウム』

RAJIG

SOLD OUT

 5/19のNHKでの放送以来、全国からバリ花鳥画へのお問合せをいただき、次々と新作を発表したうちの1点です。エキゾチックな鳥キバタンに熱帯植物ヘラコリアと極楽鳥花を題材に指定し、花鳥画ならこの人と、RAJIGさんに制作をお願いしました。期待以上の素晴らしい出来栄えに、掲載と同時にアクセスが急上昇。同じくキバタンにアンセリウムを描いた二作目ともに、早々にご購入が決まりました。

#06  PP056

 

『カワセミの棲む森』

DEWA

SOLD OUT

これからが楽しみな若手作家、DEWAさんの3作目です。毎回すぐに売れてしまう、DEWAさんの作品。11月の掲載と同時にアクセスが集中し、あっと言う前にご購入が決まりました。画家の人柄を表す朴訥としたタッチは、どなたにも親しんでいただけます。4作目は60x80cmと大きめの花鳥画をお願いしています。1月下旬の公開をどうぞお楽しみに!

#05  PS013

 

『静寂に包まれる朝』

WIRANATA

¥450,000

10月の新作。現在、バリアートショールームのトップページを飾っており、朝の清々しい空気が伝わってきます。藁葺き屋根に落ちた陽だまり、朝日に向かって舞い上がった真っ白な鷺の一群。逆光にキラキラと輝く葉の一枚一枚にいたるまで、画家の深い意図を感じます。よい意味での緊張感が、隅々にまで張り巡らされた作品です。

#04  PP035

 

『5羽の文鳥』

RAKA

¥53,000

下半期では第1位に輝きました。RAKAさんの作品の特徴は、誰にでも親しんでいただける、透明感あふれるやさしさにあります。もともと3羽の文鳥でしたが、仲間を増やして5羽にしてもらいました。1:2の横長サイズは飾りやすいと人気、さらに今なら、彫刻入りの木製額縁とゴールドの額縁、2種類からお選びいただけますよ。

#03  PS011

 

『満月の夜に』

WIRANATA

¥700,000

再びWiIRANATA作品の登場です。この夏、小冊子『光の風景』にたくさんのご応募をありがとうございました。田んぼに松明の火をかざして、田うなぎを探しているのは、子供の頃の画家自身。自分自身の思い出に重ねて懐かしさに浸ったり、幻想的な月の光に魅入られたりと、様々な感覚を呼びおこしてくれる作品です。月と水の描写はさすがです。

#02 ガルー「黄昏の静謐」 

 

『黄昏の静謐』

GALUH

¥350,000

人気女流作家GALUHさんの作品。この絵との出会いが、バリアートショールームを立ち上げるきっかけとなりました。「こんなスゴイ絵が私にも買える」、その高揚感が今でも活動の原動力となっています。何年にも渡り高いアクセス数を維持している一枚。淡いサーモンピンクに染まる空を写す黄昏の水田に、家鴨たちのシルエットが影絵のように浮かび上がるさまは、夢の風景のようです。

#01 PP033 

 

『緑にいだかれる午後』

LABA

SOLD OUT

夏の間、バリアートショールームのトップページを飾り、お問合せの多かったこの作品が年間1位に輝きました。100x150cmの大きな絵に一目惚れしたとおしゃる岐阜の旧家へ嫁ぎました。お客様にお届けした同じ10/8にLABAさんの訃報を聞き、遺作となりました。LABAさんの真骨頂とも言える深い緑は、大自然の懐にいだかれるような深いやすらぎを与えてくれます。

2017/6/1-12/20の閲覧開始数に作品掲載時期を加味してランキングしました。

いつも多くの方に見ていただき、大変嬉しく思っています。ありがとうございます!

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2017.12.3

キャンバスのまま飾ってもステキです

こんにちは、坂本澄子です。

寒くなってまいりました。

先日、富有柿のふるさと、岐阜県揖斐郡大野町から、甘くて美味しい柿をたくさん送っていただきました。

image1 (18)食後のスイーツとして上品な甘さを楽しんでいましたが、送ってくださったお客様から、ちょっと変わった食べ方を教えていただきました。早速試してみたところ、!!! 

その1:エビチリ。いつもの作り方に柿を加えるだけ。私の場合、Cook DOを使い、ソースを入れたところで、食べやすい大きさに切った柿1個分を投入。ボリュームアップしてお腹も大満足でした〜。

その2:カレー。やわらかくなった柿を皮をむいてそのまま投入、野菜と一緒に煮込みます。コクが出てとてもおいしいです。

ぜひお試しあれ。

 

さてさて、師走がやってまいりました。

クリスマスのデコレーションを飾ったら、やっぱり絵もほしくなりますよね〜!

絵が一枚あるだけで、お部屋の華やかさがグンとアップします。

バリアートショールームでは、届いたその日に飾っていただけるよう、それぞれの絵に合った額装をしてお届けしていますが、

大きめの作品の場合、キャンバスのままで飾っていただくのもステキですよ。

すっきり飾れて、周囲のインテリアにもすっと馴染みます。

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Budiの新作『実りの木 III』はそんな飾り方をしていただけるよう、キャンバスの側面にも絵を加えました。奥行き5cmの木枠を使用していますので、夜は照明で影ができ、浮かび上がるような立体感がでます。

いまなら全国送料無料でお届け(12/28まで)します。特にラージサイズの絵はお得。関東なら¥2,646、関西なら¥3,348、九州(南九州)ならなんと¥4,320の送料が無料になります。この機会にぜひどうぞ!

 

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2017.11.8

バリアートのある暮らし ついに憧れの大きな絵

こんにちは、坂本澄子です。

今日もお客様からの嬉しいお便りをご紹介します。

千葉市にお住まいのS様はご夫妻揃って大のバリ好き。これまで何度かバリ島を旅行され、その度に絵を買って帰りたいと思っておられたそうです。

ところが、いざギャラリーに入ってみると、あまりの商売熱心さに落ち着かず、何を選べばよいのかわからなくなり、結局買わず仕舞いに。。。

お部屋の中にはご覧のような、バリ雑貨のお店で購入されたオブジェたちのコーナーを作り、いつかその中心に大きな絵を飾りたいと思いを巡らせておられました。

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知り合いの日本人の画家のタマゴさんにご相談もされたそうですが、大きな絵となるとキャンバス代だけでもかなりの出費に。。いっそのこと壁に直接描いてもらおうかと、思いは募るばかり。

そんな時、バリ島の絵画を提案してくれるらしいと、「バリアートショールーム」のことを知ってくださり、お問い合わせをいただきました。

ご予算をお聞きして、バリアートショールームのサイトを見て、「こんな感じの絵が好き」と教えていただいた後、いくつか作品画像をお送りして見ていただきました。すると、「夕日のきれいな、大きな海の絵はないですか?」と具体的なご希望が。
バリアートショールームでは、海の絵は扱っていなかったので、バリ島の信頼できるギャラリーに問い合わせをしたところ、これはと思う候補が何点か見つかりました。

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100x120cmの大きな絵。まるでその向こうに海が広がっているようです。

お客様のご予算をラクラク下回るお値段で、波の感じや夕焼けの空がなかなか素敵な絵。お客様も気に入ってくださり、早速お取り寄せさせていただきました。

カジュアルに飾りたいというご希望から額縁には入れず、キャンバスの側面にも絵が見えるよう、ひとまわり小さな木枠に張り替えて、そのまま飾っていただいています。

大きな絵は玄関から続く廊下に、そして、残りのご予算で、玄関のシュークローゼットの上にもう一枚。こちらはまるで誂えたように、ジャストサイズの花鳥画です。

IMG_0072「お部屋が明るくなりました。見る角度によって、違う絵のような魅力を楽しんでいます。眺めているうちに想像の世界が広がっていくようで、かなり癒されますね」

早速、バリ絵画のある暮らしを楽しんでおられるようです。

 

「バリアートショールーム」ではサイト掲載作品以外にも、ご希望に応じて作品のご提案をさせていただいています。どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

 

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2017.10.25

バリアートのある暮らし 100年の古民家へ嫁いだ絵(後編)

岐阜まで納品に伺ったのには訳がありました。

K様の元々のご希望は、玄関ホールの吹き抜けを貫く大きな絵。一目惚れで購入された『緑にいだかれる午後』は1階部分に、そして、その真上に天井まで届くさらに大きな絵を飾り、それらを対の作品として空間構成したいとお考えだったのです。

写真も送っていただき、そこに合成シミュレーションしながら、何人かのアーティストの作品もご紹介していました。ですが、どうしても自分自身の目でその場所を確認したくて、K様にお願いして、ご自宅にお伺いさせていただくことになりました。

 

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吹き抜けの2階部分からホールを見下ろす

それは想像していたよりも、遥かに素敵な空間でした。

焚き染めた香に迎えられて一歩足を踏み入れると、天窓からは陽光が降り注ぎ、漆喰壁と太い柱が積み重ねられた時の重さを伝えていました。

「夜になると、天窓の向こうに月が流れていくのが見えるのですよ」

K様が話してくださるその光景が目に浮かぶようでした。

 

地元産のお茶受けで温かいおもてなしをいただきました。利平栗は普通の栗の2〜3倍はありそうな立派な栗で、ラム酒の香りを効かせた上品な甘さのシロップで煮詰めて作られたお菓子はK様の手作り。

そして、もうひとついただいたのが、鮎の甘露煮でした。K様が時々お散歩をされる木曽川水系の根尾川は浅瀬が多く、この時期澄んだ水の中に鮎が泳ぐ姿が多く見られ、白鷺もやって来ます。

ある日、川の中に入って鮎を釣っているオジさんさんから、自分が作る鮎の甘露煮は絶品だと声をかけられ、たくさん分けてもらったのだそうです。何時間もかけて炊いた自慢の甘露煮は骨までやわらかく、頭からパクリと何匹でもいただけそうな美味しさでした。

LABAさんの作品のお輿入れと和服で迎えてくださったK様

LABAさんの作品のお輿入れと和服で迎えてくださったK様

そんなお話を伺っていると、初めて訪ねたこの土地が、澄んだ水と豊かな土壌に恵まれた場所であり、それはLABAさんの絵から感じる土の匂いとどこか共通するものがあると思われました。

そんな思いでもう一度吹き抜けを見上げてみると、1階のLABAさんの絵と天窓を結ぶもう一枚の絵のイメージが頭の中に湧き上がってきました。

思わず、「私も描いてみたいです」と半ば冗談で呟いた一言を、K様はさっと受け止めてくださいました。

「それ、いいと思います。私は坂本さんの感性が好きで、数多のバリ絵画の中からこの絵に出会うことができたのだから」

私はしばらくキョトンとしていたのではないかと思います。やがて、その意味していることがわかると、とてつもない不安が押し寄せてきました。ラバさんが何年もかけて描き上げた大作。それにふさわしい絵が自分に描けるだろうか。

そんな不安が伝わったかのように、K様はこう言って声をかけてくださいました。

「誰かを喜ばせようとするのではなく、坂本さん自身がワクワクできる絵を思い切り描いてください」

感謝して、私はこの素晴らしい機会をお受けすることにしました。

 

ラバさんの訃報を知ったのは、翌日大阪で用事を済ませて帰京する新幹線の中でのことでした。最近、少し歳をとられたかしらと思うことはありましたが、あまりに突然のことに、しばらくは信じることすらできませんでした。

ラバさんの絵にはバリの人たちが持つ「ある世界観」があります。

偉大なる自然(そこに神々が宿ると、バリの人々は考えます)から恵みをいただき、育まれる生命(いのち)。それは人間も動物も同じで、自然に包まれる小さな存在。そんな世界観がLABAさんの描く、あの深い緑と個性的な動物たちに繋がっているのではないかと思いました。それは私たち日本人にとっても、原風景に出会ったような懐かしさを感じさせてくれています。

わずか4年間でしたが、LABAさんの素晴らしい作品を扱わせていただき、憧れ続けた最後の大作をお客様に無事にお届けできたことをとても嬉しく思っています。

LABAさんのご冥福を心からお祈りします。

 

<関連ページ>

LABA作品ページ

LABAさんの絵は最後の一点となりました。LABAさんが少年時代を懐かしんで描かれた作品『少年たちの情景』は、私たちの心にも、子供の頃の懐かしい光景を思い出させてくれます。

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2017.10.21

バリアートのある暮らし ー 100年の古民家に嫁いだ絵(前編)

こんにちは、坂本澄子です。

10月8日にプンゴセカンの巨匠、LABAさんが亡くなりました。
森に棲む南国の鳥や動物たちを個性的な表現で描き、日本にもたくさんのファンをお持ちでした。あまりに突然のことに、まだ信じられない気持ちでいっぱいですが、「よい人生を送り、静かな最後でした」とご家族から伺いました。

LABAさんのご冥福を心からお祈り申し上げます。

******

 

今日の「バリアートのある暮らし」はLABAさんの遺作『緑にいだかれる午後』のお話です。

最後の大作を前に (2013年)

最後の大作を前に (2013年)

この作品との出会いは、初めてLABAさんを訪ねた2013年に遡ります。

アトリエにひときわ目を引く大きな作品がありました。サインは既に入っており、2011年とありました。

一度は筆を置いたそうですが、ご自身でも気に入っておられ、手元に置いて、折に触れては手を入れていると、話して下さいました。

その頃の私は「バリアートショールーム」を立ち上げたばかりの駆け出しで、「いつかこんな大きな絵を扱えるようになりたい」とただ憧れるばかり。その後もLABAさんのアトリエを訪ねる度に、その絵がまだあることをそっと確認しては、高嶺の花を見守っていました。

それから4年、今年の夏にバリアートショールームのトップページを久し振りに衣替えすることになり、LABAさんにお願いして、トップ画像に使わせていただきました。

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デザイン:トツカケイスケ氏 バリアートショールームのサイト立ち上げ時からずっとお世話になっています。

 

「今年こそはあの絵を扱いたい」

そんな思いを胸に秘めていました。

2ヶ月ほど経った頃、バリアートショールームに1件のお問合せが入りました。

岐阜県にお住まいのK様とありました。

お電話でお話を伺ってみると、100年を超える古民家にお住まいで、10年前に改築した際に、土間だった部分を吹き抜けの玄関ホールにリノベーション。そこに大きな絵を飾りたいと、計画を温めてこられたのでした。

「以前バリ島を旅行した時、画家さんに1日島を案内してもらいました。その方の人柄や絵に対する溢れるような優しさが今でも心に残っていて、バリ絵画がいいなと」

インターネットでも色々調べられたそうですが、これといった作品に出会えず、そうこうしているうちに、NHKのEテレ『明日も晴れ!人生レシピ』(2017/5/19放送)で、バリアートショールームが紹介されたのをたまたまご覧になったそうです。

「こんなに洗練されたバリ絵画があるのだと驚きました。特に、御社のサイトにある、卵を3つ抱えた梟と白いオウムの絵がいいなと思っています」

K様が気に入っておれらたのは、LABAさんの『緑にいだかれる午後』でした。

ご縁があるというのはきっとこんなことを言うのでしょう。

ほぼ同じタイミングで、LABAさんの奥様の火葬式を行うことになり、何かと物入りのため、あの絵を売りたいというオファーが入ったのです。

それからお話はトントン拍子に進み、日本で額装した大作『緑にいだかれる午後』を車の荷台に積みこみ、岐阜のK様の元へと出発したのは、10月8日の朝のことでした。

ちょうどその頃、LABAさんが息を引き取られているとは、想像だにしていませんでした。(続く)

<関連ページ>

LABA作品ページ

LABAさんの絵は最後の一点となりました。LABAさんが少年時代を懐かしんで描かれた作品『少年たちの情景』は、私たちの心にも、子供の頃の懐かしい光景を思い出させてくれます。

 

 

 

 

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2017.10.20

人生100年時代の生き方 取材いただきました

ここ10年、いろんな方の絵を見ていますが、最初に作品を見て、その後ご本人にお会いすると、あらっと思うことがよくあります。

エネルギーに満ちた筆使い、躍動感溢れる構図に、若い方の作品だとばかり思っていると、実は80代のおじいちゃんだったなんてことはしょっちゅう。年齢を重ねて、逆に益々チャーミングで愛らしいおばあちゃんもいっぱい。

会社員だった頃、今とは真逆の生き方をしていました

会社員だった頃、今とは真逆の生き方を

私もそんなふうになりたいと、人生の後半戦の生き方をぼんやりと考えていた頃、バリ絵画に出会い、あれよあれよという間に、それまでとは全く違う道を歩き始めることになりました。

独立してこの5年間、色々ありました。何がつらかったかって、展示会を開いて、お客様に来ていただけるのを待つときの孤独な時間の長さ。この絵がいいと情熱を注ぎ込んでも、そう思うのは自分だけではないのかと、考えてしまったことも。

でも、その度にお客様との新しい出会いがあり、絵を持つことをとても喜んでくださる姿を見ると、この仕事をやっててよかったと、しみじみ思うのですよ。

そんな行きつ戻りつを何度か繰り返しているうちに、人生の後半戦は、人からどう見られるかではなく、自分自身がどう思うのかが大切なのではないかと考えるようになりました。

 

私のそんな生き方を、人生100年時代のコンシェルジュ「Ageless」さんのコラムで、3回シリーズでご紹介いただいています。

1。会社員時代〜バリ絵画に出会うまで

2。バリ絵画との出会い〜アートディーラーへの転身

3。この5年間とこれからのビジョン

 

取材して記事を書いてくださったのは、元テレビ東京のキャスターの槇徳子さん。

メディア業界のご出身だけあって、インタビューの中で、キラリとしたものを見つける目と、それらをつなぎ合わせてストーリーを構成されるプロのお仕事を真近に見せていただきました。

「普通の会社員の私にもこんな素敵な絵が買えるんだ」という高揚感に包まれたガルーとの出会い

「普通の会社員の私にもこんな素敵な絵が買えるんだ」という高揚感に包まれたガルーとの出会い

私の苦労した話に柔らかな表情で耳を傾けながら、こんなふうにされてはどうですかと、ひとつひとつ親身に考えてくださったのにはとても感激しました。取材に来られて、相談に乗ってもらえるなんて、思いませんもの。笑

ご自身も10年前に独立され、広告戦略のコンサルタントとして、幅広い活動をしておられる槇さん。それでも独立された当初は「私も同じように苦労しました」と、さらり。

そんなこんなですっかり意気投合し、11月のバリアートサロンは槇さんをゲストにお迎えし、対談トークスタイルで進めていきたいと準備中です。

槇さんご自身も大のアート好き。ご自宅のリビングには所狭しといろんな作家さんの絵が飾ってあるそうです。絵を持つ楽しみから、人生後半戦の生き方まで、いろんな話が飛び出しそうです。

ぜひ、遊びに来てくださいね。トークショーのあとは作品展示をご覧いただけます。

詳しくはこちらをどうぞ!

 

 

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2017.9.25

人の心に寄り添える絵

こんにちは、坂本澄子です。

この秋最初の金木犀の香りに出会いました。9月もあともうわずかですね。

月日の流れる速さに、いつも驚かされます。

 

さて、今日は私の作品のことをお話させてください。

 

今年5月、私の作品ページをご覧になった方から、制作依頼のメールをいただきました。

大切な方を失くしてお力を落とされているところ、『星降る夜』とそこに書かれた文章を読まれ、背中を押されたと書いてくださっていました。

その作品は、5年前の冬、長年勤めた会社を辞めて、新しい世界に飛び出す決心をした頃に描いたもので、そのとき見た風景が私の背中をポンと押してくれたのでした。

状況は違えど、そこにご自身の心情を重ね合わされたそうで、その絵をもう一度描いてほしいというのがご依頼でした。(元の作品は10年来の友人がアメリカに帰国した際に贈ったため、手元にはありませんでした)

初めてメールをいただき、その方の哀しみの深さを想像すると、期待される絵が自分に描けるだろうかと逡巡し、しばらくお返事ができずにいました。

すると、その方は諦めずに何度かお便りをくださり、時間的な猶予がいただけるのであれば…ということでお引き受けしました。

二科展の方が一段落してから集中して描き、つい先日無事にご依頼主にお届けすることができました。

着手する際にイメージ作りのために作った詩を添えてお送りしたところ、とても喜んでくださいました。

「心に響きました。そうなのですね。そうなのです。何度も読み返しました」

そして、最後にこうありました。

「この絵と詩を毎日見て、勇気を持って歩いていきたいと思います」

私自身もそのお言葉に励まされ、絵を描くことを通じて、人の心に寄り添っていきたいと、思いを新たにしました。

 

最後に、その絵と詩をご紹介したいと思います。

 

星降る夜に

 

『星降る夜に』

キーンと澄み渡った冬の空に
こぼれる満天の星が瞬(またた)く

ほのかな明りを残す地平線
遠く山並みがシルエットを描き出す

人はどこから来て、そして、
どこへ行くのだろう

君と出会い、過ごした時間は
つかの間の宇宙の瞬(またた)き
眩(まぶ)しいほどの光を放ち
深い闇へと吸い込まれていった

ひとり残され
生きてく意味さえ、見つけられぬまま
僕は今日もひとり
この風景を見ている

葉をすべて落とした一本のケヤキ
冬の寒さを物ともせず
ピンと背筋を伸ばしている

細く張った枝のひとつひとつが
あふれる星の光を受けて
いま七色に輝き出す

凛とした君の強さを想い
冷たい空気を吸い込むと
少しシャンとした気分になる

「前を向いて、歩いて行きなさい」
そっと背中を押される声がした

一歩踏み出す勇気はまだないけれど
その声が今の僕を支えている

 

 おつきあいくださり、ありがとうございました。

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